保育士転職コンサルタントが教えるお仕事探しコラム

保育士さん必見!困った時に役に立つ社会保険の仕組み

 

給与明細を見ると毎月数万円ずつ引かれている社会保険。これがなければもう少しもらえるのに!なんて思ってしまうこともあるくらい「おじゃま虫」的な扱いを受けてしまう存在ですが、実は困った時に自分を助けてくれる心優しい味方なのです。

今回はそれぞれの制度について簡単な説明と、実際にどのように助けてくれるのかを説明していきます。

 

労災保険(労働者災害補償保険)

引かれる金額も少なくあまり負担を感じる事もないですが、とても重要な制度となっています。
労災保険は原則としてすべての労働者(同居の家族のみ経営だけは除く)が加入する保険となっているため、「うちは労災に入ってないから」ということは基本的にあり得ません。
この保険に入っていることで、業務上の怪我や病気、通勤時の事故の際に医療機関への受診料を代わりに払ってもらうことができます。

ただ、あくまでも業務上となっている為、保育士さんの悩みの種となることが多い『ずっと続いている膝や腰の痛み』などは勤務が原因という事を証明するのが難しく、労災が適用されないことが多くあるようです。
また、会社に申請している通勤ルート以外で通っていた場合(バスで申請しているが、本当は自転車で通っていた)などは、受け取れない可能性が非常に高くなります。

 

雇用保険

雇用保険については、正社員はもちろん、パート・アルバイトや派遣であっても『週に20時間以上働く方で、一つの職場に31日以上雇用される方』であれば加入しなければならない保険となります。

この保険に加入する主なメリットは、仕事がなくなってしまった時に就職活動をする間の生活が安定して送ることができる点であり、働いていた時期の1日あたりの給与額の50%~80%が支払われる『失業手当』が受け取れることと、失業手当が支給され始めてから、早い段階で就職が決まった時に支払われる『再就職手当』を受け取れることが挙げられます。

保育士は女性が多いため、『育児休業給付』の支給も大きなメリットと言えるでしょう。この手当を受給するためには産休・育休に入る前の2年間で11日以上働いた月が12カ月以上ないといけないというルールがあるため、条件を満たせるような働き方をしていく事が重要と言えます。

 

健康保険

健康保険は、世間一般的に言われる『保険証(健康保険証)』の存在により、多くの方にとって身近な存在だと思います。ご存知の方もたくさんいるかと思いますが、この保険にしっかり加入していることで、一般的にプライベートでの怪我や病気をした時に受診料が3割のみの負担で済んでいます。

多くの保険組合では定期健康診断を推奨しており、保険に加入していない時と比較してかなり割安で健診を受けることができます。

そして、女性にとってはさらに、多少金額は減るものの産前産後休暇中に給与の代わりに支払われる『出産手当金』や、出産にかかる費用に充てることのできる『出産育児一時金』を受け取ることができます。(出産育児一時金については夫の扶養に入っている場合も受け取ることができます)

 

 

厚生年金

厚生年金は年齢を重ねて収入が減ってしまった場合や、なくなってしまった時に備えることを目的とした制度となっております。国が自身の代わりに貯金をしてくれているようなイメージを持つとわかりやすいと思います。

また、あまり知られていませんが、病気や怪我による障がいが残ってしまった時に保険給付があります。さらに年金制度は被保険者が亡くなった場合の遺族に対する給付などを行う役割を担っています。

 

健康保険と厚生年金の加入要件

健康保険と厚生年金の加入要件は、「一般社員の4分の3以上(おおよそ週30時間以上)の契約で2ヶ月以上の勤務が見込まれる方」という定めがあります。例外規定として「季節的業務(農業・漁業など)は4ヶ月以内」「臨時的事業(博覧会など)の事業所は6ヶ月以内」というものがありますが、保育士の方々が保育業界で働いている限りはこの条件に当てはまることはほぼないとみて良いでしょう。

なお、平成28年10月より加入範囲が広がり下記5つの条件を全て満たす方も対象となりました。

1、週の所定労働時間が20時間以上あること
2、雇用期間が1年以上見込まれること
3、賃金の月額が8.8万円以上であること
4、学生でないこと
5、常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること

この適用範囲の拡大により、大手の事業者で勤めた際に健康保険、厚生年金に加入する必要が大幅に増えました。新しく適用になった方の多くは旦那様の扶養に入られていた方がほとんどなっています。
新しく仕事を扶養の範囲内で探す方にとっては収入が減ってしまう要因になってしまいますので、大企業で働く際は注意が必要です。

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