めぐみ先生の保育コラム

お散歩で公園を気持ちよく使うために守りたいこと

小規模の保育園では、天気の良い日に園外の公園へ散歩に出掛けることも多いのではないでしょうか。花壇や落ち葉、池などの自然物に触れることができたり、園庭にはない遊具があったり、公園に出掛けると様々な刺激があります。

 

しかし、地域の人や他の園の子どもたちも使う場所のため、マナーを守って遊ぶことも大切。今回は、保育園のお散歩で公園を使う時に守りたいことについてお伝えします。

 

「公園散歩」ではこんなトラブルが起こりがち

公園に遊びに行った保育者からは、このようなトラブルの報告があります。いくつか事例を紹介しましょう。

 

・他の園や地域のお子さんが遊具を使って遊んでいたところへ保育園の子どもたちが大勢で入っていき、危険な状況に。先に遊んでいた子たちがその場を去ってしまった。

 

・子どもたちが遊んでいる様子を見守っている保育者たちがお喋りに夢中になり、池に落ちたボールに気づかなかった。

 

・園庭がないため近所の公園でリレーの練習。白線を引いていたところ、管理人から注意を受けた。

 

・トイレがない公園で子どもが尿意をもよおした。その場でするわけにもいかず、1人の保育士がその子を連れてトイレのある隣の公園まで行くことに。

 

・公園へ遊びに行くと、地域の年配の方たちがサークル活動で風景画を描いていた。挨拶をしたところ「子どもがいると静かに描けないんだよな」と言われてしまった。

 

公園を気持ちよく使うために守りたいこと

・公園を使っている他の人々への配慮

先に遊んでいる人がいたら必ず挨拶をします。散歩に出発する前に子どもたちとルールについて相談し、「小さな子が遊んでいる近くでは、思い切り走らない」など、約束事をいくつか決めていきます。

 

・保育者は安全管理の意識を忘れない

公園は園庭とは違い、自分たちの管理の行き届いた場所ではありません。転倒、交通事故、水辺の事故、動物の噛みつきなど予期せぬ危険が発生することも。必ず子どもたちから意識をそらさず、こまめに人数確認を行います。

 

・地域の人々の理解を得る

子どもたちが遊ぶことを快く思わない方もいるかもしれません。公園で会った人には必ず挨拶をしたり、コミュニケーションをとったりすることで、苦情が減ったという事例もあります。行事のチラシを持参して手渡すと、興味を持ってもらえることも。

 

・公共のルールを考えて使う

公園で白線を引かないことや、水道の水を使って泥遊びをしないこと、ごみの持ち帰り、遊具の年齢制限など公共のルールを考えて使います。普段、保育園では使っている遊具も公園では年齢制限があって使えないという場合があります。園によっては保育者が傍にいれば問題ないと考えることもありますが、子どもの安全や地域の方との関係性を考慮すると、あまり得策ではないかもしれません。

 

・公園選びも重要

散歩に行く公園を選ぶ時は子どもの目線で導線を考えます。トイレの有無、安全性(道路との間に柵があるか、水辺の周辺は整備されているかなど)、園からの距離、見通しの良さ、子どもの発達に適した遊具の有無などを把握しておくと安全に楽しく遊ぶことができます。下見も大切です。

 

公園は子どもたちの五感を育てる場所

都市部の保育園では公園を保育のフィールドの一つとして考えることも多いと思います。公園には子どもたちの五感を育む要素がたくさんあります。気持ちよく遊べるように、マナーやルールについて考えていきたいですね。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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