めぐみ先生の保育コラム

発達が気になる子への対応の流れ

 

子どもたちの発達には個人差があります。それは、身体の発達だけでなく、心の発達も同じです。クラスの友達とうまくコミュニケーションが取れない子がいたり、お集まりの時に長時間座っていられず部屋を飛び出してしまったりする子がいた場合、担任はその子の様子を注意して観察し、対応を考える必要があります。

また、安易に「発達障害では?」と考えるのではなく、その日の体調や家庭環境まで視野に入れ、日頃の姿と照らし合わせて考えることも忘れないようにしたいですね。

 

ここでは、クラスに発達が気になる子がいた場合の対応の流れについてお伝えします。

 

⒈子どもの様子を観察・記録する

 

 

一定期間、気になる子の姿を観察し記録します。子どもの行動だけでなく、保育者のかかわり方も同時に記録しましょう。

例)

保育者:「赤と青の折り紙を選んでね」と伝える。 A君:「折り紙は終わりにする」と言い、粘土で遊び始める。

 

⒉園内で相談する

記録をもとに、主任や園長と話し合い、必要に応じて職員会議でも取り上げる。園全体で同じ方向を向き、今後の対応を考えていく。

 

⒊保護者と相談する

 

 

園での子どもの様子を伝える。その時の保育者の対応や、子どもの姿をなるべく細やかに話す。この時、家庭での姿も聞けるとよい。必要に応じて、主任や園長も同席する。

保護者の様子を見て、専門機関の情報を提供しても良いが、大きなショックを受ける方もいるので慎重に進める。

 

<相談機関>地域の保健福祉センター、保健所、児童相談所、子育て支援センターなど

<専門療育機関>小児専門病院、地域の療育機関(医療機関を併設する場合もある)

 

⒋子どもへの対応

子どもに合わせた対応を検討し、進めていく。専門機関に相談をした場合、助言を受けながら対応を進めていくとよい。

 

ポイント

 

 

・担任が独断で対応を進めないこと。必ず他の保育者や主任・園長と相談し、園全体で対応を考えていく。

・「療育機関に行くべきです」「発達障害だと思います」など、安易な言葉が保護者を傷つけてしまい信頼関係を損なう原因にもなります。保護者との話し合いは、心情を考慮した上で慎重に行いましょう。

・必ず記録をつけるようにしましょう。担任保育士がつけた記録が、対応を考える際のヒントになります。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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