小規模保育園

小規模保育園とはどんなところ? 保育士の就職・転職の際に知っておいてほしいこと

保育士のお仕事を希望される方は、どのような条件で就職先を探すのでしょうか。転職を検討中の保育士さんの中には、大規模な保育園での業務に疲れた方もいるかもしれません。今回は小規模保育園についてと、保育士が就職・転職する際に気を付けたいポイントを解説致します。

 

保育士の離職率と潜在保育士について

保育士の離職率は、ほかの職業と比較しても高いというイメージがあると思います。ここでは具体的な保育士の離職率を見ていきましょう。

 

平成25年に行われた厚生労働省保育士等確保対策検討会の報告によると、常勤保育士全体での離職率は10.3%となっています。また、この調査では公立保育施設と私立保育施設で分けて統計が取られており、公立保育施設での離職率は7.1%。私立保育施設では12.0%と言う数字が出ています。

 

この厚生労働省の調査では、保育士の男女別の平均年齢と平均勤続年数もわかります。

 

【女性の場合】

平均年齢  35.1歳

平均勤続年数      7.7年

 

【男性の場合】

平均年齢             31.4歳

平均勤続年数        6.3年

 

この統計結果から、男性の保育士は女性の保育士と比較して、平均年齢が低く、勤続年数も短いことが分かります。

 

”潜在保育士”の背景

同じく平成25年に行われた、厚生労働省職業安定局「保育士資格を有しながら、保育士としての就職を希望しない求職者に対する意識調査」を参考にします。

 

この報告では、保育士の資格を有しているが保育士として就職する事を希望しない求職者、いわゆる”潜在保育士”の6人に1人が、過去に保育士として働いて一年未満で離職した経験を持っていることが分かります。そして半数以上の人が勤続5年未満で離職していることも明らかになり、全体的に早期離職者の多いことが分かります。

 

しかしながら、保育士全体の平均勤続年数は7.6年であり、自分に合った職場で長く働き続けられる人と、自分に合わない職場ですぐに退職する人の二極化が起きていることが伺えます。また、若年層の場合は特に。保育士の資格を有していても、それ以外の業種で職を求める傾向が強い事も知ることが出来ます。

 

保育士とその他の業種、離職率の比較

保育士の離職率は他の職種と比べて高いのでしょうか。

 

厚生労働省による平成25年雇用動向調査結果では、産業全体の平均離職率は15.6%となっています。保育士離職率はと言うと10.3%である為、保育士の離職率は他の産業と比べるとむしろ低いという事が言えます。

 

離職率の高い職種はというと、宿泊業、飲食サービス業が30.4%、生活関連サービス業、娯楽業が23.7%、サービス業(他に分類されないもの)が23.2%、保育士を含む、医療・福祉が15.2%と続いています。

 

これまでに述べた様に保育士は早期離職の傾向があり、特に若年者層でその傾向が強く、また一旦離職した後、再び保育士として働く人が少ない事も事実です。

 

保育士の離職理由

保育士の離職理由に目を向けてみましょう。

 

保育士の離職理由として挙げられる最たるものは、低賃金である事です。これは同時に保育士に就職を希望しない理由の一位でもあります。

 

次に示すのは厚生労働省による平成26年賃金構造基本統計調査による平均賃金です。

  • 全職種平均賃金    32万9600円
  • 保育士平均賃金    21万6100円
  • 幼稚園教諭平均賃金          23万1400円

こうしてみると、保育士の賃金が他業種と比較していかに低いかがわかります。また、幼稚園教諭と比較しても賃金に差があることも分かります。保育士の資格を持つ方の中には、幼稚園教諭の資格も持っている方も多くいます。仕事の内容も近い物があることを考えると、より賃金の高い方に就きたいと希望する人が多いのは無理のない事です。

 

次に、時間当たりの平均賃金に目を向けてみましょう。

  • 全職種平均賃金     1041円
  • 保育士平均賃金       980円
  • 幼稚園教諭平均賃金           1046円

1時間当たりの賃金も、保育士は幼稚園教諭やそのほかの職種に比べて低いという事がわかります。現場で働く保育士からも、給与・賞与などの改善を求める声が上がっています。

