めぐみ先生の保育コラム

応急手当ての基本を覚えよう

子どもの安全を第一に考えて行動していても、保育現場ではどうしても怪我が起きてしまうことがあります。そんな時、保育者はどのような応急手当をすべきでしょうか?よくある怪我の事例と共に、基本的な応急手当の仕方をおさえておきましょう。

 

保育園でよく起こる怪我

・切り傷

・打撲

・鼻血

・頭の怪我  等

 

外遊びで転んだ時、または友達同士のトラブルの中で、工作などで道具を使っている時などに怪我は起こります。

特に注意しなければいけないのは頭の怪我です。頭部を強くぶつけ、大量の出血があったり意識障害、痙攣、嘔吐や手足の麻痺が見られたら迷わず119番通報しましょう。意識があり、会話もきちんとできるようであれば応急手当を行います。

 

怪我の手当の基本は「RICE」

一般的な手当の方法として以下の4つの方法があります。頭文字をとって「RICE(ライス)」と覚えましょう。

 

Rest(安静)

Icing(冷却)

Compression(圧迫)

Elevation(挙上)

 

怪我が発生したら、安静・冷却・圧迫・挙上(患部を心臓より高い位置にする)が基本です。鼻血が出たりやたんこぶができたりすると、横になって毛布をかける対応をしてしまいがちなのですが、実はこれは正しくありません。

また、昔は「噛みつかれたら揉むと良い」という説もありましたが、現在は正しくない手当といわれています。患部は必要以上に触れず、動かさないこと。これも「安静」に含まれます。

 

また、出血を伴う怪我をした場合は直接圧迫をして止血をすることが基本です。できれば滅菌されたガーゼを患部に当て、その上からタオル等で抑えるようにして止血を行いましょう。血が止まるのは5分〜10分ほどかかります。傷口が気になっても、圧迫を止めて患部を確認してはいけません。

 

患部に砂やゴミなどが付着している場合、出血が止まってから水道水で洗い流します。日本の水道水には塩素が含まれていて清潔なので、傷を洗い流すのに適切と言われています。また、冬場はお湯を使いたくなりますが、塩素の効果を残しておくためにも水で洗い流すようにしましょう。

その後の処置は園によって方針が異なりますが、現在は患部を乾かさずに治す「湿潤療法」が推奨されている傾向があります。

 

応急手当の方法はいつでも目が届く場所に

応急手当の仕方を学んでいても、予期せぬ怪我が起こると慌ててしまいます。応急手当の仕方は、各自治体の消防署のHP等に分かりやすく掲載されている場合があります。プリントアウトして保育室や事務室など職員の目が届く場所に掲示しておくことをおすすめします。

 

また、定期的に救急救命や応急手当の講習を受けることで、いざという時に子どもたちの安全を守ることができます。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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