めぐみ先生の保育コラム

冬の保育で気をつけたい事故の話

もうすぐクリスマス。楽しいクリスマスが過ぎると、世の中は一気に年末の雰囲気になりますね。保育士さんたちも、もうすぐ今年の保育納め。ホッと気が緩む時期でもあります。

そんな時だからこそいつもより少しだけ気を引き締めて、起こりうる保育事故に備えましょう。今回は、冬の保育で気をつけたいことについてお話します。

 

雪道・凍結した路面に注意

寒い地域では雪が積もったり路面が凍結し始めていると思います。普段とは違う足元にツルっと転んだりよろけてしまうのも学びの一つですが、大きな事故や怪我に繋がらないよう注意を払いましょう。

雪の上や凍結した路面ではつま先ではなく足全体を使ってゆっくりと歩くように子どもたちへ伝えます。道路では交通事故の危険もあるため、歩行者がいることを早めにドライバーさんに知ってもらいたいですね。雪遊びの散歩に出掛ける際は、防寒に加え、少し目立つ色の防寒着を用意することを保護者に勧めても良いかもしれません。(年明け以降に積雪が予想される地域では、年末までにお知らせすると冬休みに用意しやすいですね)

 

冬こそ気をつけたい脱水症状

 

 

脱水症状に気をつけるのは夏場だけかと思いきや、実は最も気をつけなくてはいけないのが冬!乳幼児が脱水症状を一番起こしやすいのは2月という調査結果も報告されています。その原因は、ウイルス性胃腸炎やインフルエンザ、ノロウイルスといった感染症。嘔吐や下痢は脱水症状の原因になるため、こまめな水分補給を行いましょう。嘔吐や下痢の症状がひどい時は、早めに病院を受診するように保護者に呼びかけていきましょう。

子どもは大人よりも体温調節機能が未熟なため、大人の肌感覚でエアコンの温度を調整したり、散歩の時に過剰に着込ませてしまうのは危険です。子どもたちの顔色や動き、声の調子をよく確認して判断しましょう。

 

油断しがちな低温火傷の事故

保育園では暖房器具やアイロン、やかん等の事故の危険性は少ないと思いますが、冬は火傷の事故が増える時期なので保護者におたよりなどを通して注意喚起しても良いと思います。

保育中に起こった火傷の事故の事例として、カイロによる低温火傷があります。雪が降る寒い朝、貼るタイプのカイロを衣服の上から貼ってきた子どもが、午睡中に低温火傷をしてしまったのです。登園時に視診を行うかと思いますが、子どもの体に触れて異常がないか確認することも大切だと気づかされる事故です。乳児であればオムツ替えの時にもよく体を見るようにしましょう。(着込みすぎで汗疹ができる子もいます)

カイロと同様に、虫除けシールや冷却シートなどの扱いも、園内でルールを統一して保護者に呼びかけていくことも必要だと思います。

 

「まさか起こらないだろう」と思っている事故は、安心している時にこそ起こります。安全な環境の中で子どもたちが思い切り遊び成長していけるように、ぜひ一度確認をしてみてください。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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