保育士試験

2008年度保育士国家試験 養護原理

 

平成20年度 養護原理

 

問1 次の文は、知的障害がある人や子どもに対する社会的な支援の変遷に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 1891(明治24)年に石井十次によって創設された滝乃川学園が、日本で最初の知的障害者施設といえる。

B 1947(昭和22)年に社会福祉事業法が制定され、法的に知的障害児施設(当時の精神薄弱児施設)が位置づけられた。

C 1960(昭和35)年に精神薄弱者福祉法が知的障害者福祉法に改められ、初めて知的障害者のための施設が法的に位置づけられた。

D 1971(昭和46)年には、大規模な総合施設「国立コロニーのぞみの園」が開設され、その後も次々にコロニーの建設が進められた。

  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 × ○ × ×
4 × × ○ ○
5 × × × ○

 

問2 次の【Ⅰ群】に示された「児童福祉施設最低基準」による職員の配置と、【Ⅱ群】に示された児童福祉施設との正しい組み合わせを一つ選びなさい。

【Ⅰ群】

A 医療法に規定する病院として必要な職員のほか、児童指導員及び保育士を置かなければならない。

B 医療法に規定する病院として必要な職員のほか、児童指導員、保育士、心理指導を担当する職員及び理学療法士又は作業療法士を置かなければならない。

C 医療法に規定する病院として必要な職員のほか、児童指導員、保育士及び理学療法士又は作業療法士及び必要に応じて職業指導員を置かなければならない。

D 児童指導員、嘱託医、保育士、栄養士(児童40 人以下では必置義務はない)、調理員(調理業務の全部を委託する場合、必置義務はない)及び必要に応じて職業指導員を置くほか、それに加えて医師及び看護師を置かなければならない。

E 嘱託医、児童指導員、保育士、栄養士(児童40 人以下では必置義務はない)、調理員(調理業務の全部を委託する場合、必置義務はない)及び必要に応じて職業指導員を置かなければならない。

【Ⅱ群】ア第一種自閉症児施設  イ重症心身障害児施設  ウ肢体不自由児施設  

エ第二種自閉症児施設  オ盲ろうあ児施設

  A  B  C  D E
1 ア イ ウ エ オ
2 イ ウ エ オ ア
3 ウ エ オ ア イ
4 エ オ ア イ ウ
5 オ ア イ ウ エ

 

問3 次の文は、児童福祉施設の援助者の現状に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 一般的に家庭では主として母親が子育てをしていることが多いので、児童養護施設や知的障害児施設でも直接援助職員はできるだけ女性を配置するようにしている。

B 乳児院については、子どもが援助者との間に愛着関係を育むことが重要になるので、援助者は住み込みで24 時間勤務をしているところがほとんどである。

C 子どもが乳児院や児童養護施設を利用する要因は難しくなり多様化する傾向があり、保育士などの援助者はソーシャルワークの視点からの高い専門性が求められている。

D 児童養護施設や知的障害児施設の多くは、職員の交替制勤務が定着し、援助者間で子どもの援助方針を相談したり価値観を共有することへの努力が行われている。

  A B C D
1 ○ × ○ ×
2 ○ × × ○
3 × ○ ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○

 

問4 次の文は、知的障害がある人や子どもに対する周囲の人の援助の方法の記述である。援助の方法が適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 数字や文字、そして抽象的なことを操作することが苦手な人の場合には、外出の際に物を買ったりすることなどのお金の計算は援助をする必要がある。

B 数字や文字を覚えることが苦手な人の場合には、マークを使ったり色分けするなどの配慮をする必要がある。

C 意思を表すことが苦手な人の場合には、例えばおやつのケーキを選ぶ時に、その人の好みをわかっている周囲の人が決めてあげることが必要である。

D 考えを組み立てたり、まとめたり、段取りをすることが苦手な人の場合には、計画をたてる際になるべく写真などを使って具体的に内容を示すことが必要である。

  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ ○ × ○
3 ○ × ○ ○
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ○

 

問5 次の文は、児童福祉施設における国庫負担制度に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 児童養護施設や保育所等の児童福祉施設に入所措置を採った場合又は里親への委託の措置を採った場合に、児童福祉施設及び里親への支弁に要する費用を措置費という。

B 児童福祉施設に入所措置を採った場合又は里親への委託の措置を採った場合に、児童福祉施設及び里親への支弁に要する費用の負担は、国が2分の1の額を負担した残りの部分を、それぞれ地方公共団体が一定の割合で負担している。児童養護施設、乳児院、保育所などの児童福祉施設は都道府県(及び指定都市、中核市、児童相談所設置市)が4分の1の額、市町村が4分の1の額を負担している。

C 児童福祉施設に入所措置を採った場合又は里親への委託の措置を採った場合に、都道府県又は市町村の長及び厚生労働大臣が本人又はその扶養義務者からその負担能力に応じてその費用の全部又は一部を徴収することができる。

D 入所児童の一人(世帯)当たりの月額、日額などの単価のことを保護単価、保育所は保育単価と呼び、児童福祉施設入所児童の心身の健やかなる育成を確保しようとしており、最低基準の意図するところを経済的に具現化するものである。

  A B C D
1 ○ ○ × ×
2 ○ × ○ ○
3 × ○ ○ ○
4 × × ○ ○
5 × × ○ ×

 

