年末はこの一年を見つめ直すのにちょうどよいタイミングでもあります。
子どもたちの成長を支えたチームとしての歩みを振り返り、課題や学びを次へつなげていくことは、保育の質を底上げする大切な過程です。
忙しい時期だからこそ、実りある振り返りを意識してみませんか。
まずは「できたこと」から見つけよう
一年を振り返るとき、人はどうしても「反省点」や「課題」を先に思い浮かべがちです。
しかし、「子ども同士の関係が深まった」「環境づくりがスムーズになった」「チーム内で情報共有が早くなった」など、うまくできたところに目を向けることで、職員全体に前向きな空気が生まれます。
できたことが言語化されると、チームの強みも見えやすくなることが期待できます。
課題は責任探しではなく、改善のヒントに
振り返りの中で課題が出てきたとき、大事なのは「誰の問題か」ではなく、「どう改善できるか」の視点を持つことです。
たとえば行事準備が直前に集中してしまったなら、「工程表の共有方法を見直す」「役割をより細かく分ける」といった、次に生かせる工夫へつなげることがポイントです。
意見が出にくいときは、「困った瞬間」「負担が大きかった作業」「時間が取れなかったこと」など、具体的な場面を思い出してもらうと話が深まりやすくなります。
課題を前向きな“改善のヒント”として扱うことで、チームがネガティブにならずに振り返りを進めることができます。
来年度へつなげるための記録と共有

振り返りで出た気づきは、そのままにしておくと年明けには薄れてしまいがちです。
短くてもよいので、「みんなで続けたい取り組み」「改善したい点」を記録に残すことが大切です。
その際、個人メモではなく、園全体で見られる場所に残すと、実践につながりやすくなります。
まとめ
年末の振り返りは、忙しい毎日をただ反省する時間ではなく、「今年のチームの歩みを認め、次の一歩を見つける時間」です。
短い時間でも、前向きな対話が生まれれば、園の一年は確かな成長へとつながっていきます。
また、今年育まれた学びを、園の文化として積み重ねていくことで、長期的な保育の質向上につながっていきます。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
