保育用語

保育用語 ≪社会的養護≫

グループホーム
児童福祉施設におけるグループホーム型事業は2種類あります。
(1)児童養護施設分園型自活訓練事業
(2)地域小規模児童養護施設

 

児童養護(じどうようご)
児童を養育・保護をすることを指しますが、幅広い意味を持ちます。児童養護施設では家庭環境があまり思わしくなく、家庭での生活が困難と判断された際に入所する施設です。児童福祉法41条は、「児童養護施設は、保護者のない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設」と定義しています。

 

里親制度(さとおやせいど)
保護者のいない子ども、又は保護者に監護させることが不適当と認められる子どもたちについて、一時的又は継続的に、親代わりとなり、家族の一人として温かい家庭の中でのびのび育てようというのが「里親」制度です。「養育里親」「専門里親」「親族里親」「養子縁組により養親となることを希望する者」

 

児童虐待防止法(じどうぎゃくたいぼうしほう)
児童への虐待を禁止し、虐待を受けた児童を早期に発見・保護して、自立を支援するための法律。2000年5月に制定、同年11月より施行。2004年4月に改正され、虐待の確証がなくても虐待が疑われる18歳未満の子どもを見つけた者は、児童相談所などへの通報が義務づけられました。

 

虐待(ぎゃくたい)
日本では児童虐待防止法で、「保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう)がその監護する児童(18歳に満たない者)に対し、次に掲げる行為をすること」と定義し、以下の行為を列挙する(2条)。
『身体的虐待』『心理的虐待』『性的虐待』『ネグレクト(育児放棄)』

 

身体的虐待(しんたいてきぎゃくたい)
他者による意図的もしくは非偶発的な損傷を指す。児童の身体に痛みと苦痛が生じ、または外傷の生じるおそれのある暴行を加えること。行為は(1)「一方的に暴力を振るう(殴る、蹴る、叩く)」、(2)「外傷がなくとも継続的に痛みを与える(食事を与えない、冬は戸外に締め出す、部屋に閉じ込める)」に分けられる。

 

ネグレクト
育児放棄、監護放棄とも呼ばれます。この育児放棄には大きく分けて2種類あり、保護者が個人的な理由から養育を拒否している場合と、どのように育児をしてよいのか分からない為、十分な養育が出来ないパターンがあります。
『食事を十分に与えない』。「病気になっても病院に受診させない」、「下着など不潔なまま放置する」、「(幼稚園、保育園、保育所、学校への)通学を行わせない」などが含まれます。

 

性的虐待(せいてきぎゃくたい)
近年増えてきている虐待の一つで、心理的・身体的虐待にも大きく関係している。児童への猥褻行為が中心で、児童を性的対象にしたり、猥褻なもの(自らの性器)や性交を見せ付けたり、性的行為を強要することも含まれます。外的な判断が難しく、弱みを握られたり自身の秘密を暴露することに恥ずかしさや恐怖があるため、被害者自身が訴えない限り発見は難しく、精神的に大きな傷を負うことになります。

 

心理的虐待(しんりてきぎゃくたい)
身体的、性的、ネグレクトを含まない虐待のことで、児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うことで、児童の健全な発育を阻害します。情緒面で大きな障害が生じることがとても多く、PTSD/うつ病/アダルトチルドレン等、重大な精神疾患 の症状を引き起こす可能性があります。

 

ドメスティックバイオレンス
同居関係にある配偶者や内縁関係の間で起こる家庭内暴力のこと。近年ではDVの概念は同居の有無を問わず、元夫婦や恋人などの近親者間に起こる暴力全般を指す場合もあります。

 

エンパワーメント
本来は「力をつける」という意味であるが、介護福祉においては、障害を持った方、あるいはその家族等、当事者たち自身がそのおかれた状況に気づき、問題を自覚し、自分たちの生活をコントロールしたり、改善したり、自立する力を得ることが目指されます。またはそれらを支援すること。

 

ホスピタリズム
施設病とも言われており、乳児院や病院などで、子どもが親から離されて集団のなかで保育され、一対一の情緒的な関係が希薄なときに起こる障害。長期間施設などで過ごすことにより、情緒面が不安定になり、身体に異常が出ること.安心感や愛情不足(愛着不足)などが原因といわれ、次第に感情、情緒の表現を抑えるようになり、無関心、無感動、無表情になっていく。また愛着行動の延長線で習得されていく語彙数や言語表現、コミュニケーション能力などの発達もかなりの遅れを呈するようになってくる。また子どもだけではなく高齢者、障害者にもこの施設病は関係します。

 

マルトリートメント
虐待よりも広い範囲で考えられており、大人の子どもに対する不適切な関わりを言います。大人や、行為が適切かどうかを判断することが可能な年齢の子ども(おおむね15歳以上)が、18歳未満の子どもに対して身体的暴力・不当な扱い・性的行為の強要などを行うことによって、苦痛を受けたり心身の問題が生じたりするような状態。保護者、保育士、教師などが与える体罰や虐待などのことを言います。

 

トラウマ
日本語に訳せば、トラウマは「心的外傷(心の傷)」です。事故、災害、襲われるなど、過去に起こった衝撃的な出来事から精神的に大きな負担となることです。その症状や原因は人それぞれです。

 

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