「会議が長いわりに、結局何が決まったのかわからない」
「いつも同じ人だけが話していて、意見が広がらない」
保育現場の会議で、こんなモヤモヤを感じたことはありませんか。
実はこれ、個々のやる気や能力の問題ではなく、「会議の進め方」に原因があることも少なくありません。
今回は、ビジネスの世界でよく使われる「ファシリテーション」という考え方を、保育の会議にどう活かせるかを考えてみます。
ファシリテーションは「仕切ること」ではない
ファシリテーションと聞くと、「司会役」「場を仕切る人」を思い浮かべるかもしれません。しかし本来の意味は、話し合いが目的に向かって進むよう“支える”ことです。
意見をまとめる人になるというより、「今、何について話しているのか」「今日は何を決めたいのか」を参加者全員が見失わないようにする役割だといえるでしょう。
保育現場の会議では、話題が次々と広がり、気づけば時間だけが過ぎてしまうこともあります。それ自体は、保育者一人ひとりが真剣に考えている証でもあります。ただ、その熱量を生かすためには、「今日はここまで話そう」「今日はこれを決めよう」という軸が必要になります。
会議が長くなる理由は「ゴールが見えない」から

会議が長引く大きな理由の一つは、ゴールが共有されていないことです。「今日は情報共有なのか」「意見を出し合う場なのか」「何かを決定するのか」が曖昧なまま始まると、話し方も受け取り方も人それぞれになってしまいます。
ファシリテーションの視点では、会議の冒頭で「今日は○○について話し、△△を決めます」と確認することを大切にします。それだけで、発言は自然と整理され、聞く側も安心して参加できます。発言が苦手な人にとっても、「何を話せばいいのか」が見えやすくなるのです。
全員が関われる会議が、保育を支える
保育はチームで行う仕事です。会議が「伝える場」だけでなく、「一緒に考える場」になることで、日々の保育にも連続性が生まれます。
ファシリテーションは特別なスキルではなく、よりよい保育のための土台づくり。
少し意識するだけで、会議も、現場も、少しずつ動きやすくなっていくはずです。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |
