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【新年の保育の導入に】子どもたちに伝えたいお正月の豆知識

大晦日やお正月は、日本人にとって1年の節目であり、気持ちを新たに切り替えるタイミングでもあります。大掃除をしたり、年賀状で新年のご挨拶をしたり、華やかなお正月飾りを飾ったりすると、子どもたちもいつもとは違う雰囲気を感じるでしょう。

 

年明けの保育では、ぜひ日本の伝統行事であるお正月の話を子どもたちに伝えたいですね。

今回は、活動や行事の導入で使える「お正月の豆知識」をまとめてご紹介します。

 

干支の話

干支はもともと中国で月日や方角を表すために使われていたものです。2017年は酉(とり)年。この鳥は、ニワトリのことを指します。ニワトリは朝一番に鳴く、縁起の良い生き物なんです。朝起きて、ニワトリの鳴き声を聞くと、目が覚めてスッキリしますよね。また、「お客さんをトリこむ」という意味から、商売繁盛の象徴にもなっています。

神様と十二支のお話を、絵本やペープサートを用いて紹介すると、子どもたちにもより伝わりやすくなるでしょう。

 

おせちの話

お正月におせちを食べたという子もいると思います。もともとおせちは、農作物が収穫できることを神様に感謝してお供えした料理。また、新しい年の豊穣を願い、1つ1つの料理に願いが込められています。

たとえば、黒豆は「まめに働く」、鯛は「めでたい」など。野菜や豆、肉や魚などを食べられることに「ありがとう」の気持ちを込めて作られたおめでたい料理なんだよ、と紹介すると分かりやすいと思います。

 

年賀状の話

年賀状の起源は古く、平安時代に生まれたものだと言われています。当時は、年が明けるとお世話になった人の家を訪ね歩く「年始回り」が行われていました。しかし、次第に付き合いが広くなると家を訪問することも難しくなってきます。そこで書面で新年のご挨拶を済ませる文化が生まれたのです。当時の郵便屋さんを「飛脚(ひきゃく)」と言います。

家に年賀状が届き、「これは何だろう?」と思った子もいるでしょう。保育園の中で、年賀状ごっこを行うこともオススメですよ。

 

お年玉の話

お年玉の由来は、実は“おもち”なんです!

お正月には、鏡餅を飾る習慣がありますが、この中には年神様の魂が入っているとされていました。お年玉の「たま」とは、年神様の魂のことなのです。

昔はこのお餅を、家長が家族に「おとしだま」として分け与えていました。これを食べることで1年間元気で過ごすことができる、ありがたいお餅だったのです。

 

七草粥の話

1月7日の朝には、七草粥を食べる習慣があります。この風習は、奈良時代に中国から伝わったものです。1月7日は桃の節句(ひな祭り)や七夕の節句と同様に「人日(じんじつ)の節句」と呼ばれ、1年間の無病息災を願って春の七草を入れたお粥を食べます。現在は「お正月に美味しいものをたくさん食べて疲れた胃袋を休めるため」という意味合いでも伝わっています。実際、七草の中には利尿作用や消化不良の改善に効果のあるものも含まれ、お腹に優しい食べ物なのです。セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ。天気の良い日には、七草を子どもたちと探してみてください。

 

 

少し難しい日本の伝統文化のお話も、分りやすい表現で短く伝えたり、ペープサートなどの視覚物を使うことによって、子どもたちは興味を持って聞いてくれます。

保育園の頃に聞いた干支やおせちの話は、きっと大人になっても覚えているはず。子どもたちが次の世代にも伝統を繋げていけるよう、楽しく日本の文化を伝えていきたいですね。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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