保育士試験

2006年度保育士国家試験 社会福祉

平成18年度 社会福祉

 

問1 次の文は「日本国憲法」と社会福祉との関係を説明する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 日本国憲法第13条に規定された『幸福追求権』は、個人の幸福は公共の福祉に優先する根拠となっている。

B 日本国憲法第25条に規定された『生存権』は、社会福祉立法のプログラムとして今日の社会保障制度を形作ったということができる。

C 日本国憲法第25条は、国民の最低限度の生活保障に関して国の積極的役割を規定した法規として位置付けられる。

D 日本国憲法第89条は、「公金その他の公の財産は、・・・(中略)・・公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。」と規定し、公私分離の原則をうたっている。

  A B C D
1 × ○ ○ ○
2 ○ ○ ○ ×
3 × ○ × ○
4 ○ × ○ ○
5 × ○ ○ ×

 

問2 次の文は、社会福祉の対象に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。  

A 児童福祉法には、児童が利用する施設の物理的環境に関しての規定がない。

B 母子及び寡婦福祉法は、父子家庭の生活問題をも対象とする。

C わが国の福祉対策はさまざまな生活問題を対象としているが、生活問題に至ることを防ぐ予防的な機能も重視しつつあり、対象の概念は広がりを見せている。

D 社会福祉は生理的欲求の不充足などを福祉ニーズとして援助の対象とするが、個人の尊厳の保持までを対象とは考えていない。

  A B C D
1 ○ × ○ ○
2 × ○ × ○
3 × ○ ○ ×
4 ○ × × ×
5 × ○ ○ ○

 

問3 次の【I群】の社会福祉の民間事業家の記述と、【II群】の人名を結びつけた場合、正しいものを○、誤っているものを×とした場合の正しい 組み合わせを一つ選びなさい。  

【I群】

A 日本にまだ教護院、または現在の児童自立支援施設の制度がなかった時代に、非行少年の感化教育施設を先駆的に創設した人-------エ 

B 「この子らに世の光をではなく、この子らを世の光に」と福祉の思想を説いた、知的障害児・者福祉の先駆的な開拓者-------ア

C 明治時代に岡山博愛会の総称ものとに、貧困不就学児童に保育園・幼稚園・小学校、失業者に授産所などを開設した人-------ウ

D 明治時代に障害児施設を創設した人-------イ  

E 大正年間に、大阪府において、方面委員制度を立案した人-------オ

【II群】 ア 石井亮一  イ 糸賀一雄  ウ アリス アダムス(Adams,A.P.)  
エ 留岡幸助  オ 小河滋次郎   

  A B C D E
1 ○ ○ × ○ ×
2 ○ × ○ × ○
3 × ○ × ○ ○
4 ○ × ○ × ×
5 × ○ ○ ○ ○

 

問4 次の文は、今日のイギリスの社会保障制度の土台をかたちづくったとさ れる、いわゆる「ベバリッジ・レポート」に関する記述である。 不適切な記述を一つ選びなさい。

1 ベバリッジ・レポートは、福祉国家の指針となった。

2 国の責任として「ナショナルミニマム」の基本原則を示した。

3 「揺りかごから墓場まで」という社会保障の体系を打ち出した。 

4 社会保障が戦うのは、窮乏、犯罪、疾病、不潔、怠惰という「五つの巨人」であると論及された。

5 このレポートは、正式には「社会保険及び関連サービス」という題がついている。

 

問5 次の文は、社会的排斥・社会的孤立等に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 社会的排斥という概念は、もともと社会福祉におけるスティグマ(社会的烙印)という概念で説明されていたものを、よりわかりやすい言葉で表現したものである。

B ソーシャル・インクルージョンという概念は、社会的排斥・社会的孤立に対する社会福祉のあり方を示すものであるが、これは、もともとノーマライゼーションという言葉で説明されていたものである。

