保育士試験

2007年度保育士国家試験 小児栄養

平成19年度 小児栄養

 

問1 次の文は、幼児期の栄養特性についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 消化吸収、代謝能力など個人差が小さく、まだ未熟な時期である。

B 自制心に乏しく、食欲不振、過食、偏食などに陥りやすい時期である。

C 情緒面の発達は十分ではなく、食事の色彩や盛り付けなどの視覚的要素の影響を受けることはない。

D 日常活動を維持するために必要な栄養量のほか、発育に要する栄養量を考慮する事が大切である。

E 幼児期の単位体重当たりの推定エネルギー必要量は、成人期に比べて多い。  

 A B C D E
1 ○ ○ ○ × ×
2 ○ × ○ × ○
3 ○ × × ○ ○
4 × ○ ○ ○ ×
5 × ○ × ○ ○

 

問2 次の文は、「平成15年国民健康・栄養調査報告」に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 7~14歳におけるカルシウムの一人一日当たりの摂取量は、他の年齢階級に比べ、最も多く摂取されている。

2 1~6歳における食物繊維摂取量は、水溶性のものより不溶性のものの方が多い。

3 朝食の欠食率は、男女とも7~14歳に比べて、20歳代の方が高い。

4 野菜の摂取量は、男女とも50歳未満では一人一日当たり300gを下回っている。

5 エネルギーの栄養素別摂取構成において脂肪からの摂取の割合は、男女とも1~14歳の年齢階級では、適正比率の範囲を超えている。

 

問3 次の文は、小児期の発育に関する消化吸収および排泄に関する記述である。適切な記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A 乳児が溢乳や吐乳を起こしやすい原因の一つに、乳児の胃の形態が徳利(とっくり)状であることがあげられる。

B 母乳栄養児の便は、基本的には無臭ないし弱酸性臭であり、便中の細菌としてはウェルシュ菌が多い。

C 調整粉乳を所定以上の濃度に調乳すると、乳児の腎臓に負担をかける可能性がある。

D 哺乳は、乳児の最初の摂食行動であり、補捉反射によってのみ行われるものである。

E 小腸の腸管内には絨毛があり、栄養素などを消化・吸収しやすくしている。

1 ABC  2 ACE  3 BCD  4 BDE  5 CDE

 

問4 次の文は、小児期の発育と栄養状態の評価に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 幼児の発育は、母子健康手帳の身長体重曲線を用いた評価では、-15%超+15%未満の範囲を「ふつう」としている。

B 頭位は、脳の発育を知ることができ、精神運動発達と関連がある。

C 学童期の学校検尿は、腎臓病や糖尿病などの健康状態の評価に用いられてる。

D 胸囲は、栄養状態の影響を受けるとともに胸郭内臓器の疾患異常や成長を知る手がかりともなる。

E 一般的に低栄養などで、身長が当該年齢健常小児の平均身長-3SD以下あるいは、8パーセンタイル以下の身長を低身長と呼ぶことが多い。

  A B C D E
1 ○ ○ ○ ○ ×
2 ○ × ○ × ○
3 ○ × × ○ ○
4 × ○ × × ○
5 × ○ ○ ○ ×

 

問5 次の文は、糖質の種類と特徴についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A ブドウ糖(グルコース)は、ショ糖、乳糖、麦芽糖などの構成成分として重要な二糖類である。

B ガラクトースは脳や神経組織に多い糖脂質の構成成分であり、乳幼児の脳中にも存在する。

C 麦芽糖(マルトース)は、ブドウ糖が2分子結合したもので、蜂蜜にも存在する。

D 果糖(フルクトース)はオリゴ糖と共存する場合が多く、糖類の中では最も甘みが弱い。

E 乳糖(ラクトース)は、人乳に50~70%、牛乳(普通牛乳)に約40%含まれている。

  A B C D E
1 ○ ○ × ○ ×
2 ○ × ○ × ○
3 ○ × × × ×
4 × ○ ○ × ×
5 × ○ × ○ ○

 

