コラム・インタビュー 保育士の為のお役立ち情報

楽しく歌う♪ふうふ ケチャップマヨネーズ?

kechamayo_002

kechamayo_003「ケチャップマヨネーズ?」は、夫であるナオヒロさんが作曲とコーラスを、妻のサヤカさんがボーカルと作詞、イラストを担当する、夫婦で活動しているユニット、略して「ケチャマヨ」。

やさしい雰囲気の大きなイラストと、子どもは楽しく、大人はどこか懐かしくなってしまうような温かい歌を披露する出張コンサートを中心に活動しています。 中でも、幼稚園や保育園からの出張依頼は後を絶ちません。ケチャマヨのコンサートは、子どもたちが最初から最後まで飽きることなく夢中になってしまうとい う評判が評判を呼んでいるのです。
そんな「ケチャマヨ」のおふたりが11月20日(木)に青い鳥第2幼稚園(千葉市)にてコンサートを行った際、自身の活動についてインタビューしてきました。おふたりのお話から、子どもたちを笑顔にする方法が伝わってくるはずです。

 

<運命の出会い!「ケチャマヨ」誕生の瞬間>

kechamayo_004

サヤカ「川崎にあるチネチッタという場所でアートフェスタがあって、私がモノクロのイラスト集を販売していたんです。その日は雨だったこともあって、2冊しか売れなかったのですが、1冊は子どもが、もう1冊を買ってくれたのが彼だったんです」

ナオヒロ「僕はその頃、サラリーマン生活5年目を迎えた時期で、『このままでいいのかな』と今後の仕事や人生について考えている時期でした。ギターが好きだったので歌い手に憧れも抱いていましたが、作曲が出来てもなかなか詞が書けないし……と感じていたところに、彼女の詩と絵がバッと目に飛び込んで来たんです」

★お2人はもともとどんな仕事をなさっていたのでしょうか?

ナオヒロ「僕は、そういったアートやモノづくりに興味はあったので、アートフェスタ等に足を運んだりはしていたのですが、もともとは全くの理系で、現在の活動とは関係のない仕事をしていました」

サヤカ「私はもともと漫画家を目指していたのですが、漫画の学校に通っていた時期に、漫画家になっても自分の描きたいものが描けるわけではないという現実を知って、イラストレーターをしていました。ですが、時間や気持ちを一生懸命にかけて描いたイラストが、かなり安く買い叩かれてしまって…。そういった状況が続くにつれて、絵を描くことがトラウマになってしまい、描くこと自体が出来なくなってしまったんです。そんな時、自分の中のジレンマやモヤモヤを解消するために文章を書き始めました。昔から文章を書くことは好きだったのですが、文章を書くうちに詩が書けるようになり、『詩に合う絵が描きたい!』と思うようになって、ゆっくりではありますが、また絵が描けるようになっていったんです」

 

<サヤカさんの詩に、ナオヒロさんが曲を―>

サヤカ「それで、詩と絵を本にしてアートフェスタで販売し、これを最後に絵を描くことは辞めて何か新しいことを始めようと思っていたんです。そしたら彼が偶然その本を買ってくれて、感想のメールまでくれて。しかも、もう辞めようと思っていたのに『続きが読みたい』という風にも言ってくれたので、ボツにしていた詩を推敲したりして、2作目も出来上がったんです。
そうするうちに、彼が私の詩に曲をつけてくれるようになりました。すると、それまではモノクロの絵しか描けなかったのに、フワーっと色のついた絵が描けるようになっていったんです。きっと、彼の曲や詩が一つの世界となって、私の心を癒してくれたんでしょうね」

kechamayo_005

 

★素敵なエピソードですね。それでそれをWebで発表することになったのでしょうか?

サヤカ「色のついた絵が描けるようになって、今度はそれを誰かに届けたいと思いようになったんですね」

ナオヒロ「それで僕が、Webサイトで絵を発表したらどうだろうと思って。働きながらではありましたがWebサイトを作ってみたんです。そしたらその作業が 非常に自分に合っているように感じ、思い切ってWebデザイナーに転職しちゃいました。でも、Webデザイナーになったら、今度はその仕事自体が忙しくなってしまって。自分たちの活動よりも、Webデザインの仕事がハードになってしまい、どうしようかと考えているうちに、コンサートの仕事が入るようになってきたので、思い切ってケチャマヨの活動に専念するようになりました」

<お互いにないものを補い合う関係>

kechamayo_006★ケチャマヨの結成はとても自然な流れの中で生まれたんですね。

ナオヒロ「僕は、作曲は出来るけれど詩や絵が書けませんし、彼女は詩が書けるけど曲は作れない。そういった意味で、お互いが出来ないこと・得意なことがパズルのようにピタリとハマッたことで、やりたかったことを実現している気がしますね」

サヤカ「私も、実は小さいころ幼稚園の先生になりたいなと思ったことがあったんです。絵を描いて何かを伝えるために漫画家を目指していたこともそうですが、 詩を書いたり歌を歌ったりと、自分がやりたかった活動のすべてがミックスされたものがケチャマヨにあると感じています。
歌自体も昔から大好きで、中学校の合唱コンクールでも張り切っているタイプでした(笑)。高校時代は友人とカラオケを8時間歌ったりも。詩に関しても、小 学校の合唱コンクールで課題曲が他のクラスと重なってしまった時、どうしてもその歌を歌いたくて、本来はない「3番」の歌詞を書いたこともありますね」

 

★出張コンサートでは、はじめから幼稚園や保育園を対象にしていたのでしょうか?

