めぐみ先生の保育コラム

里親制度のことを知ろう 前編

保育士であれば、「里親制度」という言葉は聞いたことがあると思います。しかし、具体的にどんな制度であるのかまでは詳しく知られていないのが実情のようです。

私が以前働いていた保育園でも、里親さんの家庭で育っている子がいました。その子は里親さんのことを「お母さん」と呼んでいたので、一見すると普通の親子と何も変わりませんでした。そのため、当時の私は「里親ってなんだろう?」と踏み込んで調べることをしなかったのです。

 

里親について知ることが保育をする上でなぜ必要なのか、そして里親制度の基本的な情報等について前後編でまとめました。

 

里親制度について知る大切さ

里親制度は、何らかの事情により家庭で育つことのできない子どもたちのための制度です。厚生労働省により10月は里親月間と定められ(東京都では10月、11月)さまざまな啓発活動やイベントが行われています。

東京都では10月と11月に「養育家庭(里親)体験発表会」という無料のイベントを各自治体ごとに開催しているので、参加してみると里親制度についてより詳しく知ることができると思います。

 

前述したように、保育園の子どもたちの中には、生まれた家庭以外で生活する子がいる可能性もあります。保育士である私たちが里親制度についてきちんと理解することで、里親の方や児童相談所、自治体の職員などその子を見守る大人たちと同じ輪の中に入り、適切な情報共有やサポートをすることが可能になります。

保育士として子どもたちにより良い働きかけをする上でも、里親について正しく知っておいたほうが良いと思うのです。

 

色々な里親の種類

両親の離婚や病気、虐待など様々な理由により生まれた家庭で生活することのできない子どもたちがいます。その子たちを家庭に迎え入れ、一緒に生活をするのが「里親」です。

里親は、受け入れる家庭の状況に応じて以下のような種類に分けられます。

 

養育家庭(里親)

一定期間、子どもたちを預かる里親。夏休みやお正月休みだけ、親が退院するまでなど、短期間だけ預かる家庭もあります。

 

養子縁組里親

養子縁組を前提として子どもを受け入れる家庭。

 

専門養育家庭

専門的ケアを必要とする子どもを受け入れる家庭。非行や虐待といった問題を抱えていたり、障害を持つ子どもを専門スキルのある里親が養育する。

 

親族里親

両親が死亡したり行方不明など一定の要件を満たす場合、祖父母等の親族が里親となって養育する。

 

「里親」と一口にいってもそのスタイルは様々ですし、預かる子の年齢層も里親のライフスタイルによって異なります。

 

後編は、実際に里親として活躍している方の声も交えながら、里親の方がどのように子どもたちを養育しているのかについてお伝えします。

後編へ

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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