めぐみ先生の保育コラム

ドキュメンテーションを作成しよう(後編)

保育のエピソードと保育者の気づきをまとめた「ドキュメンテーション」という記録の手法については前編で解説しました。

 

後編では、ドキュメンテーションを作成するときのポイントについてお伝えします。

 

ドキュメンテーションを作成するときのポイント

1 短時間で作成しよう

子どもたちの姿を細やかに記録に残そうという思いから、数時間かけて立派なドキュメンテーションを作成する必要はありません。業務負担が増えてドキュメンテーションの作成が続かなくなってしまうのは本末転倒。最初はプリントした写真の横に簡単なメモを付け加えることから始めてみましょう。慣れてきたらレイアウトを工夫したり、読む人を惹きつける見出しを添えて、伝わりやすいドキュメンテーションを目指します。

 

2 午前も午後もまんべんなく

連絡帳や掲示板に子どもたちの姿を書く時、午睡時間に作業をする関係上、どうしても午前中の姿ばかりに偏ってしまうことが多いものです。ドキュメンテーションは単なる記録や報告ではありません。次の保育に活かしたり、保育者の子ども理解を深めるために必要なものです。そのため午前も午後も偏りなく記録をつけたいですね。午睡時にドキュメンテーションの記録をまとめる場合は、午後に起こった出来事は翌日のドキュメンテーションのスペースを使ってしっかりと記録すれば良いと思います。

 

3 みんなの目に留まる場所に掲示しよう

ドキュメンテーションは保護者や子どもたちがいつでも見ることができる場所に掲示します。子どもたちに見やすい高さ、読みやすい文字の大きさ等にも配慮しましょう。過去のドキュメンテーションもファイルにまとめていつでも開くことができるように保管しておくと良いですね。

みんながいつでもドキュメンテーションを見られることで、「〜ちゃんは4月の頃に比べて遊び方が変わってきたね」「家でもこんな風に遊んでみます」など読み同士の対話が生まれることが期待できます。

 

 

振り返り、さらに良い保育へ

ドキュメンテーションを作成した後は掲示して保管して終わりではなく、ぜひ次の保育を考える際の材料にしてみましょう。子どもの姿に対し、自分はどのように働きかけていたか、その時の子どもの表情や言葉、反応はどうだったか。写真とエピソードを記録したドキュメンテーションなら、細やかな振り返りが可能です。

ドキュメンテーションを丁寧に作成し、丁寧に振り返ることは保育力の向上にも繋がるはずです。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

-めぐみ先生の保育コラム

© 2011 保育パートナーズ