めぐみ先生の保育コラム

引き継ぎがスムーズになる、ひとことメモの力

年末に向けて業務が立て込む時期は、引き継ぎや情報共有の機会も増えていきます。

「ちゃんと伝えたはずなのに、うまく伝わっていなかった」「書いてはあるけれど、必要な情報が見つからない」。そんな経験をしたことがある保育者も少なくないでしょう。

限られた時間の中でも、要点が正確に伝わる引き継ぎにはコツがあります。

その一つが、“ひとことメモ”の活用です。

 

引き継ぎに必要なのは「量」より「焦点」

引き継ぎというと、「できるだけ詳しく書かなくては」と思いがちです。

しかし、情報量が多すぎると、かえって大切なポイントが埋もれてしまいます。

 

ひとことメモで意識したいのは、「次に関わる人が判断に迷わないかどうか」という視点です。

たとえば、「今日は落ち着いていた」ではなく、「午睡前は不安定。声かけで落ち着いた」と書くことで、その後の関わり方が具体的にイメージできます。

事実と様子、保育者の関わりを短く添えることで、必要な情報が焦点化され、引き継ぎがスムーズになります。

 

“気になる点”は、ひとことで残しておく

忙しい時期ほど、「あとで口頭で伝えよう」と思ったことが抜け落ちやすくなります。

小さな変化や違和感は、その日のうちにひとことメモとして残しておくことが大切です。

「いつもより食事量が少なかった」「登園時、表情が硬かった」など、判断を加えすぎず、事実ベースで書くのがポイント。

この積み重ねが、子どもの姿を継続的に捉えることにつながり、チームとしての共通理解を深めてくれます。

 

“伝えるための記録”という意識を持つ

記録は、自分のためだけでなく、チームの誰かが読むことを前提にしたものです。

だからこそ、「誰が読んでも同じイメージを持てるか」を意識した言葉選びが重要になります。

専門用語や園内でしか通じない表現は補足を入れる、主語を省きすぎない、といった小さな工夫が、引き継ぎの正確さを支えます。

ひとことでも、目的をもって書かれたメモは、チームの動きを確かにつないでいきます。

 

まとめ

忙しい時期の引き継ぎは、量や丁寧さだけで支えられるものではありません。

必要なことが、必要な形で、次の人に届くこと。

そのための“ひとことメモ”は、保育を安全に、そして連続したものとして支える大切な土台です。

年末の慌ただしさの中でも、伝える視点をそろえることで、チームの連携はより確かなものになっていくはずです。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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