めぐみ先生の保育コラム

生命(いのち)の安全教育ってなに?

国による性犯罪・性暴力対策の一環としてスタートした生命(いのち)の安全教育。保育現場においても大切なテーマであり、職員間で共通意識を持って取り組んでいく必要があります。ここでは、生命(いのち)の安全教育について解説します。

 

生命(いのち)の安全教育について

令和2年、「性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議」において、「性犯罪・性暴力対策の強化の方針」が決定されました。文科省はその内容を踏まえ全国の学校において「生命(いのち)の安全教育」を推進しています。

 

文科省のホームページでは教材や指導の手引きをダウンロードすることができ、その中には幼児期の子どもたちを対象とした教材もあります。

 

幼児期の内容は「じぶんのからだ」「じぶんだけのだいじなところ」「いやなきもち」の3つ章に分かれています。自分の体が大切なものであり、大切にするためにはどうしたら良いかを考えたり、水着で隠れている部位を他者に見せたり触らせたりしないこと、触られたり見られたりして嫌なときに「いやだ」と言うことなどを指導します。

 

こういった内容を子どもたちに分かりやすく伝えるための動画やパワーポイントの教材が文科省のサイトで配布されています。

 

幼児期の子どもに体の大切さを伝えるには

子どもたちに体の大切さを伝えるためには、まず保育者が子どもの体を大切にすることが重要です。信頼関係のある大人から自分の体を大切にされていると実感することで「体は大切なんだ」と知り、自分の体も他者の体も大切にしようという気持ちが芽生えます。

 

保育の中では、「食事」「排泄」「睡眠」など子どもの体に関わる場面がたくさんあります。「お腹がすいた」「おしっこをしたい」「眠りたい」など、子どもの体の感覚を尊重し、必要に応じて不快を快に変えていくための援助をすることが保育者の役割と言えます。

 

まだ言葉で体の感覚を伝えることができない子どもたちもいます。そういった場合は子どもの体の感覚を代弁しましょう。言葉で表現する方法を習得することは、自分の体を嫌なことから守ることにも繋がります。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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