問6 次の文のうち、児童福祉施設における虐待を受けた子ども等に対する適切な援助体制を確保するための施策として適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 児童養護施設、乳児院、情緒障害児短期治療施設及び児童自立支援施設では、虐待を受けた子ども等が他者との関係性を回復することや愛着障害を起こしている子どものケアには、これまでの大規模な集団によるケアでは限界があり、できる限り家庭的な環境の中で職員との個別的な関係を重視したきめ細やかなケアを提供していくために、ケア形態の小規模化の推進が図られている。

B 虐待等による心的外傷のための心理療法を必要とする子どものために、心理療法を行う職員が配置されているのは、児童養護施設と児童自立支援施設の施設に限られている。

C 被虐待児童への個別面接、生活場面における対の対応、保護者への援助などを行う個別対応職員が配置できるようになったのは、児童養護施設、母子生活支援施設、情緒障害児短期治療施設及び児童自立支援施設の各施設である。

D 虐待等による心的外傷のための心理療法を必要とする子どものために、心理療法を担当する職員は、大学院の修士課程を修了し臨床心理士の資格を有する者とされている。

  A B C D
1 ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ ○
3 ○ × ○ ×
4 × ○ ○ ×
5 × ○ × ○

 

問7 次の文は、児童福祉施設に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 平成 年の児童福祉法改正で、児童養護施設の目的に自立支援が加えられたが、これは施設内における支援が、従来の養育・保護だけでなく、児童の社会的自立に向けて充分な支援が行われることを求めたものである。

B 児童自立支援施設の対象児童として、義務教育を終了した後、就職したが、家庭環境等に起因する学力不足や対人関係の形成等の問題があり、仕事も長続きせず、改めて学習指導を含めた生活指導を必要としている児童も含まれる。

C 乳児院に幼児を、児童養護施設に乳児を入所させることは、児童福祉法の第条の児童の定義に従い認められていない。

D 児童自立支援施設の対象児童として、親が長期にわたり育児を放棄した結果、日常生活を営む上で最小限必要な生活習慣等が身についておらず、将来に対する自立意欲を欠いており、社会に適応するために施設への入所、通所、退所後の対応等の支援が必要な児童も含まれる。

  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 ○ × × ○
4 × ○ ○ ○
5 × ○ × ○

 

問8 次の文は、「児童福祉法」第28 条第項に関する要保護児童についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 実父母が資質上の欠陥のため、子どもに対する監護能力が極めて不十分で、生活環境も劣悪である場合、客観的な立場からしても児童養護施設の方が子どもにとってより良好な生活環境であっても、実父母が子どもを自ら愛情を持って養育する意思がある場合には、それを尊重して長期的に観察すべきである。

B 親権者である実母は所在不明で、その意向を問えない状態にあるが、保護者である継父が被保護者の児童養護施設入所を拒否した場合、入所措置については「児童福祉法」第28条第1項により家庭裁判所の承認を得なければならない。

C 家庭裁判所の承認を得て都道府県が行う児童福祉施設への入所措置については、期間が定められている。

D 保護者が児童を虐待し、又は著しく監護を怠り、その他保護者に監護させることが著しく当該児童の福祉を害する場合において、家庭裁判所の承認を得て児童の親権を行う者又は未成年後見人の意に反して児童養護施設等への入所措置ができる。

  A B C D
1 ○ ○ ○ ○
2 ○ × ○ ○
3 × ○ ○ ○
4 × ○ ○ ×
5 × × × ○

 

問9 次の文は、社会的養護の動向に関する記述である。適切な記述を〇、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 地域小規模児童養護施設は、原則として、地域の近隣関係を通し、小規模な家庭的雰囲気のなかで、虐待を受けた子どもを養育していくことを目的としている。

B 児童養護施設に入所した児童は、ほとんどの場合家庭復帰はできないので、彼らが社会的に自立していけるように退所した後の援助が求められている。

C 児童自立支援施設や児童養護施設の大半が、いまだに大舎制により大規模集団処遇をしている。

D 児童養護施設には、虐待を受けた子どもばかりではなく、障害がある子どもの入所も増えており、多様な課題を抱えた子どもへの対応が求められている。

E 社会保障審議会児童部会社会的養護専門委員会は、平成19 年に報告書を発表したが、そこには、施設内虐待に対応する必要性が述べられた。

  A B C D E
1 ○ ○ ○ ○ ○
2 ○ ○ × × ×
3 ○ × × × ○
4 × × ○ ○ ○
5 × × × ○ ○

 

問10 以下の文は、「児童福祉施設最低基準」に関する記述である。適切な記述を〇、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 児童養護施設の施設長は、入所中の児童について、児童やその家庭の状況等を勘案して、その自立を支援するための計画を策定することが義務づけられている。

B 児童養護施設における児童指導員及び保育士の配置は、通じて、少年の場合、4人につき1人以上となっている。

C 児童福祉施設の施設長の懲戒に係る権限の乱用についてはこれを禁止しているが、職員の児童に対する虐待の禁止事項に関する条文はまだ策定されていない。

D 現在、児童福祉施設は第三者評価を受けることが義務づけられている。

  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × × ○
3 ○ × × ×
4 × ○ ○ ×
5 × × ○ ○

 

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問1.5 問2.1 問3.5 問4.2 問5.4 問6.3 問7.1 問8.1 問9.5 
問10.3

 

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