めぐみ先生の保育コラム 保育士の為のお役立ち情報

保護者に伝わる連絡帳を書くための5つのコツ

保育士の日々の業務の1つに「連絡帳の記入」があります。保護者が家庭での子どもの様子を記入し、保育士は子どもの園での健康状態、遊びの様子、行事の連絡など保護者に伝えたいことを記入します。仕事が忙しい保護者とは、ゆっくりと情報交換をする余裕がないため、連絡帳は園と家庭の橋渡しをしてくれる大切なものです。

 

保育園によって連絡帳の扱いは違う場合はあります。

事前に園の方針を確認したり、一緒に組んでいる保育士と連絡帳について共通意識を持つようにしましょう。

 

ここでは、保護者により伝わりやすい連絡帳を書くためのコツについてご紹介します。

 

⒈健康状態は些細な変化でもこまめに記入する

連絡帳には、子どもの健康に関する情報を細かく記載します。遊んでいる時にお友達の爪が腕に当たってしまい、少しだけ赤くなってしまったことなども私は記入するようにしていました。「そんなこと伝えなくても良いのでは?」と思う些細なことでも必ず保護者に伝えることによって、保護者との信頼関係を築くきっかけにもなります。

そして、大切なことは「その時、自分がどんな対応をしたのか」も記入することです。看護師から指示があって対応したことなどは、詳細に記入しましょう。家庭と保育園が健康状態の情報共有をすることは、子どもの命を守るために必要不可欠です。

 

⒉遊びの様子+αを伝える

「今日はSちゃんと一緒に積み木遊びをしていましたよ」「女の子たちに混ざってままごとをしていました」など、保育園でどんな遊びをしていたのかを連絡帳で報告することは多いと思います。

その際、「お友達に『貸して』と言葉で言えました。ちょっと照れくさそうでした」「おままごとでは、お父さん役をどうしてもやりたいと主張していました。おうちでお父さんの姿を見ていたのかな?」など、遊びを通してその子がどのような心情であったか、どのような成長を感じられたかまで報告できると良いですね。

 

⒊保護者からのメッセージには温かいレスポンスを

保護者にとっても、連絡帳に対する考え方は様々です。毎日びっしりと家庭の様子を記入してくださる方もいれば、「仕事が忙しいのに連絡帳を書く暇がない」と考えていらっしゃる親御さんも少なくありません。

ですから、保護者から貰ったメッセージは必ずキャッチし、お返事を書くようにしたいものです。「仕事で遅くなっちゃって、昨晩はコンビニ弁当でした」という報告が書かれていた時は「お母さん、お疲れ様です。○○君は、朝は少し眠そうでしたが、午後は元気に遊んでいましたよ」と返事をしました。連絡帳を使えば、忙しい保護者が健やかな気持ちで育児に向き合えるようなメッセージを送ることができます。

 

⒋ネガティブな情報は、口頭での説明を必ず加える

お友達に怪我をさせてしまったこと、喧嘩をしてしまったことなど、保護者には伝えづらい……と思う出来事も保育中には起こります。連絡帳には端的に事実を記載し、その時の保育者の対応や子どもへのケアを書くようにしましょう。

こういったケースは、連絡帳でのやり取りだけでなく、必ず口頭で保護者に状況を説明するようにしていました。文字だけでは誤解を生んでしまう可能性があるため、できる限り、その場にいた保育士の口から保護者に説明することが望ましいでしょう。

 

⒌事務連絡は保護者がパッと見て確認できるように工夫

子どもの様子だけでなく、行事や参観日の連絡、提出物や持ち物について家庭に伝えることもあります。大切なお知らせは文書や掲示板で伝えていると思いますが、さらに連絡帳にも「参観日のお便りを配布しました。ご確認をお願いいたします」と一言書くことで、保護者の確認漏れを防ぐことができます。忙しい保護者であれば、事務連絡をつい見逃してしまう方も。色ペンを使ったり、付箋を貼ったりして保護者がパッと見ても分かるような工夫をすると良いでしょう。

 

いかがでしたか?

20歳の時に親から保育園時代の連絡帳をもらった!という人の話を聞いたことがあります。「自分はこんなに大切に育ててもらったんだ」と気づき、親に初めて感謝の言葉を言えたという人もいるくらいです。大人になってから保育園時代の連絡帳を読み返すのは、とても感慨深いものでしょう。

 

20年後に開いた時、その子と家族が嬉しくなるような、大切なノート作りをしていきましょう。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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