 

通常の保育園とは異なる小規模保育園について

昨今、大きな社会問題となっている待機児童の問題を解消する為、認可保育園としての小規模保育園が増加傾向にあります。小規模保育園と言う名前は聞いたことがあっても、従来の保育園と具体的にどのように違うのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。ここからは、大規模保育園との違いを解説していきます。

 

小規模保育園の概要

小規模保育園では0歳~3歳未満の児童を保育対象とし、利用定員は6人~19人とされています。事業主体は自治体や民間業者です。一般的な大規模保育園との違いは定員が少なく、家庭的な雰囲気の中で保育を行えることです。

 

小規模保育園で働くメリット

ここからは、小規模保育園で働くことのメリットを解説します。

 

小規模保育園の方が給与が高い?

保育園はその規模が小さいほど、働く保育士さんの給与が高くなる傾向があります。第一の理由は、小規模保育園はほとんどが認可保育園であることから、公的な資金支援が受けられる為です。次に考えられる理由は、施設が小規模である為維持費が少なく抑えられるという事が挙げられます。

 

保育士一人当たりの負担が小さい

まず、小規模保育園の第一の特徴として園児の定員が19人以下という事が上げられます。それに対して保育士の配置基準は大規模保育園より多い為、保育士一人一人の負担は小さくなります。また、小規模保育園では行事が少ない傾向にあり、その為の準備に時間や労力を割かれることもありません。その分、保護者への対応や保育そのものに注力する事が可能です。

 

園児一人一人に手厚い保育が可能

従来の大規模保育園では沢山の園児がいる為、一人一人に関わる時間はどうしても少なくなってしまいがちです。それに比べて小規模保育園では、園児の人数が少ない事に加えて、園児同士の年齢差が小さい事も小規模保育園の特徴です。家庭的な環境の中で、園児一人一人に配慮した保育を行うことが出来ます。

 

人間関係の構築に取り組み易い

園児だけでなく職員の総数も少ないことから、それぞれの職員と充分なコミュニケーションを取る事が出来、また園児の保護者らとの関係構築にも十分な時間を割くことが出来ます。ほとんどの小規模保育園の場合、クラスや担任と言う概念はありません。職員全員で園児たちの保育に取り組むため、保護者へも園児一人一人の様子をより詳細に伝えることが出来ます。

 

就職・転職の際に気を付けたいこと

慢性的な人手不足の状態にある保育園、保育サービス施設では、経験のある保育士は即戦力として迎えられます。公立の保育園では年齢制限が設けられていることもありますが、それ以外の施設であれば年齢に関係なく、比較的希望条件に合った職場を見つけやすいと言えるでしょう。ここでは、保育士が転職する際に気を付けたい事を解説します。

 

希望条件に優先順位を付ける

通勤時間や給与など、自分の持っている希望の条件をすべて満たす求人と言うのは、実はなかなか見つかりません。その為、希望する条件の中でも絶対に譲れない条件や、優先順位を予め明確にしてから転職活動に臨みましょう。

 

その際、今いる施設を辞めたいと思った理由を思い起こして、次の職場に希望する条件を書き出していくと、自分の求める職場像が具体的に描き易くなります。

 

就業先を保育園以外にも広げてみる

保育士の働ける場所は、何も保育園だけではありません。企業内保育所や商業施設の一時預かり所など、保育士が活躍できる場所は数多く存在します。それらの施設にも目を向ける事で転職先のすそ野が広がります。今後のキャリアアップを目指すうえでも、様々な施設で経験を積むことは有益と言えます。

 

合同企業説明会へ参加する

先にも触れましたが、現場で働く保育士は慢性的に不足傾向にあります。その為、合同企業説明会などでは保育士専用の求人ブースが設けられていることも珍しくありません。求人ブースでは直接、各企業の採用担当者から話を聴くことが出来ます。

 

実際に施設を確認してみる

保育士の働く業界の中では、施設に関する良くない噂はあっという間に広がります。しかし、自分の希望条件に合う求人を出しているのに、良くない噂があるというだけで選択肢から除外するのは、もったいないと言えるかも知れません。

