職場でヒヤリハットやミスが起きたとき、特定の個人を責める空気があると、問題の発見が遅れたり、重要事項の共有がされにくい職場になってしまいます。
保育の現場では、小さな気づきや違和感の共有こそが事故防止の鍵になります。今回は、ヒヤリハットを責めないの考え方を整理します。
ヒヤリハットを「失敗」ではなく「情報」と捉える
ヒヤリハットとは、大きな事故には至らなかったものの、危険につながりかねない出来事のことです。
重要なのは、それを個人の注意不足として終わらせないことです。
たとえば、子ども同士がぶつかりそうになった、遊具の配置で動線が重なっていた、声かけが届かず行動が止まらなかった。
これらは誰か一人の能力だけで起きるものではなく、環境やタイミング、人数配置など複数の要因が重なって起こります。
ヒヤリハットを「その人が悪い」で終わらせてしまうと、次からは報告しづらくなります。
しかし「なぜ起きたのか」をチームで検討すれば、同じ状況を繰り返さないための具体的な対策が見えてきます。
ヒヤリハットは、責任追及の材料ではなく、改善のための大切な情報なのです。
個人ではなく仕組みで考えてみよう

一般企業や医療の現場では、ヒューマンエラーは完全にはなくならないという前提で仕組みづくりが行われています。
人は誰でも間違える可能性があるという前提に立つことで、「どうすれば起きにくくできるか」という視点が生まれます。
これは、保育でも同じです。立ち位置を変える、見守りの役割を明確にする、物の配置を見直す、声かけのタイミングを共有する。こうした環境や動きの調整が、事故の予防につながります。
「気をつけましょう」で終わるのではなく、「どうすれば気をつけやすくなるか」を考えることに保育の専門性があります。
責めない文化が園の安心をつくる
ヒヤリハットを共有できる職場は、安心して働ける職場でもあります。
「こんなこと言っていいのかな」と迷う空気がなくなることで、小さな違和感が早い段階で共有されます。
保育はチームで行う仕事です。一人の完璧さよりも、互いの気づきを持ち寄れる関係性のほうが、結果的に子どもを守ることができるはずです。
ヒヤリハットを“責めない文化”で扱うことは、保育の安全を高めるだけでなく、職員同士の信頼を育てることにもつながります。
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めぐみ先生
元保育士。ライター歴10年。 子育てをしながら保育の記事を書いています。 保育現場で働く方や、保育者を目指している方に役立つコラムをお届けします。 |