ナオヒロ「コンサート活動を始めたとき、絵の雰囲気からだと思いますが、幼稚園や保育園から多くお声がけいただいたのがきっかけです。現在は、他にも障害者施設やシニア施設でも選曲を変えて活動しています」

★コンサートでは、最初から最後まで子どもたちが夢中になっている姿が印象的でした。子どもたちを飽きさせないために意識していることや、その秘訣についてお聞かせください。

サヤカ「そうですね、一つ挙げるとすれば、私が実際に、子どもたちと同じ年齢のころに感じてきた“感覚”を大切にしていることかなと思います。たとえば、 「どんぐりころころ」を聴くと悲しい気持ちになったことや、妙な子供だまし的な演出に反発を感じたりしたことを何故かよく覚えているんです(笑)そういったことを、今の活動に活かしていることが、子どもたちが飽きずに最後まで夢中になってくれている理由の一つかなと思います」

 

★子どもたちの日常を歌った身近な歌も多いですよね。

サヤカ「私が学童保育のアルバイトをしていたこともあって、子どもたちとの触れ合いを通して感じたことを詩に書いたりしていますね。子どもとの触れ合いの中で、『これは伝えなきゃ!』と思ったことを詩にして伝えたり、子どもたちの視点で見えた大人にはない気持ちを歌ったり…」

ナオヒロ「あと僕たちの歌は、日常を歌ったものが多いので、子どもたちも入り込みやすい雰囲気を作ることも意識しています。たとえば衣裳も、いかにも “歌手”のような服装でなく、身近な存在として感じてもらえるような服装にしたり、使う楽器も子どもたちに馴染みのあるものを使っています」

kechamayo_007

★今日のコンサートでもカスタネットを使った演奏がありましたよね。

ナオヒロ「子どもたちがよく知っている楽器を使うことで、たとえばコンサートの後もその楽器で思い出して楽しんでもらったり、先生方にもこの楽器でこんな演奏ができるんだ、という風に感じていただけたらと思っています」

★歌の詩は、どのように作られているんでしょうか?また曲作りにおいて意識されていることはありますか?

サヤカ「詩は、日常生活の中で感じたことや伝えたいことが、ある時熟して、一つの実になるような感じで生まれます。なので、『さぁ書こう』として書いているわけではないので、自分の中で溜められたものが実った時に生まれるという感じです」

★なるほど。だからこそ、一つ一つの詩に心が込められているように感じるんですね。

サヤカ「詩は本当に彫刻のようなもので、伝えたい言葉たちの中から、余分なものをそぎ落としていくようなイメージです。あふれてきた言葉の中からキラリと光る宝物のような言葉だけを拾い上げているというか…」
ナオヒロ「僕は作曲する際、“流行歌”を作りたいわけではないので、子どもが大人になっても口ずさめるような心に残る曲を目指して作っています」

 

★ケチャマヨのコンサートではやさしい絵も印象的ですが、絵はどのように描いてるんでしょうか?

サヤカ「最近は、音楽を聴いてからイメージや世界観が沸いてきて絵を描くことも多いですね。曲にもよるんですが、詩を書くと同時に絵が生まれることも多いです」

ナオヒロ「あとは、僕も隣で彼女が描いているスケッチブックの絵から受ける印象で、曲のイメージが沸いて来たりすることもあります。曲やその時の状況によって、絵も生まれてくるという感じです」

kechamayo_008

<「ケチャマヨ」だからこそ出来ること>

★さまざまな出張コンサートをなさっていますが、これまでのコンサートで印象に残っているエピソードを教えてください。

サヤカ「そうですね……いま頭に浮かんだのは、新潟の雪まつりで歌ったコンサートです。歌い終わった後、お祭りの前夜祭だったので、雪が舞っている夜空に花火があがったんです。それを見たときに、ケチャマヨの活動を通してでしか見られない景色を見ることが出来ることに歓びを感じて、歌を続けることや出張コンサートを続けていくことの素晴らしさを感じました」
ナオヒロ「僕たちは決して有名ではないので、『コンサートをやります』といってもお客さんがたくさん集まるわけではありません。ですが、僕たちが園に出向けば、たとえばそこに100人の子どもたちが待っていてくれる、ということが僕たちが活動を続けていけるパワーの源になっているのだと思います。その光景を見ることで、また新しい曲が生まれたりしています」
 

★最後に、今後の目標についてお聞かせください。

kechamayo_013サヤカ「大きな夢なのですが、日本全国はもちろん、世界の人たちに私たちのコンコートの楽しさをお届けしたいと考えています。
先日、海外のお客さまもいらっしゃる公民館でのコンサート活動があったのですが、いま詩の翻訳も進めているところです」
ナオヒロ「商業音楽が多いなか、音楽は若者だけのためではないと思っているので、これからも小さい子どもから高齢の方にまで楽しんでいただけるような音楽をお届けしていけたらと思います」

 

 

2014.11.20

取材:谷津沙夏

 

「ケチャップマヨネーズ?」とは?
kechamayo_014
「ケチャップマヨネーズ?」は、2007年より活動している夫婦ユニット。略して「ケチャマヨ」の愛称で活躍中。ユニット名の由来は、“大人も子どもも大好きで毎日食べても飽きない手作りの温かい音楽を”という願いを込め、家庭の懐かしい味を想像させる「ケチャップ」と「マヨネーズ」から。
夫であるナオヒロさんが楽曲の作曲・編曲をはじめ、ギターやピアノの演奏・コーラスを担当、妻であるサヤカさんは、ケチャマヨのコンサートでは欠かせないイラスト製作、楽曲の作詞、ボーカルを担当。幼稚園や児童館・さまざまな施設等に出張して行うファミリーコンサートを中心に活動している。

【「ケチャップマヨネーズ?」 ホームページ】 http://kechamayo.jp

-コラム・インタビュー, 保育士の為のお役立ち情報

© 2011 保育パートナーズ