 

求人を出している気になった施設には、出来れば実際に足を運び、可能なら見学をさせてもらったうえで面接をしてもらいましょう。様々な保育の現場を見る事は、きっと今後の転職活動をする上でも有益と言えるでしょう。

 

希望の施設に転職した後に気を付けたい事

希望する条件に合った求人を見つけ、無事転職することが出来ても、気を付けるべきことはまだあります。新しい職場では、先に働いている保育士さんが先輩にあたるという事に気を付けて、ある程度雰囲気に馴染んでから、自分の思った事、改善要望、意見などを言っていく方が良いでしょう。

 

在職中の転職活動の注意点について

在職中に転職活動を行う際には、注意したいポイントがあります。まず、在職中の転職活動には時間的な制約があります。無駄な事に時間を取られずに、自分の希望する条件の転職先にたどり着くには、自分の中にブレない軸を持つことが重要になってきます。

 

では、そのブレない軸を持つにはどうすれば良いのでしょうか?重要なのは「自分がどうありたいのか?何をやりたいのか?何を得たいのか?」です。これらが明確に定まっていないと、せっかく転職してもどうもしっくりこないと感じてしまい、再度転職を考える様になってしまいかねないからです。

 

在職中に転職活動をする際は、とりわけ、一番早く面接結果が出たからここにしよう、などと焦ってしまいがちです。一度の転職でより良い職場に巡り合う為に、どんな風に働けたら幸せだろうか?をしっかりと意識する事で、きっと満足のいく職場を見つけることが出来ます。

 

転職エージェントの活用

転職を考えているのならば、転職エージェントを利用する事も検討しましょう。数多くの転職者のサポートを手がけてきた転職エージェントならば、様々な転職のパターンを熟知しています。また、求職者だけでなく、採用する施設側の立場も理解している為、客観的なアドバイスをすることが可能です。

 

経験豊富な転職エージェントならば、転職を考えている人に対して、先ほど述べたブレない軸についてのアドバイスを行ったり、どの様な選択肢があるのかを示してくれるでしょう。

求職者自身が気付いていなかった角度から見たアドバイスをしてくれる可能性もあります。

 

そのほかにも、面接を受ける際の服装についてのアドバイスも受けることが出来ます。在職中に転職活動を行う場合、働いている職場には新たな転職先が決まるまでは転職活動をしていることを伏せるのが一般的です。

 

転職の為、面接がある日には、スーツなどフォーマルな服装が求められる場面もあります。保育士の職場では通常、ビジネススーツは着ませんので、面接の格好で職場に言って、そのまま面接へ向かう、と言うのは難しいのが現状です。

 

その様な場合、転職エージェントにお願いする事で、求職者の事情によりカジュアルな服装で面接を受けに行ってもよろしいでしょうか?と、求人を出している施設側へ連絡を入れてもらう事で、スーツを着ていなくても面接を受けることが出来る様になります。

 

転職エージェントを利用するメリットはそれだけではありません。求職者と求人を出している施設との間に立って、スケジュールの調整もしてくれます。求人を出している施設から、面接の日時を告げられたのち、その日時にどうしてもスケジュールを空けられなくなるという事は、在職中に転職活動している人には珍しくない事です。

 

せっかく決まった面接の日だから変更を願い出るのは気が引ける、しかし、今の仕事に穴は空けられない。そういった時でも、転職エージェントを間に挟むことで角を立てず、日程調整が上手くいく事があります。

 

転職、すなわち中途採用で職に就く以上、これまでのキャリアを整理して転職活動に臨むことが大事です。その点でも転職エージェントは頼れる存在になる事でしょう。

 

まとめ

今回は、従来の大規模保育園と小規模保育園の違いと、保育士が就職・転職する際に気を付けたいポイントについてお伝えしました。是非、この記事を参考に理想の職場への就職・転職活動へ踏み出して下さい。

 

小規模保育園で働いてみたい!という方は、下記フォームよりご相談ください。

 

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