保育士試験

2010年度保育士国家試験 保育原理

 

平成22年度 保育原理

 

問1 次の文は、保育に関する法律及び省令についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 「児童福祉法」には、保育所に勤務する保育士は、乳児、幼児等の保育に関する相談に応じ、及び助言を行うために必要な知識及び技能の修得、維持及び向上に努めなければならないと規定されている。

B 「教育基本法」には、幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方自治団体は、幼児の健やかな成長に資する良好な環境の整備その他適当な方法によって、その振興に努めなければならないことが規定されている。

C 「学校教育法」には、幼稚園には、園長、教頭及び教諭をはじめ、副園長、主幹教諭、指導教諭、養護教諭、栄養教諭、事務職員、養護助教諭を置かなければならないと規定されている。

D 「児童福祉施設最低基準」には、保育所における保育は、養護及び教育を一体的に行うことをその特性とし、その内容については、各保育所で独自に定めることと規定されている。

   A B C D
 1 ○ ○ × ○
 2 ○ ○ × ×
 3 ○ × × ○
 4 × × ○ ○
 5 × × ○ ×

 

問2 次の文は、日本における保育の歴史についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 日本での幼稚園の始まりは、1876年に設立された東京女子師範学校附属幼稚園とされている。

B 1890年に創設された新潟静修学校では、次第に乳幼児を別室で保育するようになり、これが後の「守孤扶独幼稚児保護会」と称する保育事業へと発展した。

C 日本では、幼稚園が創設されると同時に保姆の免許状が法律で規定された。

D 1948年に発行された「保育要領-幼児教育の手引き-」は、保育所保母のための手引書であり、家庭での幼児教育のあり方についてはふれていない。

   A B C D
 1 ○ ○ × ×
 2 ○ × ○ ×
 3 ○ × × ○
 4 × ○ × ×
 5 × × ○ ○

 

問3 次の人物と事項または著作の結びつきとして、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A オーベルラン (Oberlin,J.F.)-----世界最古の保育施設を設立した-----牧師として救済事業を興した

B エレン・ケイ (Key,E.)-----『児童の世紀』を著わす-----ハンガリーの民謡を研究した

C フレーベル (Frobel,F.W.)-----『幼児教育の書簡』を著わす-----幼稚園を創設した

D モンテッソーリ (Montessori,M.)-----『学校と社会』を著わす-----「子どもの家」を創設した

E シュタイナー (Steiner,R.)-----「自由ヴァルドルフ学校」を創設した-----オイリュトミーを提唱した

   A B C D E
 1 ○ ○ ×  × ×
 2 ○ × ×  ○ ○
 3 ○ × ×  × ○
 4 × ○ ○  × ×
 5 × × ○  ○ ○

 

問4 次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の2「保育所の役割」の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

(1) 保育所は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第39条の規定に基づき、保育に欠ける子どもの保育を行い、その( A )心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、入所する子どもの最善の利益を考慮し、その( B )を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければならない。

(2) 保育所は、その目的を達成するために、保育に関する専門性を有する職員が、( C )の緊密な連携の下に、子どもの状況や発達過程を踏まえ、保育所における( D )を通して、養護及び教育を一体的に行うことを特性としている。

     A    B     C      D
 1 豊かな  健康  関係者と  遊び
 2 豊かな  福祉  職員間   環境
 3 健全な  発達  職員間   生活
 4 健康な  発達  家庭と   遊びと生活
 5 健全な  福祉  家庭と   環境

 

問5 次の文は、「保育所保育指針」の第1章「総則」の(1)「保育の目標」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育所は、子どもが生涯にわたる( A )にとって極めて重要な時期に、その生活時間の大半を過ごす場である。このため、保育所の保育は、子どもが現在を最も良く生き、望ましい( B )をつくり出す力の基礎を培うために、次の目標を目指して行わなければならない。

(ア) 十分に養護の行き届いた環境の下に、( C )雰囲気の中で子どもの様々な欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図ること。

(イ) 健康、安全など生活に必要な基本的な習慣や( D )を養い、心身の健康の基礎を培うこと。

(ウ) 人との関わりの中で、人に対する愛情と信頼感、そして( E )を大切にする心を育てるとともに、自主、自立及び協調の態度を養い、道徳性の芽生えを培うこと。

    A      B    C      D   E
 1 人生    生活 家庭的な  能力 規範
 2 人間形成 未来 くつろいだ  態度 人権
 3 生活    未来 あたたかい 能力 仲間
 4 生活    社会 あたたかい 方法 規範
 5 人間形成 社会 家庭的な  態度 人権

 

問6 次の文は、「児童の権利に関する条約」(平成6年5月16日/条約第2号)第6条の一部である。( A )~( C )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

