めぐみ先生の保育コラム 保育士の為のお役立ち情報

お腹の感染症が流行る季節。保育園での感染予防対策

 

ノロウイルスやロタウイルスなど、冬になると下痢や嘔吐を伴う感染症が流行します。集団生活をしている保育園では、感染症があっという間に流行するため、念入りな予防対策が必要になります。

昨年末には、ノロウイルスの遺伝子変異が起こり感染が拡大しているというニュースが世間を騒がせました。ニュースをこまめに確認し、感染症予防に対する意識を忘れずに持つことも大切です。

今回は、保育士ができる感染予防対策についてお伝えします。

 

トイレの清掃をいつもより念入りに行う

お腹の感染症は、ウイルスを含んだ排泄物や吐瀉物から感染する場合が多いため、トイレの清掃はいつもより念入りに行うようにしましょう。ノロウイルスやロタウイルスに対して不活化効果のある次亜塩素酸ナトリウムを希釈した消毒水を使い、便座や床、ドアノブ、手洗い場など子どもが触れる場所の殺菌を毎日行います。

アルコールや塩化ベンザルコニウム(オスバン)にも消毒作用はありますが、ノロウイルスやロタウイルスを殺菌する効能はありません。

 

手洗いはウイルスを落とす有効手段

食事の前やトイレに行った後、外遊びが終わった後には、必ず手洗いをするよう子どもたちに促しましょう。石鹸を使い、指の間・爪の間・手首までぬるま湯で洗うのが正しい方法です。

また、保育士自身も手の清潔を保つように注意しましょう。爪が伸びていると、ウイルスが残ってしまう可能性があるため短く整えます。また、下痢や嘔吐の清掃をした後には、たとえ手袋をしていたとしても、しっかりと石鹸で手を洗うようにしてください。石鹸にはウイルスを死滅させる効果はありませんが、手の油脂を落とす効果があるため、付着したウイルスも洗い流すことができるのです。

 

便や吐瀉物で汚れた服は安易に洗わない

おもらし等で子どもの衣服が汚れてしまった場合、水洗いをして軽く汚れを落としてから保護者にお返しするという園もあると思います。排泄物が衣服についたまま長時間放置すれば、汚れが染みになってしまったり悪臭の原因にもなります。保護者も綺麗な状態で受け取ったほうが気持ちが良いものです。

しかし、感染症が流行している時期は注意が必要です。ウイルスが付着した衣服を洗うことにより、園内で感染が拡大するおそれがあるのです。

下痢の便や吐瀉物で汚れてしまった衣服は、そのまま新聞紙でくるみ、ビニール袋を二重にして保管します。この時、空気感染の可能性があるため、できれば室外で保管するようにしましょう。そして、保護者に衣服を返す時にも事情を説明し、理解してもらいましょう。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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