めぐみ先生の保育コラム

暑い季節に流行する感染症

 

蒸し暑い季節がやってきました。

夏になると薄着になり、素肌が接触する機会が増えるため感染症の流行にも注意が必要です。また、気温が上がり体力を奪われやすい環境であることも忘れてはいけません。

夏の遊びを思い切り楽しむために、注意すべき病気について知っておきましょう。

 

手足口病

夏風邪の一つと言われている手足口病。ヘルパンギーナと同じく、コクサッキーウイルスやエンテロウイルスが原因で起こります。

 

<症状>

・手のひら、足の裏、足の甲、ひざ、おしりなどに米粒大の皮疹ができる。周囲が赤く、中央が白いのが特徴。

・口内にも発疹ができる。痛みで食事が困難。赤ちゃんの場合は涎が出る。

・微熱が出ることがある。

 

<ケアについて>

発症後5日目くらいで症状は軽快する場合がほとんどです。ウイルスの種類によっては無菌性髄膜炎を合併することもあるため、頭痛や嘔吐の症状が見られたらすぐに病院へ行くことが大切です。

 

咽頭結膜炎(プール熱)

アデノウイルスに感染することで発症します。プールの水で感染して集団発生することがあり、プール熱とも呼ばれています。

 

<症状>

・40度近い高熱と寒気。倦怠感。

・喉、リンパ節の腫れ。

・まぶたの裏や白目が充血し、結膜炎を起こす。目やにが出る。

・関節の痛み、頭痛、下痢、嘔吐を併発する子も。

 

<ケアについて>

症状は5日前後続きます。症状が消えても2週間は菌が残っているため、洗濯物を別に洗ったり、同じタオルを使用しないなど、家庭内の感染にも注意が必要な病気です。

 

溶連菌感染症

溶血性連鎖球菌と呼ばれるウイルスの感染により起こります。昔は「猩紅熱」と呼ばれ恐れられていましたが、現在は抗生物質により自宅でもケアができるようになりました。

 

<症状>

・喉の痛み。

・首や胸から全身にかけて赤い発疹。

・38〜39度の高熱を伴う。

・数日後に、舌に赤いブツブツができる(いちご舌)

 

<ケアについて>

飛沫感染や、傷口からも感染します。マスクを使用するなどして、感染を防ぐことが大切です。

 

ヘルパンギーナ

代表的な夏風邪の1つです。6月頃から流行します。発症は乳幼児に多く、5歳以下の子どもが90%を占めています。

 

<症状>

・急な発熱。39〜40度の高熱が出る。

・のどの奥に痛みを伴う水泡がたくさんできる。痛みにより嘔吐することも。

 

<ケアについて>

水分補給が大切です。最初は痛みで水を飲むことも困難かもしれませんが、脱水症状を防がなければいけません。

 

顔色、体温、皮膚・・・子どもの異変をキャッチする目を持とう

 

 

園内で感染症が流行し始めたら、他の子どもたちへの感染を防ぐことが大切です。同時に、登園児の異変にもアンテナを張り、すぐに保護者へ連絡がとれるように体制を整えておきましょう。おたよりや連絡帳を活用し、保護者に注意喚起を行うことも効果的です。

そして何より、保育者自身も感染を予防しましょう。「子どもの病気だから・・・」と油断しがちですが、子どもの溶連菌が感染して1週間出勤できなくなった保育士もいました。十分に注意しましょう。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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