1 締約国は、すべての児童が( A )に対する固有の権利を有することを認める。

2 締約国は、児童の( B )及び( C )を可能な最大限の範囲において確保する。

    A   B   C
 1 教育 生命 尊厳
 2 生命 生存 発達
 3 生活 安全 生存
 4 学習 言語 能力
 5 発達 能力 人格

 

問7 次の文は、保育士についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 保育士には、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない秘密保持義務があり、違反者は1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる。

B 保育士には、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならない秘密保持義務があるが、保育士でなくなれば義務もなくなる。

C 保育所が地域子育て支援を実施する際に、保育を行うのは保育士であり、相談、助言を行うのは社会福祉士であることが義務づけられている。そのため、保育士は保育内容の知識及び技能の向上に専念しなければならない。

D 保育士は常に人間性と専門性の向上に努める必要がある。そのため、定期的な保育所内外での研修時間が法的に規定されている。

   A B C D
 1 ○ ○ × ○
 2 ○ × ○ ×
 3 ○ × × ×
 4 × ○ × ○
 5 × × ○ ×

 

問8 次の文は、保育士の専門的な役割についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 子どもの発達援助に関しては、子どもの発達に関する専門的な知識・技術及び判断をもって、就学時には保育の目標を達成しなければならない。

B 子どもの生活援助に関しては、子どもの年齢を最優先に考え、子ども自らが生活していく力を細やかに助ける。

C 保育の環境の構成は、保育所内外の空間や物的環境、様々な遊具や素材、自然環境や人的環境を生かして行う。

D 様々な遊びを豊かに展開していくためには、子どもの経験や興味・関心に関わらず、常に保育者から積極的に遊びを提供して豊かな経験ができるようにする。

E 人との関係構築として、子ども同士の関わりや子どもと保護者の関わりなどを見守り、その気持ちに寄り添いながら適宜必要な援助をしていく。

   A B C D E
 1 ○ ○ × ○ ×
 2 ○ ○ × × ×
 3 ○ × ○ × ○
 4 × × ○ ○ ○
 5 × × ○ × ○

 

問9 次の文は、保育所保育の特性である養護と教育の一体性についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 授乳の際に、空腹感という生理的欲求が満たされ、生命の保持が図られると共に、抱っこされ、ほほえみかけられ、言葉をかけてもらうことにより、情緒の安定が図られる。人との関わりや言葉の育ちが促されるなど教育的側面も合わせて行われる。

B 2歳になると自我の育ちの表れとして、強く自己主張する姿が見られるようになるが、このような子ども同士の自己主張のぶつかり合いの際には、保育士は仲立ちしないで、子どもの自立心を育てる。

C 子どもの発達を5つの窓口から考える5領域は、3歳以上からの据え方であり、従って、3歳未満児の保育には、教育の要素はない。

D 3歳以上になると、子どもは自分で身の回りのことができるようになるので、養護の側面は必要でなくなり、特別な場合にのみ、養護と教育が一体となって行われる。

   A B C D
 1 ○ ○ × ○
 2 ○ × × ○ 
 3 ○ × × ×
 4 × ○ ○ × 
 5 × ○ × ○ 

 

問10 次の文は、「保育所保育指針」第4章「保育の計画及び評価」の(2)「指導計画」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

(ア) 施設長、保育士などすべての職員による適切な( A )と協力体制を整えること。

(イ) 子どもが行う具体的な活動は、生活の中で様々に変化することに留意して、子どもが望ましい方向に向かって自ら活動を展開できるよう必要な( B )を行うこと。

(ウ) 子どもの主体的な活動を促すためには、保育士等が多様な関わりを持つことが重要であることを踏まえ、子どもの( C )や発達に必要な豊かな体験が得られるよう( B )すること。

(エ) 保育士等は、子どもの実態や子どもを取り巻く状況の変化などに即して保育の過程を( D )するとともに、これらを踏まえ、指導計画に基づく保育の内容の( E )を行い、改善を図ること。

    A      B   C        D   E
 1 指導    介助 自立      見直し 修正
 2 指導    援助 情緒の安定 記録  確認
 3 援助    指導 自立      見直し 修正
 4 役割分担 援助 情緒の安定 記録  見直し
 5 役割分担 指導 興味      拡充  見直し

 

問11 次の文は、「保育所保育指針」第1章「総則」の(3)「保育の環境」の一部である。( A )~( E )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

保育の環境には、保育士等や子どもなどの人的環境、施設や遊具などの物的環境、更には自然や社会の事象などがある。保育所は、こうした人、物、場などの環境が( A )関連し合い、子どもの生活が豊かなものとなるよう、次の事項に留意しつつ、( B )環境を構成し、工夫して保育しなければならない。

