保育をしていると、子どもが友だちを叩いてしまったり、強い言葉を使ってしまったりする場面に出会うことがあると思います。
そのとき、「どう伝えるか」「どう関わるか」は、子どもの育ちにも大きく影響します。
今回は、保育の中で好ましくない行動が見られたときの対応について考えてみましょう。
クールダウンタイム
子どもが好ましくない行動をとったときの対応の一つに「クールダウンタイム」を取り入れるという選択肢があります。これは、療育の現場でも採用されている行動療法のひとつです。
クールダウンタイムは、行動をやめさせるための罰ではなく、気持ちが高ぶった状態から一度離れ、自分を落ち着かせるための時間です。
大切なのは、「今は気持ちを整える時間が必要なんだよ」と伝えること。
善悪やルールについては、個人への叱責としてではなく、クラス全体の約束として日頃から共有しておくと、子どもも受け取りやすくなります。
クールダウンの具体的な進め方
クールダウンを行う際は、子どもにわかりやすい言葉で伝えることが基本です。
「ちょっと気持ちがいっぱいになったね。一度お部屋を出て、落ち着こうか」など、状況を言語化しながら環境を変えます。
場所は、別室や静かなスペースなど、刺激の少ないところが望ましいでしょう。
時間は年齢や個人差にもよりますが、目安は5分程度。長くなりすぎないことがポイントです。
部屋に戻る前には、「どうする約束だったかな?」とクラスのルールを一緒に確認し、気持ちと行動を切り替えてから戻るようにします。
事前の声かけが、行動を防ぐ力になる

好ましくない行動を予防するために、事前の声かけを工夫することも効果的です。
たとえば、活動前に「順番を待つときは、どうしたらいいかな?」と問いかけたり、トラブルが起きやすい場面で「困ったら、先生に声をかけていいよ」と伝えたりすることで、子どもは行動の選択肢を持てるようになります。
クールダウンタイムは、子どもが自分の気持ちと向き合うための一つの方法。
日頃のルール共有と予防的な声かけを重ねながら、子どもたちが安心して感情を調整できる環境を整えていきたいですね。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
