めぐみ先生の保育コラム

遊びのルール、どう伝える?

鬼ごっこやジャンケン、カードゲームなど、子どもたちは年齢が高くなるに伴いルールのある遊びを楽しめるようになってきます。ルールを守ることにより、仲間と楽しく遊ぶことができるといってもいいでしょう。しかし形のない「ルール」という決まり事を子どもたちに最初に伝えるのはなかなか難しいもの。どうやって伝えていけば良いのかを考えていきましょう。

 

遊びのルールを守る=社会のルールを守る練習になる

「ジャンケンで負けた人は、列の最後に移動しましょう」「ボールが当たった人は、コートの外へ出ましょう」といった遊びのルールを守ることは、遊びに参加する1人ひとりが楽しむために必要なことです。

 

そして保育園の集団生活の中には「お散歩に行く時は友達と手をつなぎましょう」「赤ちゃんクラスの前を通る時はゆっくり歩きましょう」といったルールがあり、さらに社会に出ると「ゴミ捨ての分別をしましょう」「体が不自由な人には席を譲りましょう」といったみんなが気持ちよく生きていくためのルールがあります。

 

ルールを守る大切さを知り、意味を理解し、守ることは子どもたちが成長し社会に出ていく上で重要なことです。そのため遊びのルールであっても、丁寧に伝えていく必要があるのです。

 

子どもたちにルールを伝える時には

たとえば、ドッジボールをして遊ぶ時、ボールが体に当たった人はコートの外に出るというルールが主流です。しかし、遊びに熱中していた子どもたちにとったら、それはとても悔しいこと。勝つことを想像して遊んでいたのに、いきなり負けてしまったのですから。

 

ボールが当たってしまった子は「いやだ!ボールに当たったけどまだコートの中にいたい!」と主張するかもしれません。しかしその思いを通してしまうと、ゲームが成立しなくなりますし、他の子も嫌な思いをします。

 

保育をしているとこういった場面によく遭遇すると思います。保育者である私たちは、つい「ダメなものはダメ!」とか「ルールなんだから守って!」とつい言ってしまいたくなりますよね……。

しかし、ルールは大人が子どもに押し付けるものではありません。子ども自らがルールの大切さに気づき、実行することが望ましいのです。

 

「負けてしまったけど、ルールを守って遊んだから達成感があった」とか、「負けてしまったことは悪いことではない」というメッセージを、紙芝居やペープサートを用いて子どもたちに伝え、ルールを守ることについて考えることができる機会を用意しましょう。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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