ア 子ども自らが環境に関わり、( C )活動し、( D )を積んでいくことができるよう配慮すること。

エ 子どもが( E )力を育てていくため、子ども自らが周囲の子どもや大人と関わっていくことができる環境を整えること。

     A      B       C       D            E
 1 様々に   くつろげる  主体的に 多様な体験      自立していく
 2 相互に   計画的に  自発的に 様々な経験      人と関わる
 3 複合的に 安心できる 積極的に 生き生きとした活動 自立していく
 4 複合的に 連続的に  積極的に 生き生きとした活動 生きる
 5 様々に   くつろげる  自発的に 多様な体験      後のびする

 

問12 次の文は、「保育所保育指針」第3章「保育の内容」の1「保育のねらい及び内容」の一部である。【I群】の記述と【II群】の語句を結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【I群】A 保育所生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わう。

 B 一人一人の子どもが、快適に生活できるようにする。

 C 明るく伸び伸びと行動し、充実感を味わう。

 D 一人一人の子どもの心身の疲れが癒されるようにする。

【II群】 ア 生命の保持  イ 情緒の安定  ウ 健康  エ 人間関係

   A B  C D
 1 ア ウ エ イ
 2 イ ア エ ウ
 3 イ エ ウ ア
 4 エ ア ウ イ
 5 エ イ ア ウ

 

問13 次の文は、「保育所保育指針」第3章「保育の内容」の(2)「乳児保育に関わる配慮事項」に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 乳児は疾病への抵抗力が弱いことから疾病の発生が多い。この時期の子どものかかりやすい疾病については、家庭での対応に任せること。

B 一人一人の子どもの生育歴の違いに留意しつつ、できるだけ多くの保育士が関わり、それぞれに対応を図ること。

C 乳児保育に関わる職員間の連携や嘱託医との連携を図り、健康及び安全に配慮して、適切に対応すること。

D 保護者との信頼関係を築きながら保育を進めるとともに、保護者からの相談に応じ、保護者への支援に努めていくこと。

E 担当の保育士が替わる場合には、子どものそれまでの経験や発達過程に留意し、職員間で協力して対応すること。

   A B C D E
 1 ○ ○ ×  × ×
 2 ○ × ○  × ○
 3 × ○ ×  ○ ×
 4 × × ○  ○ ○
 5 × × ×  ○ ○

 

問14 次の文は、「保育所保育指針」に示されている自己評価に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 自らの保育実践を振り返るために、保育の計画や保育の記録を活用する。

B 保育士等の自己評価は自らの専門性の向上を図るために行うものであり、保育所全体の保育内容について認識を深めることは、一人一人の保育士ではなく施設長に求められている役割である。

C 子どもの活動内容やその結果だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などに十分配慮する。

D 保育所の保育の内容等について自ら評価を行い改善を図ることが重要であり、またその結果を公表するよう努めなければならない。

   A B C D
 1 ○ ○ ○ ×
 2 ○ × ○ ○
 3 ○ × ○ ×
 4 × ○ ○ ×
 5 × ○ × ×

 

問15 次の文は、「保育所保育指針」第4章「保育の計画及び評価」のエ「小学校との連携」の一部である。( A )~( D )にあてはまる語句の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

子どもの生活や発達の( A )を踏まえ、保育の内容の工夫を図るとともに、就学に向けて、保育所の子どもと小学校の児童との( B )、職員同士の交流、( C )や( D )など小学校との積極的な連携を図るよう配慮すること。

    A      B       C       D
 1 評価   合同体験  合同研修  実習
 2 実際   共有体験  合同研修  相互理解
 3 連続性  交流     情報共有  相互理解
 4 評価   共有体験  体験活動  実習
 5 実際   交流     連絡会    学習会

 

問16 次の文は、保育所が行う地域子育て支援に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 保育所は地域の実情や当該保育所の体制等を踏まえ、保育所の特徴や地域の状況に応じて地域の子育て中の家庭に対する支援も行う。

B 他の組織と連携して地域子育て支援を行う際にも、保育所が常に中心となって取り組む。

C 保育所が地域子育て支援に取り組むに当たっては、日常の保育を充実させながら、保育所の特性を生かして取り組む。

D 地域の関係機関や関係者との連携を図り、地域の養育力の向上や活性化に寄与する。

   A B C D
 1 ○ ○ × ×
 2 ○ × ○ ○
 3 ○ × × ○
 4 × × ○ ○
 5 × × ○ ×

 

問17 次の文は、保育所と入所している子どもの家庭との連携に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 様々な行事には保護者の希望をとり入れることも望まれるが、保育の一環として、子ども自身の満足感や主体性を尊重することを大切にする。

