めぐみ先生の保育コラム

子どもたちの「戦いごっこ」。保育者としてどう対応すべき?

 

戦うヒーローやヒロインは子どもたちの憧れ。女の子も男の子も、テレビ番組の登場人物になりきって戦いごっこに熱中します。

しかし、大人の目線で見ると「もう少し穏やかに遊んでほしい」「怪我をしないかハラハラする」というのが本音でしょう……。保護者の方からも「うちの子が戦いごっこをしていたらやめさせてください」とお願いされるケースも。

しかし、「戦いごっこ」には良い側面もあるのです。遊び方の注意点とともにお伝えしていきましょう。

 

子どもたちを成長させる戦いごっこ

戦いごっこは、子どもたちが夢中になれるごっこ遊びの一つ。シチュエーションや役柄をイメージして、台詞を考えたり園庭の自然物を道具に見立てたり。考える力が育ちます。

配役決めを行う時は、普通のおままごことの時よりも白熱するのではないでしょうか?「好きなキャラクターになりたい」「敵役は嫌だ」など、それぞれ強い希望があるからです。時には喧嘩をしながら役決めをしたり、誰かが新しい提案をしたり、子どもたちなりのディスカッションをしながら遊びは進んでいきます。

一番心配なのはパンチやキックをするところですが、早々に保育者が介入して遊びを止めてしまうのは、あまりおすすめできません。戦いごっこをしながら、力加減を覚えていくからです。

 

このように、戦いごっこを通して子どもたちの色々な力が育つのです。

 

保育者としてどのように援助する?

 

 

戦いごっこが自分や相手を傷つける遊びにならないように、下記のことに注意し、子どもたちに伝えるようにしましょう。

・木の枝や金属など、怪我に繋がるおそれのあるものは使わない。

・人を傷つける言葉を使ってはいけない。

・お友達が嫌がることはすぐにやめる。

・遊具の上や道路の近くなど危険な場所では戦わない。

クラスで戦いごっこが流行り始めたら、お集まりの時間を活用して話し合いを行い、子どもたちと一緒に戦いごっこのルールを決めるのも良いと思います。紹介した以外にも、子どもたちから色々なルールのアイデアが飛び出してくるかもしれません。

保育者が一方的にルールを決めてしまうのではなく、子どもたちが自ら考えてルールを決め、守っていくことが大切です。

 

また、保護者の方にも話し合った内容や、子どもたちの育ちの様子を伝えることで、遊びを見守ってもらえるようになります。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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