めぐみ先生の保育コラム

味覚が敏感?好き嫌いが多い子への関わり方

 

生まれてきたばかりの子どもは、苦いものや酸っぱいもの、辛いものを拒絶します。それは本能に従った行動であり、子どもが刺激的な味を嫌うのはごく自然なことなのです。成長に従い、食べられる食材数が増え、色々な味に出会う中で食べ物の幅を広げていくのです。

 

しかし、子どもたちに中には刺激的な味や食感に対し過敏に反応してしまう子もいます。

 

感覚が敏感な子が苦手な食べ物

音や視覚物に敏感な子は、食べ物に対しても同じような反応を示すことがあります。少し辛く味付けをしたカレー(子ども用でも辛いと感じる子もいます)、シソやセロリなど匂いにくせのあるもの、お酢の味が効いたすっぱいものなど、大人にしてみると「旨味」に感じるものが、彼らにとっては強い刺激に感じるのです。そのため、炭酸飲料を飲むと「喉が痛い」と訴えたり、一度口に入れたものを吐き出してしまったりすることがあります。また、特殊な食感のもの(こんにゃくや海藻など)が苦手という子もいます。

決まった食材しか食べなくなってしまい、偏食が進行する場合もあるため、大人は心配のあまり無理にでも食べさせようと試みるのです。しかし、嫌いな食べ物を口に入れることは大人が想像する以上に苦痛であり、食べること自体に苦手意識を持ってしまうおそれがあります。

 

調理の工夫

対策としては、味や匂いを緩和させる調理方法を選び、徐々に慣らしていくことです。ごま油を使用したり、肉と一緒に調理することで、食材自体の特徴的な風味を消すことができます。また、食感が気になるものに関しては小さく刻んだりペースト状にすることで対処しましょう。

勤務している園で、栄養士や調理師と連携し、どのようなメニューだったら食べやすいか話し合う場を設けることもおすすめします。

 

成長とともに変化していく

 

 

子どもの偏食は、成長と共に緩和されていくことが多く、3歳の時に食べられなかったものが、15歳で食べられるようになったり、もしくは25歳の時に大好きな人と食べたら「あ、美味しいんだ!」と気づくこともあります。

栄養面での偏りがなく、成長にも問題がないようであれば、絶対にその食品を食べなければいけないというわけではないのです。現在は、スーパーでたくさんの食材が売られています。ある食材を食べることができなくても、別の食材で栄養を補うことができるのです。

 

子どもの好き嫌いや偏食に関しては「○歳までに食べられるようになる」という目標を強く持ちすぎず、それよりも食事の時間を楽しく豊かなものとして子どもたちに伝えていきましょう。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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