B 子どもの送迎時には、保護者から連絡事項や家庭での状況を聴き、保護者支援の機会とする。

C 保育時間の延長、休日、夜間の保育、病児・病後児に対する保育などを実施する場合には、子どもの福祉を尊重する。

D 保育所における子どもの様子や日々の保育の意図などを説明するためには、園便りなどに子どもの名前や表情豊かな写真を掲載するとわかりやすく、その目的であれば親の意向を確認しなくてもよい。

   A B C D
 1 ○ ○ ○ ×
 2 ○ ○ × ×
 3 ○ × ○ ○
 4 × ○ ○ ○
 5 × ○ × ○

 

問18 次の文は、保育所が入所している子どもの保護者に対して行う支援に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 保育士は、保育の他に保健や栄養に関しても、自分一人だけで保護者を支援する必要がある。

B 育児不安をかかえていることに気づいた場合には、その保護者が希望しなくても積極的に子育ての方法を指導し、子育て力を育成する。

C 保護者に対し、保育所における子どもの様子や日々の保育の意図などを説明する。

D 保護者同士の交流は保護者自身に任せ、保育所は関わらない。

   A B C D
 1 ○ ○ × ○
 2 ○ ○ × ×
 3 ○ × × ○
 4 × × ○ ○
 5 × × ○ ×

 

問19 次の文は、ある保育所が特別な支援が必要な子どもと保護者に対して行った個別支援に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 子どもに発達上の課題が見られるので、保護者の同意を得て個別に話し合う時間を持ち、保護者の気持ちを受け止めながら、保育所と家庭での生活の状況を伝え合った。

B 母子家庭の子どもが保育所に入所してきたが、母親が求職中でまだ仕事をしていないことから、仕事が決まるまでは保育所を休ませて母子で一緒に過ごすよう指導した。

C 児童相談所からの通知を受けて保育所に入所することが決定した被虐待児について、入所時面接を行ったところ、母親が働いていないことがわかったので、就労しなければならないことを指導した。

D 0歳児の腕にたばこの火を押しつけた火傷がみられたので写真にとり、この事実を一切の関係機関に漏らさないようにして、保護者の状況を見守った。

   A B C D
 1 ○ × ○ ○
 2 ○ × × ○
 3 ○ × × ×
 4 × ○ × ○
 5 × × × ○

問20 次のある保育所での【事例】を読んで、【設問】に答えなさい。

【事例】 5歳児クラスの1月のできごとである。登所してきた子どもたちは迷路づくりやペープサートなど、思い思いの遊びに取り組む中で、役割の分担が生まれ、協同して遊びに取り組んでいた。ところがいつもの登所時間に遅れてきたHちゃんは、あっちこっちをのぞいては離れ、ふらふらしていた。子どもたちの中から、それぞれが取り組んでいる遊びをつなげて遊園地を作ろうという声があがり、自分たちで役割を決めるための話し合いが始まった。Hちゃんはその話し合いに参加せず、後ろで子どもたちの活動を見守っていた担任に甘えてきた。Jちゃんが「みんなで遊園地を作っているのに、一人だけ甘えておかしいよ」と批判すると、Hちゃんは泣きそうになりながら、「わたしは、違うことがしたかったんだもの」と言い返した。Kちゃんが「Hちゃんは何をしたかったの?」と優しく尋ねた。

【設問】 担任の対応として、「保育所保育指針」に規定される保育の内容に係る基本原則に沿った対応を○、沿っていない対応を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【担任の対応】 A Hちゃんが話し合いに参加しないのは、登所前に保護者と何かトラブルがあって不安定だからに違いないと思い、話し合いの場でHちゃんに、「今朝、お母さんに叱られたんでしょう?」と聞く。
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B 身近な大人に甘え、気持ちを休めるのは3歳までの発達過程であり、5歳児クラスのこの時期は就学にスムーズに移行できるように集団で行動しなければならないと考えて、遊園地ごっこに参加するようHちゃんを強く誘う。

C 子どもたちが道徳心を身につける機会と考え、子どもたちを全員集めて話し合いを行い、HちゃんとJちゃんのどちらが正しいかを判断させる。

D 担任は、Hちゃんが先週絵本作りをしていてまだ完成させていなかったことを思い出すが、KちゃんがHちゃんの話を優しく聴いているので、その様子を見守る。

   A B C D
 1 ○ ○ ○ ×
 2 ○ ○ × ○
 3 × ○ ○ ×
 4 × ○ × ○
 5 × × × ○

 

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問1.2 問2.1 問3.3 問4.5 問5.2 問6.2 問7.3 問8.5 問9.3
問10.4 問11.2 問12.4 問13.4 問14.2 問15.3 問16.2 問17.1 問18.5 
問19.3 問20.5

 

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