めぐみ先生の保育コラム

感覚あそびのポイント

感触や色や音、匂いなどに触れる感覚あそび。子どもたちが五感で自由に受け取り、友達や保育者とその体験を共有する場を作るために、どのような工夫をしたら良いでしょうか。あそびのポイントをお伝えします。

 

実体験の機会を大切にする

子どもたちは様々な体験を通して物事の概念を身につけます。例えば、園庭に積もった雪に触れて「手がひんやりする」と感じる体験をします。その体験から、「雪や氷は冷たい」という知識が身につき、冷凍庫の中の氷を見て「これは冷たいんだね」と触らなくても概念が分かるようになります。体験を経て知識を得ることができ、物事の概念が身についていくのですね。

そのため、乳幼児期はさまざまな実体験を通して五感を豊かにしていくことが望ましいと言われています。

 

子どもが試している姿を邪魔しない

感覚あそびの中で、子どもたちが自ら事象に関わり色々と試している姿を尊重しましょう。子どもたちは遊びの中で「この石を棒で叩いたらどんな音がするかな」とか「手じゃなくて素足で踏んだらどんな感触なんだろう」といったように、好奇心を起点に試したがります。危険な場合は事前に防ぐ必要がありますが、「片付けが大変になるから」とか「時間がかかりそうだから」といった大人側の理由で子どもの自由な実験を中止してしまうのは非常に勿体ないことです。

 

見出し:その感覚あそびに集中できる環境づくりを

聴覚や視覚など、その感覚に集中することができる環境を準備してから遊びを行いましょう。たとえば、音探し遊びをする場合に窓を開けたまま行なったため屋外の工事の音が部屋に入ってしまったり、パネルシアターでイラストクイズをしているのに保育室に玩具が散らかったままで子どもたちの視線がそちらに逸れてしまったり。感覚あそびを通して子どもたちにどんな体験をしてほしいのか、どんな成長につなげたいのかというねらいを念頭に置き、集中できるあそびの環境を考えてみましょう。

 

感じ方はそれぞれ

子どもたちは一人ひとり感じ方が異なります。中には感覚のアンバランスさを持っている子もいます。「全員が同じように感じるはず」とは考えず、一人ひとりの感じ方をよく観察し、その子に合ったアプローチができるように考えていきたいですね。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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