問6 次の文は、栄養素の消化と吸収についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 胆汁中の胆汁酸は脂質を凝固させ、その吸収を妨げている。

B ペプチドや二糖類のように胃粘膜にとり込まれて行われる消化を膜消化という。

C すい液には、脂質を分解する消化酵素は含まれていない。

D だ液とすい液にはアミラーゼが含まれている。

  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 × ○ × ×
4 × × ○ ×
5 × × × ○

 

問7 次の文は、主な無機質とビタミンについての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A ビタミンEは、血液凝固因子の産生を調整する。

B ビタミンKは、緑色野菜、レバー、納豆に含まれる水溶性ビタミンである。

C ヨウ素は甲状腺ホルモンの構成成分となる。

D ビタミンCはストレスから体を守るホルモンの合成に関与する。

E リンはヘモグロビンの生成に必要であり、またインスリンの作用にも関与する。

  A B C D E
1 ○ ○ ○ ○ ○
2 ○ × ○ × ○
3 × × ○ ○ ×
4 × × ○ × ○
5 × × × × ×

 

問8 次の文は、妊婦の栄養・食生活についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 妊娠前に低体重(やせ、BMI<18.5)であった場合には、低出生体重児を出産するリスクが高い。

B 妊娠前3か月から妊娠初期3か月までの間に、ビタミンAを過剰摂取した女性から生まれた子どもには形態異常発現率の高いことが認められている。

C 妊娠するとステロイドホルモンの減少により、腸の蠕動運動が弱まり便秘を招きやすい。

D 妊婦、妊娠を計画している女性、または妊娠の可能性のある女性には、神経管閉鎖障害児の出生リスク低減のために、葉酸の積極的な摂取が勧められる。

E 妊娠中に摂取したアルコールは胎盤を通過しないが、母親が摂取したアルコールは、母乳を通して乳児へ移行する。

  A B C D E
1 ○ ○ × ○ ×
2 ○ × ○ × ○
3 ○ × × × ×
4 × ○ ○ × ×
5 × ○ × ○ ○

 

問9 次の文は、母乳に関する記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A たんぱく質濃度は、牛乳(普通牛乳)より高い。

B 初乳は、成熟乳に比べて、乳糖が多い。

C カルシウムの含有量は牛乳(普通牛乳)より多い。

D 冷凍母乳は免疫物質を保持するために、電子レンジで解凍する。

E 通常は水分が約70%、固形分は約30%含まれている。

  A B C D E
1 ○ ○ ○ ○ ○
2 ○ × ○ × ○
3 × ○ × ○ ×
4 × × ○ × ○
5 × × × × ×

 

問10 次の文は、離乳食の進め方についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 離乳が進むにつれ、卵は黄身(生)から全卵(固ゆで)へと進めていく。

B 乳児ボツリヌス症の予防に蜂蜜は有効である。

C 魚は、白身魚に慣れたら青皮魚に、次いで赤身魚へと進める。

D 新しい食品を始める時には1さじずつ与え、乳児の様子をみながら量を増やしていく。

  A B C D
1 ○ ○ × ○
2 ○ × ○ ×
3 × ○ × ×
4 × × ○ ×
5 × × × ○

 

問11 次の文は、粉ミルクについての記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 フォローアップミルクは、母乳または乳児用調整粉乳の代替品ではなく、使用するのであれば、生後9か月以降とする。

2 ペプチドミルクは、牛乳の中のアレルゲンとなりやすい乳清たんぱく質の部分を低減し、さらにたんぱく質を酵素分解して消化されやすくしたペプチドを主成分にした調製粉乳である。

3 殺菌法には、哺乳瓶の殺菌と調乳を別々に行う無菌操作法と、殺菌操作を調乳の最後にまとめて行う終末殺菌法がある。

4 乳児用調製粉乳の使用上の特徴には、調乳にあたっては粉乳のみで調乳すること(単品調乳)や各月齢とも同一濃度で調乳すること(単一処方)などがある。

5 乳糖不耐症用の治療乳は、糖質を全部ショ糖にしてある。

 

