めぐみ先生の保育コラム

保育園で「手足口病」の感染を拡大を防ぐためにできること

 

手足口病の感染拡大が止まらない!と言ったニュースをよく耳にします。

手足口病は夏かぜの一種と言われていますが、重症化すると命にかかわる症状を引き起こすこともあります。

 

多くの子どもたちが生活する保育園での感染を最小限にとどめるためには、どうしたら良いのでしょうか?

今回は、手足口病の特徴や予防対策について確認しましょう。

 

こんな症状が出たら、手足口病を疑って

◆手のひら、足の裏、足の甲、ひざ、おしりに3〜5mm程度の米粒大の皮疹が見られる。周囲が赤く、真ん中が白い発疹。

◆口の中に口内炎や発疹ができる。刺激すると痛んだりしみたりする。赤ちゃんはよだれがいつもより多く出ることも。

◆発熱することもあるが、微熱である場合が多い。

 

症状が重症化すると、髄膜炎や脳炎といった命にかかわる病気を引き起こす可能性があります。子どもたちの異変に気づいたら、早めに対応をし保護者に受診を促しましょう。

 

手足口病の原因は?

手足口病の原因となるのは、ヘルパンギーナと同様の「コクサッキーウイルス」や「エンテロウイルス」です。

くしゃみや唾液、便を介して感染するといわれています。

 

保育園では特に食事の時間や排泄の際に感染リスクが高まるので注意が必要です。

 

保育園での感染予防対策

 

手足口病には登園・登校に関する基準がないため、発熱していなければ保育園で過ごすことができます。

そのため、保育園では他児への感染予防対策をしっかりと行う必要があるのです。

 

感染した子ども自身がマスクを着用し、くしゃみや唾液からの感染リスクが減るようにするほか、保育者や子どもたちもこまめに手洗い・うがい・消毒を行うようにしましょう。

オムツ替えや排泄の介助の際に便を介してウイルスに触れてしまうおそれもあるので、念入りに手を洗い清潔を保つことも大切です。

 

また、ドアノブや蛇口など多くの人が触れる部分の消毒も毎日行うことをおすすめします。

手足口病のウイルスは、アルコール消毒では滅菌しきれないため、次亜塩素酸ナトリウム系の消毒が適しています。

 

感染者が出たら早めの注意喚起を

手足口病は重症化しなければ、おおむね1週間ほどで治ると言われています。

感染していても症状が出なかったり、症状が消えてもウイルスが残っていたりする可能性もあるため、保育園と家庭が連携して感染予防対策を行うことが必要です。

 

勤務している園で手足口病を発症した子がいる場合は、連絡帳や掲示物を利用して注意喚起を行ないましょう。感染予防の意識を持つだけでも、その後の感染状況は変わります。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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