C ホームレスの問題を解決するための方法は、福祉サービスとともに住宅サービスや職業訓練、さらには地域環境整備などが重要視されている。

D 社会的排斥とともに、孤独死や母子孤立化などの社会的孤立・孤独の問題は、今日的な「つながり」の再構築、あるいは、新たな公共の創出の必要を提起しているといえる。

  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 × ○ ○ ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 × × ○ ○

 

問6 次の文は、地域福祉に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 社会福祉法には、社会福祉の増進のために地域における社会福祉の推進を図ることが明文化されている。

B 地域福祉は、在宅福祉サービス、施設福祉サービスを構成要素とするばかりでなく、住民の組織化活動も含む概念ととらえることができる。

C 地域福祉は、直接的な福祉ニーズばかりでなく、人々の差別意識など環境的な課題をも対象としなければならない。

D 地域福祉は、社会福祉協議会が中心となって推進するものであり、福祉サービスを必要とする地域住民が推進するものではない。

  A B C D
1 × ○ ○ ○
2 ○ ○ ○ ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 ○ ○ ○ ○

 

問7 次の文は、地域福祉に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 1980年代以降の在宅福祉サービスの拡大の中で、公私協働というあり方が模索されるようになった。

B 今日の地域福祉は、住民やボランティアの参加を重要視するようになっており、地域福祉計画策定に際してもその意見が反映されるようになった。

C 市町村社会福祉協議会は、ボランティアセンターを設置することが法律で義務付けられており、地域のボランティア活動の推進を行っている。

D 特定非営利活動法人が全国的に増加の一途をたどっているが、この法人の活動は現在公益事業に限定されており、今後収益事業も認められるよう制度改正が行われるべきである

  A B C D
1 ○ × ○ ○
2 × ○ × ○
3 × ○ ○ ○
4 ○ ○ × ×
5 ○ × ○ ×

 

問8 次の文は、生活保護に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 生活保護の実施機関は市町村であり、経費負担は国が2分の1、都道府県が4分の1、市町村が4分の1を負担することとなっている。

B 市町村は福祉事務所を設置しなければならず、査察指導員及び現業員は社会福祉士または精神保健福祉士でなければならないと社会福祉法に規定されている。

C 生活保護の申請に際しては、担当の民生委員の意見書を事前にもらい、それを添付して福祉事務所に申請しなければならないと生活保護法で規定されている。

D 生活保護の給付には金銭給付と現物給付があり、生活扶助や住宅扶助などは金銭給付が原則であり、医療扶助や介護扶助は現物給付が原則である。

  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 × ○ × ×
4 × × ○ ×
5 × × × ○

 

問9 次の文は、近年のわが国の社会福祉制度の動向に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 平成12年に社会福祉法が成立し、社会福祉基礎構造改革による社会福祉全般に係る制度改革が行われ、利用者本位のサービス提供が推進されることとなった。

B 平成14年に身体障害者補助犬法が成立し、聴導犬及び介助犬が身体障害者補助犬とされ、市町村が必要とする身体障害者に給付することが規定された。

C 平成16年に発達障害者支援法が成立したことにより、児童福祉施設の入所児童の年齢用件が見直され、退所した児童に対する相談等の援助が位置付けられた。

D 平成17年に障害者自立支援法が成立し、従来の身体障害・知的障害・精神障害という縦割りの施策体系を統合し、サービスや施設の体系が再編されることとなった。   

  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ × ○
5 × ○ ○ ○

 

問10 次の文は、社会福祉の機関・施設において相談援助を担当する職員に関する記述である。職名とその説明が一致しているものを一つ選びなさい。 

1 母子自立支援員---母子及び寡婦福祉法により福祉事務所等に配置され、母子世帯等の相談に応じ、その自立に必要な情報提供及び指導を行ったり、職業能力の向上及び就職活動に関する支援を行う。

2 母子指導員---母子保健法により市町村に配置され、妊産婦を訪問して必要な指導を行い、妊娠や出産に支障がある疾病に罹患している疑いがあれば医師等への受診を勧奨し、未熟児について養育上必要があれば保護者に指導を行う。

3 児童自立支援専門員---児童福祉法により児童相談所に配置され、障害児の障害程度の判定、職業能力の判定、心理療法の実施等の心理的専門技術を用いて、障害児の自立に必要な支援を行う。

