めぐみ先生の保育コラム

【現役保育者に聞いた】コロナ禍の保育の気づき

新型コロナウイルスの流行により、保育現場でも今まで当たり前にやっていたことが通用しなくなりました。感染予防対策や行事の予定変更などイレギュラーな対応をしながら現場で頑張っている保育者のみなさんに、コロナ禍の保育で得た新たな気づきについてお聞きしました。

 

マスクの正しい使い方を見直す機会になった

「感染症が流行する時期にはいつもマスクを使っていましたが、コロナウイルスが流行り始めてからはマスクは生活必需品に。保育中もずっとつけています。マスクの扱い方を子どもたちと一緒に確認する中で、正しい着け外しや処分の仕方について改めて確認しました。今まではマスクを適当に扱っていたなあと反省です……」(保育士Sさん)

 

行事の必要性や開催方法について考えた

「運動会や発表会など、感染予防の理由から中止にしたり保護者を呼ばずに開催したりしました。変更に際して職員間で話し合いを行い、毎年恒例の行事の必要性について考える機会になりました。開催方法や行事の規模について見直すきっかけにもなったと思います」(幼稚園教諭Tさん)

 

リモートワークの導入が進み、一気にIT化!

 

「緊急事態宣言が発令された時は、私たちも交代でリモートワークを行いました。ICTツールを導入し、家でも書類仕事ができるようになり便利でしたね。事務作業の効率化にもなるし、コロナが終息した後も積極的に活用すべきだと感じています」(主任保育士Iさん)

 

三密を避けた遊び空間が子どもの情緒の安定に繋がった

「ふれあいが大切な保育現場では感染予防には限界がありますが、子どもたちにも予防の必要性を伝え、一人一枚プレイマットを用意するなど、遊ぶ時も密集しないような空間づくりを行いました。その結果、音や視覚刺激に敏感な子が安心して遊べるようになったんです。三密対策が功を奏し、クラス全体が落ち着いた雰囲気に変わりました」(保育士Kさん)

 

【まとめ】コロナ禍で得たものも保育の財産に

 

色々な保育者の方に話を聞くと、コロナ禍はマイナスなことばかりでなく普段の保育を見直すきっかけになったという声も多くあがりました。また、職員同士でコミュニケーションを取る機会も増え、職場のチームワークも良くなったという園もあったようです。

 

大変な状況の中で保育をしながら、得た知識や経験をよりよい保育に繋げていこうと工夫している保育者がたくさんいると分かりました。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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