問12 次の文は、乳幼児の摂食機能、食行動の発達についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ 選びなさい。

A 通常の発育・発達を遂げている乳児の最も適切な離乳食の開始時期は、生後8か月以降である。

B 食具の使用行動の発達で、通過率が70%に達する月齢は、「哺乳びんを持って飲む」が生後7?8か月頃、「コップを持って飲む」が17?18か月頃、「茶碗を持って食べる」が23?24か月頃、「箸を使える」が36?42か月頃である。

C 摂食行動は、手と口の協同(協調)運動、肘関節の動きなど身体的発達により「介助食べ」、「手づかみ食べ」、「食具(食器)食べ」の順で発達する。

D 「あそび食べ」は幼児にとって自然な探索行動であり、3歳代になると次第に減少してくる。

E 遅くとも1歳6か月頃までには乳歯がすべて生えそろい、成人と同じ固さの固形食を食べることができる。

  A B C D E
1 ○ ○ × × ×
2 ○ × ○ ○ ○
3 × ○ × ○ ×
4 × × ○ ○ ×
5 × × ○ × ○

 

問13 次の文は、成長期の栄養と食生活についての記述である。適切な記述を○、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A ダイエット等で炭水化物や脂質の摂取を控えすぎると、摂取したたんぱく質は体たんぱく質の合成に利用されにくい。

B 神経性食欲不振症では、初潮の遅延や月経不順、無月経を起こすことがある。

C 良い歯質を作るためには、カルシウムだけでなく、たんぱく質、ビタミンDなどの栄養素も必要である。

D 鉄欠乏性貧血の予防には、獣肉や魚肉に含まれる吸収率の高い非ヘム鉄の充分な摂取を心がけることが大切である。

E 間食は水分補給の意義も大きいが、果汁や清涼飲料水のとりすぎには配慮が必要である。

  A B C D E
1 ○ ○ ○ × ○
2 ○ ○ × × ○
3 ○ × ○ × ○
4 × ○ × ○ ×
5 × × ○ ○ ×

 

問14 次の【I群】の文は「楽しく食べる子どもに?食からはじまる健やかガイド~」(2004年:厚生労働省雇用均等・児童家庭局)の中の記述である。【II群】の時期とを結びつけた場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。    

【I群】 

A 食べる意欲を大切に、食の体験を広げよう B 自分らしい食生活を実現し、健やかな食文化の担い手になろう  C 安心と安らぎの中で食べる意欲の基礎づくり  D 食の体験を深め、食の世界を広げよう    

【II群】 ア 授乳期・離乳期  イ 幼児期  ウ 学童期  エ 思春期  

  A B C D
1 ア ウ イ エ
2 ア イ ウ エ
3 イ ウ ア エ
4 イ エ ア ウ
5 エ ウ ア イ

 

問15 次の文は、「日本人の食事摂取基準(2005年版)」の中の成長期に関する記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 乳児期の推定エネルギー必要量は、総エネルギー消費量とエネルギー蓄積量の和である。

2 推定エネルギー必要量、たんぱく質推奨量は、成長期では男女とも15~17歳が最も多い。

3 カルシウムの目標量は、12~17歳では女子より男子の方が多い。

4 推定エネルギー必要量は1~7歳ではII(ふつう)のみ、8~11歳ではII(ふつう)とIII(高い)の2区分が示されている。

5 食物繊維の目標量は、17歳以下では示されてない。 

 

問16 次の文は、成長期の肥満とやせについての記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 悪性肥満では脂肪分解能(力)が亢進し、高脂血症を併発しやすい。

2 孤食では、食欲不振や栄養のアンバランスを生じる危険性がある。

3 学童期の高コレステロール血症の主な発症要因には、エネルギーや脂質の過剰な摂取と運動不足が挙げられる。

4 「食育基本法」では肥満とともに過度の痩身志向も問題とし、心身の健康に及ぼす影響についての知識の啓発等必要な施策を講ずることとしている。

5 成長期女子のダイエットは、栄養素摂取不足により、鉄欠乏性貧血や骨密度の低下を起こす可能性がある。 

 

