めぐみ先生の保育コラム

現役保育士に聞いた子どもたちの可愛いエピソード【3歳児編】

お友達との関わりが増え、遊びの幅が広がる3歳の子どもたち。そんな3歳児クラスの可愛いエピソードを現役保育士さんに聞いてみました!

 

ケンカのあとに……

「一緒に遊びたいけどうまく言葉でやりとりができない。そんな場面を3歳児クラスではよく目にします。K君とN君も電車のおもちゃで遊んでいた時に、駅を置く場所のイメージに違いがあったようで喧嘩になってしまいました。『大嫌い!』『あっち行って!』と激しいやりとりが始まったので、保育士が間に入ってクールダウン。気持ちが落ち着くと、また2人で遊び始めました。2人で肩を寄せ合って『一緒に電車に乗ろう』なんて話している姿が微笑ましくて、さっきの喧嘩が嘘のようでした」(保育士Fさんの経験談)

 

みんなで作ったクッキー

「食べることが苦手でいつも給食を半分以上残してしまうMちゃん。食べる楽しさを少しでも感じることができたらいいなと思い、みんなでクッキー作りをしました。調理スタッフにも保育に入ってもらい、美味しい作り方を伝授してもらったり一緒に生地をこねたりしました。Mちゃんも型を使ってクッキー作りに夢中になっていました。そして、おやつの時間には焼いたクッキーをみんなで試食。いつもはコップに唇を押し当てて麦茶をブクブクして俯いてしまうMちゃんも、自分が焼いたクッキーを宝物のように両手に持って笑顔でいただきますができました」(保育士Nさんの経験談)

 

ほめられてニッコリ

「3歳の子は排泄や手洗い、着替えなど生活習慣を身につける時期。お友達がやっているのを真似して一生懸命チャレンジしたり、先生の『すごいね!』の言葉でやる気が出たりします。クラスの中で比較的のんびり屋のYちゃんは、お箸の練習中。給食のおかずを上手にお箸でつまんだ後に先生の方をチラリと見たので『上手にできたね!お箸が使えるようになったのね』と褒めると、心から嬉しそうに笑いました。その笑顔の可愛いこと!褒められたかったのね、と私までニッコリしちゃいました」(保育士Gさんの経験談)

 

お兄ちゃんになったけど

「D君のおうちでは最近赤ちゃんが生まれました。D君は保育園に赤ちゃんの写真を持ってきて『妹の●●ちゃんだよ』と教えてくれました。お兄ちゃんになったことが誇らしいようです。その反面、やはり内心はちょっぴり複雑なようで……。登園してママにバイバイした後、パートの先生の膝の上で甘えたり、午睡の時間も抱っこをせがんだり。おうちでお兄ちゃんを頑張っている分、園ではなるべく甘えさせてあげたいと思い、たくさんスキンシップをするようにしています。お兄ちゃんだけど甘えていいんだよ、と伝えていくつもりです」(保育士Sさんの経験談)

 

1人ひとりに寄り添う保育で見えてくる姿

 

お兄さん、お姉さんらしさが出てくる3歳の子どもたち。発達の目安はあるものの、その姿は1人ひとり異なります。1人ひとりに寄り添う保育を行うと、子どもたちの思いに触れる瞬間がたくさんあるはずです。今どんなことを考えてるのかな?本当はなんて言いたいのかな?と考えながら、子どもたちが心から笑顔になる保育をしていきたいですね。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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