4 知的障害者相談員---社会福祉法により知的障害者更生相談所に配置され、知的障害者又はその保護者の相談に応じ、知的障害者の更生のために必要な援助を行う。

5 婦人相談員---配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律により母子福祉センターに配置され、被害者に関する各般の問題について、相談に応じたり、その問題について相談を行う機関を紹介する。

 

問11 次の文は、民生委員・児童委員に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A 民生委員は、都道府県知事が委嘱する名誉職の国家公務員であると規定されている。

B 民生委員の任務は、社会奉仕の精神をもって、住民の立場に立った活動を行うとともに、行政機関に協力するものである。 

C 民生委員・児童委員の任期は5年である。

D 主任児童委員は児童福祉に関する機関と児童委員との連絡調整を行うとともに、児童委員の活動に対する援助及び協力を行う。

1 AB  2 AC  3 AD  4 BD  5 CD

 

問12 次の文は、近年のわが国の高齢者福祉施策の動向に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A 介護保険法が平成12年から施行され、都道府県が実施主体となり、サービスの利用は措置方式から契約方式に変わり、ケアマネジメントの手法が導入された。

B 「痴呆」という用語が偏見や誤解を招くことから、「認知症」に変更されたが、介護保険法ではまだ「痴呆」が用いられいれている。

C 平成17年に介護保険法が改正され、介護予防を重視したものとなり、新たに地域包括支援センターが設置されることとなった

D 平成17年には、65歳以上の人口が総人口に占める割合が20%に達した。

1 AB  2 AD  3 BC  4 BD  5 CD

 

問13 次のAからDの記述に関し、社会福祉専門職の資格制度で関係する語句を示したもとして適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 社会福祉主事----生活保護法--------------------業務独占

B 介護福祉士------老人福祉法--------------------名称独占

C 精神保健福祉士--精神保健及び精神障害者福祉法--任用資格

D 保育士----------児童福祉法--------------------名称独占

  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ ○ × ○
4 × ○ ○ ×
5 × × × ○

 

問14 次の文は、福祉関係専門職の倫理に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 保育士や介護福祉士には、それぞれの資格を定めた法律の中に守秘義務が規定されており、違反した場合についての罰則も定められている。

B 児童虐待防止法では、虐待を受けたと思われる児童を発見したときは、速やかに関係機関に通告することとしており、この場合には守秘義務は解除されると規定されている。

C 保育士に課せられた守秘義務や信用失墜行為の禁止の規定は、保育士資格に関わるものなので、保育士でなくなった後は規定の適用はなくなる。

D 信用失墜行為の禁止についての処分規定はなく、保育士が違反しても道義上の責任だけで資格に関する処分はないため、保育士資格を用いての業務に制限はない。

  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ ○ × ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ○
5 × × ○ ○

 

問15 次のAからDの記述に関し、ある人物とその人物に関係する語句を示したものとして適切なものを○、不適切なものを×とした場合の正しい組 み合わせを一つ選びなさい。 

A アダムス(Addams,J.)---トインビーホール---社会改良運動 

B ジャーメイン(Germain,C.B.)とギッターマン(Gitterman,A.)---生活モデル---人と環境との交互作用

C リッチモンド(Richmond,M.E.)---『ケースワークの原則』---ケースワークの体系化 

D バートレット(Barrtlett,H.)---『社会福祉実践の共通基盤』---社会福祉援助技術統合化

  A B C D
1 ○ × ○ ×
2 × × × ○
3 ○ ○ ○ ×
4 × ○ × ○
5 ○ ○ × ×

 

問16 次の文において、適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 自立した生活を営めるように支援することは、社会福祉の主要な援助の目標の一つである。

B 制度の不備が福祉ニーズの充足を妨げている場合、新しい制度を開発するのは利用者であるべきである。

C 福祉サービス利用援助事業は、措置制度から契約制度に移行したものについてのみ行われる。

D ケアマネジメントは、個人の福祉ニーズに基づき、さまざまな社会資源を適切に利用できるように支援する方法である。

  A B C D
1 ○ × × ○
2 × ○ ○ ×
3 ○ × ○ ×
4 × ○ × ○
5 ○ × ○ ○

 

