めぐみ先生の保育コラム

押さえておきたい!運動機能の発達のポイント

 

乳幼児期の子どもたちは運動機能の発達が目覚ましく、発達に伴ってできる動きや遊びの幅が広がってきます。

今回は「はいはい」「歩行」「手指」の運動機能に焦点を当て、子どもたちの運動機能の育ちの目安について解説します。

 

「はいはい」の運動機能

赤ちゃんは生後6ヶ月頃になると、腹ばいの状態で手足を前や横に動かし始めます。気になるものがあると、積極的に手を伸ばして掴み取ろうとする姿が見られます。また、大人が支えてお座りの体勢で遊ぶことを喜ぶことも。

 

その後、寝返りを覚え、ハイハイで前進するようになります。

生活の中に腹ばいで過ごす時間を取り入れることで、はいはいの運動に必要な筋肉の育ちを促すことができます。目の前に興味のあるおもちゃを置いたり大人が声をかけること、腹ばいで前に進もうとします。

 

また、ハイハイの姿勢は最初から高ばいではなく成長に伴い変化します。

最初は下半身をぺたっと床につけ、足の親指で床を蹴って進もうとします。

次はひざをつくようになり、四つ足の動物のように全身の筋肉を使って高ばいで進むようになるのです。

 

「歩行」の運動機能

生後11ヶ月頃になると、つかまり立ちやつたい歩きをする姿が見られるようになります。

部屋中の探索をするようになり、気になるものは何でも掴んだり口に入れようとしたりするので目を離さないことが大切です。

 

1歳3ヶ月頃には足で体を支え、最初の一歩を踏み出します。ただし、ハイハイや歩行のペースには個人差があります。1人ひとりのペースや身体的な特徴を見て、育ちを促していく保育をしましょう。

 

2歳が近づくにつれて、足取りがしっかりしてきます。バランスを崩して転ぶこともありますが、自分の力で立ち上がれるようになります。次第に転ぶ回数が減り、階段の上り下りもできるようになります。

歩行が安定したら、走ったり跳んだり、より複雑な動きができるようになり全身を使った様々な運動遊びを楽しめるようになります。基礎的な運動能力が育ってきたら、体の柔軟性やバランス感覚を高める遊びも取り入れてみましょう。

 

5歳頃には大人とほぼ同等の動きが可能になり、道具を使った遊びや持久力が必要な運動もできるようになります。

 

「手指」の運動機能

 

1歳頃になると、両手を使って物をひっぱったり、つまんだりするあそびを楽しむようになります。2歳が近づくにつれて、「絵本を見ながらページをめくる」「転がってくるボールをキャッチする」など、目と手を協応させた動きができるようになります。

 

絵を描く活動を取り入れる時には手指の発達だけに着目しがちですが、「描く」動きの育ちには肩の発達も関係しています。肩が発達し、しっかりと回せるようになると円を描けるようになるのです。

4歳を迎える頃にははさみを使えるようになり、絵を描くこと以外にも工作や調理にも取り組むことができます。

 

子どもたちの手指の発達を捉え、紐を結んだり雑巾を絞ったりする動きを日常の中に取り入れていくようにしましょう。

 

その子の運動機能の発達に合った働きかけを

「●歳だからこんな動きができる」という知識を身に着けると同時に、「この子はどんな動きができるのか(得意なのか、苦手なのか、好きなのか など)」という点をよく観察し、その子に合った働きかけを考えていきたいですね。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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