めぐみ先生の保育コラム

子どもの主体性を考える保育とは?

 

保育所保育指針の改定もあり、小学校への接続や多様な子どもたちへの対応を視野に入れて保育を行うことが業界全体の目標となっています。

その中でキーワードとなっているのが子どもたちの「主体性」。

これまでは、大人が環境を設定したり、活動の筋道をきちんと立てたり……そういった保育が日本では当たり前とされてきました。しかし、今後は子どもたちが中心となって「自ら動く」「好きなことを選ぶ」保育を行っていこうと考えられているのです。

 

今回は、子どもたちの主体性を育む保育について考えてみましょう。

 

主体性とは何か?

主体性、主体的な人とは、目的を果たすために何をすべきか考えながら、自分の意志で行動を決定できる性質・人のことを言います。

 

例えば、発表会の練習の時に「保育者に指示されたまま」劇の練習をしたり、「保護者に見せるために」きれいに踊ることは主体的とは言えません。 発表会の目的を子どもたち自らが考え、何をするべきかを決め、やる気を持って取り組む状態が「主体的」と言えるでしょう。

 

子どもたちが主体的に取り組む時には、必ず「楽しさ」がセットになっています。

 

子どもたちが楽しく取り組める活動

大人にやらされているのではなく、子どもたちが自ら動き、夢中になって取り組める活動。それは、日々の子どもたちの姿から地続きになっています。

 

発表会の劇の演目を「●歳児の姿に合っているから」「毎年恒例で保護者にも好評だから」という理由で選んでしまうと、子どもたちの興味関心とは遠く、楽しく取り組める内容ではなくなってしまうでしょう。

 

日常の中でクラスの子どもたちが気に入っている遊び、絵本、歌、言葉。そういったものを探してみてください。子どもたちは“毎年恒例”のものを好きになるとは限りません。その年の流行や、時には昨年と同じものを気に入っていることも。1人ひとり、そしてクラスごとに子どもたちの姿は異なり、子どもたちのリアルタイムと向き合うことが保育者の仕事です。

 

子どもが主体的な保育か?振り返りも大切

 

 

主体的な保育についてお話してきましたが、集団生活の中で1人ひとりの主体性を大切に扱うのは簡単なことではありません。「はい、座って!今から給食ですよ。みんなで準備します」と声を掛けたほうが、集団生活はスムーズに進みます。

時には、子どもたちの安全や全体の生活リズムを優先し、主体性から少し離れた保育をするのが必要な場面もあるはず・・・。

 

だからこそ、振り返って子どもの主体性を考える時が必要だと思うのです。 あの時の言葉掛け、あの時の活動内容は、子どもたちが自ら考え、楽しく取り組めていたかな?

1日1回、保育が終わったら振り返りを行い、明日の保育で改善することで、子どもたちの主体性を育む保育が形になってくるのではないでしょうか

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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