問17 次の文は、小児の健康管理についての記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 食物アレルギーに関し、卵、牛乳・乳製品など症例の多い食品や、そば、ピーナッツなど症状が重篤になりやすい食品について食品衛生法に基づく原材料表示が義務づけられている。

2 不規則な間食は、食欲不振や偏食の原因にも挙げられる。

3 幼児期の肥満は、成人期の肥満に移行することはない。

4 幼児期の下痢には、食べすぎが原因のものがある。

5 虫歯は、口内の細菌が砂糖を栄養源として繁殖し、歯垢内で酸を産生することで発症することから、砂糖の摂取量を控えることや摂取回数を減らすことは予防につながる。

 

問18 小児期にみられる病気と食事管理についての記述である。適切な記述を〇、不適切な記述を×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。

A 低出生体重児とは出生時の体重が2000g以下の乳児のことをいい、吸啜や嚥下機能が未発達であるため、母乳栄養は適さない。

B 病的でない便秘の場合、たんぱく質性食品の過食を避けたり、食物繊維や脂肪を多めに摂取したり、また水分を十分に補給することなどがすすめられる。

C 乳幼児では、腎機能のうち老廃物をろ過する糸球体の機能に比べ、水分、ブドウ糖などを再吸収する尿細管の機能の成熟のほうが遅いため、水分や電解質のバランスが崩れやすい。

D 先天性代謝異常症のホモシスチン尿症では、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)を除去したミルクや制限した食事を与える。

E 乳児下痢症における食事療法の方針には、脱水症の改善、水分・電解質の補給、消化器官の機能回復などがある。

  A B C D E
1 〇 〇 〇 × 〇
2 〇 〇 × 〇 ×
3 〇 × 〇 〇 ×
4 × 〇 〇 × 〇
5 × × × 〇 〇

 

問19 次の文は、障害のある児童の食生活への配慮についての記述である。不適切な記述を一つ選びなさい。

1 視覚障害児の場合、料理に使用する食材に直接触れたり、匂いを嗅ぐことにより、食品の認識や理解を深めることが大切である。

2 知的障害児の場合、歴年齢に比較して老化様現象が遅いために、脂肪の摂取は極力少なくすることが大切である。

3 聴覚障害児の場合、摂食時の咀しゃく音など音による刺激が得られないため、少食になることもあるので注意が必要である。

4 重症心身障害児の場合、まひや筋緊張でたんぱく質の消費が高まることや、身体活動の低下等により、たんぱく質の消費・吸収率が低下することもある。

5 障害のある子どもの場合は、服薬、胃・食道逆流などによる胃、十二指腸潰瘍などの消化管障害などが鉄欠乏性貧血の原因となることがある。 

 

問20 次の文は「児童福祉施設における“食事摂取基準”を活用した食事計画について」(平成17年3月厚生労働省)に関する記述である。正しい記述の組み合わせを一つ選びなさい。

A たんぱく質、炭水化物の総エネルギーに占める割合は、たんぱく質については10%以上20%未満、炭水化物については50%以上70%未満の範囲を目安とする。

B 通所施設において、おやつは、発育、発達状況や生活状況等に応じて、1日全体の食事の30%程度の量を目安とする。

C 給与栄養量の目標を設定する場合、身体活動レベルの考慮を最優先にし、特に性、年齢への考慮は必要ない。

D エネルギー摂取量の計画にあたっては、最初に設定した値は、その年齢が変わるまで、定期的な身体計測の結果を評価、反映させることはない。

E 食事計画を目的として「食事摂取基準」を活用する場合には、個人を対象とすることを基本にしている。

1 AB  2 AE  3 BC  4 CD  5 DE

 

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問1.5 問2.5 問3.2 問4.全 問5.4 問6.5 問7.3 問8.1 問9.5 
問10.5 問11.5 問12.4 問13.1 問14.4 問15.2 問16.1 問17.3 問18.4 
問19.2 問20.2

 

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