めぐみ先生の保育コラム

ハロウィンの文化を子どもに伝えるには?

10月になると、街はハロウィン一色になりますね。ハロウィンといえば、仮装やお菓子交換のイメージが強いかもしれません。しかし、実はハロウィンは古代ケルト人が「秋の収穫を祝い、先祖の霊を迎える日」として過ごしていた祭りなのです。

 

今回は、「ハロウィンの文化的な側面を子どもたちに伝えるには?」という観点でお話します。

 

ハロウィンを通して広がる「世界の窓」

ハロウィンはもともと、11月1日の「万聖節(すべての聖人を祝う日)」の前夜祭として、悪霊を追い払うために仮装したり、火を灯したりしていたのが始まりでした。

 

こうした背景を知ると、「怖いおばけの日」ではなく、人々が季節や命を大切にしてきた日であることが分かります。

 

子どもたちにとって外国の文化に触れることは、世界のいろいろな考え方や風習を知る第一歩。ハロウィンは、まさに“世界の窓”になる行事です。

 

モチーフの意味を知ろう

 ジャック・オー・ランタンや黒猫、魔女など、ハロウィンには色々なモチーフがあります。仮装や製作に取り入れることもあるのでは?

では、なぜそういったモチーフが使われているのでしょうか。一つひとつの意味を知ることで、ハロウィンへの興味がより深まるかもしれませんね。

 

たとえば、ジャック・オー・ランタン(かぼちゃのランタン)には、「悪霊を追い払う」「道を照らす」という願いが込められています。

また、黒猫は古来より“守り神”と考えられていた地域もあります。

 

こういった豆知識を伝えると、子どもたちの「怖い」イメージが「ふしぎ」「知りたい」に変わっていくかもしれません。

 

保育に取り入れる工夫

異文化をテーマにするときに大切なのは、自分たちの文化とつなげて考えることです。

たとえば、日本にも“先祖を敬う日”としてお盆があります。「ご先祖さまにありがとうを伝える気持ちは、どの国にもあるんだね」と話すと、子どもたちは自然と文化の共通点に気づきやすくなるでしょう。

 

また、英語の絵本を取り入れて「外国の言葉であいさつしてみよう」といった活動もも一つです。

“Trick or Treat!”を真似するだけでなく、「どんな意味だろう?」と問いかけることで、ことばの背景にある文化や習慣に目を向けられます。

 

“人と人が文化を通してつながる楽しさ”を子どもたちが感じられるよう、保育の工夫をすることで、豊かな学びにつながります。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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