問17 次の文は、社会福祉援助過程の面接場面に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 面接場面においては、利用者と援助者との間に信頼関係(ラポール)を形成することが求められている。

B 援助過程で、利用者みずからの進むべき方向が間違っていたら、その間違いを指摘し、専門家としての判断を下し、その判断に従うように指導することが望まれている。

C 援助過程で知り得た利用者の情報については、他者に漏らしてはならないが、他の専門職と情報を共有しなければならない場合は、利用者に説明し同意を得ることが必要である。

D 援助者の取るべき基本的姿勢の一つに、利用者の態度や行動をあるがままに受け止める(受容)ということがあげられる。

  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 × × ○ ○
3 ○ × ○ ○
4 ○ ○ ○ ×
5 × ○ × ○

 

問18 次の文は、社会福祉計画に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 社会福祉法に規定されている市町村地域福祉計画に盛り込むべき事項では、地域福祉に関する活動への住民の参加の促進に関する事項が含まれている。

B 平成12年度から実施されたゴールドプラン21は、平成16年度末に終了した。

C 新障害者プランでは、身体障害及び知的障害に関する施策はあるが、精神障害に関する施策は計画されていない。

D 子ども・子育て応援プランでは、少子化の流れを変えるための施策の強化を推進することとしているので、児童虐待防止対策の推進は含まれていない。

  A B C D
1 × × ○ ×
2 ○ ○ × ×
3 × ○ ○ ○
4 ○ × × ×
5 × ○ × ○

 

問19 次の文は、サービス利用者の権利擁護に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 福祉サービスに関する苦情解決の仕組みでは、施設職員によるシステムとして、苦情解決責任者、苦情受付担当者を配置し、また、施設職員以外のシステムとして第三者委員を設置して、実効性及び透明性の確保を図っている。

B 苦情解決に社会性や客観性を確保し、利用者の立場や特性に配慮した適切な対応を推進するために第三者委員を設置することになっているが、第三者委員は、福祉サービスを提供する事業者を管轄する福祉事務所が選任している。

C 苦情解決の手順としては、利用者への周知、苦情の受付、苦情受付の報告・確認、苦情解決に向けての話し合い、苦情解決の記録及び報告、解決結果の公表、と定められている。

D 都道府県社会福祉協議会に設置されている運営適正化委員会には、福祉サービスに関する苦情を適切に解決するため、当該苦情に係る事情を調査する権限や改善命令、業務停止命令等が付与されている。

  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 × × ○ ○
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 ○ × ○ ×

 

問20 次の文は、福祉サービスの質の向上に関する記述である。適切な記述に○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 社会福祉事業の経営者に対しては、提供する福祉サービスの質の自己評価等により、常に利用者の立場に立って良質かつ適切な福祉サービスを提供するよう努めなければならないと定められている。

B 第三者評価事業とは、サービス提供者でもなく利用者でもない第三者を中心とする機関が、福祉サービスを評価し、質の改善を図るものである。

C 国は、福祉サービスの質の向上に向けた事業者の努力を援助するため、福祉サービスの質の公正かつ適切な評価の実施に資するための処置を講ずるよう努めなければならない、と社会福祉法に定められている。

D 児童福祉法に定められている児童福祉施設は、行政機関による監査制度と同様に第三者評価機関からの評価を受けることが義務付けられている。

  A B C D
1 × ○ × ○
2 ○ ○ ○ ×
3 × ○ ○ ○
4 ○ ○ × ○
5 × × × ○

 

     ↓     ↓     ↓     解答をチェック     ↓     ↓     ↓

 

問1.1 問2.3 問3.2 問4.4 問5.5 問6.2 問7.4 問8.5 問9.3 
問10.1 問11.4 問12.5 問13.5 問14.2 問15.4 問16.1 問17.3 問18.2 
問19.5 問20.2

 

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