めぐみ先生の保育コラム

0歳児クラスを担任する上で心がけたいこと

 

 

初めて0歳児クラスを担任した時、とてもドキドキしたことを覚えています。

子育ての経験がないのに、赤ちゃんを保育することができるのか?幼児クラスの担任とは違い、命に関わる危険も多い。そして何より、保護者の気持に寄り添えるのだろうか……。

 

そういった不安で押しつぶされそうになっていました。

 

しかし、実際に0歳児クラスを担任すると、毎日が楽しくやりがいを感じることばかりでした。赤ちゃんってこんなことができるんだ!すごい!という発見の日々は、保育の仕事を楽しいと思うきっかけにもなりました。

 

今回は、0歳児クラスの担任時代の経験から、ぜひ心がけておきたいと思ったことについて紹介します。

 

保護者の気持ちに寄り添うこと

 

0歳児クラスに入ってくる子どもたちは、当然ながら新入園児です。第一子を初めて保育園に預けるという保護者の方もいます。以前は、「3歳までは家庭で育てるべき」という考えの「3歳児神話」が根強かったように、生まれたばかりの子を保育園に預けることに対し、罪悪感を感じているお母さんもいました。そして、まだ小さな我が子を親族ではない他者へ預けることに対し、不安を感じるのは当たり前のことです。

 

0歳児クラスの担任が心がけるべきことは、きめ細やかな説明とサポートです。「ちょっとやりすぎかな?」と思うくらい、細かく働きかけることで、保護者の不安を拭うことができるのです。

 

例えば、入園前面接の際には「お母さんたちは、おうちでお子さんのことをどんな風に呼んでいますか?」「入眠のスタイルは?」「ミルクを飲む時の癖はありますか?」など、普段の生活の様子を細かく聞いていきます。そして、なるべく家庭と差が出ないような方法で保育をしていくことをお伝えしましょう。

 

入園前の時点で、母乳をなかなかやめられないという方もいます。断乳するのは、子どもだけでなくお母さんにとっても大変なことです。心的負担、体の負担に配慮し、どうやったらスムーズな断乳ができるかを一緒に考えていきましょう。「入園前に必ず哺乳瓶の練習をしてきてくださいね」と突き放すような伝え方はNG。お母さんにとって、プレッシャーになってしまいます。

子育て経験のある同僚にアドバイスをもらうのも得策です。

 

健康・安全面への配慮

 

 

0歳児クラスでは、健康と安全面での十分な配慮が求められます。乳児期は体調が変化しやすいため、こまめに検温をしたり肌や顔色をチェックし、保護者と情報共有をしましょう。家庭での異変も必ず聞くようにしましょう。

窒息や誤飲事故が起こりやすいのもこの時期です。身の回りの環境に注意し、危険なものがないかを、必ず複数の保育者の目で確認するようにします。万が一、事故や怪我が起こってしまった時のことも想定し、最低限の応急処置の方法も頭に入れておく必要があります。

それから、SIDSの危険性についても改めて確認し、睡眠時の注意事項を常に意識しましょう。

 

細やかな仕事が多い乳児クラスでは、担任同士の連携も大切です。毎日の振り返りや、計画の共通認識を行い、子どもたち・保護者・保育者の全員が安心して過ごすことができるようにしたいですね。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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