めぐみ先生の保育コラム

言葉と心を育てる読み聞かせ

 

大好きな絵本を大人に読んでもらう経験は、子どもにとって特別なこと。読み聞かせは大人と子どもの信頼関係を育む良いきっかけになります。膝に乗せて……寝る前に布団の中で……お集まりの時に子どもたちの前に出て……読み聞かせのタイミングはさまざま。「もう1回読んで」「また最初から」と何度も同じ絵本を読んでほしいとせがまれることもあるかもしれませんね。そんな時は、時間の許す限り何度でも読み聞かせてあげたいものです。

 

読み聞かせは言葉の発達にも役立つ

絵本を読み聞かせることは言葉の発達にも繋がります。「ぶーぶー」「にゃんにゃん」「しょうぼうしゃ」など、絵本には子どもが発しやすく興味を持ちやすいたくさんの言葉がたくさん登場します。絵本選びのひとつの指標として、以下を参考にしてみてください。

 

繰り返しの言葉がある

赤ちゃん向けの絵本「じゃあじゃあびりびり」(偕成社)や「もこもこもこ」(文研出版)は、赤ちゃんだけでなく年中・年長さんの子どもたちにも人気。繰り返しの言葉は思わず聞き入ってしまうようです。何度も読んでいるうちに覚えやすいという特徴もあります。

 

テンポの良い言葉、呪文のような言葉が登場する

世界的名作「大きなかぶ」(福音館書店 ほか)の中に登場する「うんとこしょ、どっこいしょ」という掛け声は誰もがご存知かと思います。最初は保育士が一人で読み聞かせをしていたのに、いつの間にか子どもたちも加わって「うんとこしょ!どっこいしょー!」と大合唱、なんていうことも。みんなで一緒に声を出す体験も面白いのでしょう。

 

その子の興味に適した内容である

一人ひとり性格が違うように絵本の好みも違います。電車が大好きな男の子が電車図鑑を読んでいるうちに自然と電車の名前を覚えて口にすることがあります。興味のある大好きなもの=言葉を身につけるきっかけになりやすいのです。その子が大好きな生き物や乗り物が登場する絵本を開いたら、一緒に指差しをしながら読んでみましょう。

 

読み聞かせのスタイルは自由

 

 

絵本は一人でも読むことができます。大きくなるにつれて「先生はあっちに行って!ぼくは本を読んでるから邪魔しないでね」なんて言われてしまうこともあるでしょう。

しかし、大人と一緒に読む経験は、情緒や言葉の育ちを助けます。大人が読み聞かせてくれる声を聞いたり、声を合わせて読んでみたり、読み聞かせのやり方は「必ずコレ!」と決まっていません。その子にとってぴったりな読み聞かせのスタイルを探してみてください。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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