食物アレルギー児への対応は、子どもの健康と安全を第一に考えて進める必要があります。ここでは、大切なポイントをいくつかお伝えします。
生活管理指導表
食物アレルギー児への対応の際には、「生活管理指導表※」が重要な役割をはたします。これは、保護者がかかりつけの医師に依頼して書いてもらう書類で、アレルギーの原因食物や重症度、除去が必要なものが細かく記載されています。
とくに「より厳しい除去が必要なもの」には注意が必要です。重篤なアレルギーの場合は、この欄に医師のチェックが入ります。
園では生活管理指導表をもとに保護者と面談を行い、園での食事対応について検討する必要があります。
※こども家庭庁のホームページからダウンロード可能
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園の体制づくり
園では食物アレルギー児が誤食してしまうことを予防するために、適切な体制づくりが求められます。
- アレルギー対応委員会の設置
- 定期的な研修の実施
- 事故防止マニュアルの作成
- 適切な人員配置
- 事故が起こったときの対応を明確にする
- 施設長・看護師・保育士・調理師・栄養士・嘱託医・かかりつけ医との連携
上記のことに留意して、ぜひ体制を見直してみてください。
解除の際も注意が必要
症状が寛解しても、園や保護者の独断で除去を解除してはいけません。解除の判断は医師の指示に基づき、検討していく必要があります。
また、医師から除去解除の指示がおりたあとも家庭と情報共有を行い「家庭で何を食べられたか」をひとつひとつ確認しましょう。
たとえば、卵アレルギーの場合は火が通った卵焼きは食べられても、半熟の卵料理や加熱の弱い茶碗蒸しは食べていないかもしれません。
家庭でまだ食べていないものを園で与えることは避けましょう。
最新情報をチェックしよう
食物アレルギーの情報は常に更新され続けています。近年は、木の実類のアレルギーが増加傾向にあるという報告もされています。
最新情報にアンテナを張り、職員同士で共有することで、安全な食事支援が可能になります。
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佐藤愛美(さとうめぐみ)
保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。 保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。 |