めぐみ先生の保育コラム

抱っことおんぶのポイント

乳児クラスでは子どもたちを抱っこやおんぶする機会は多いと思います。

抱っこ紐には様々なタイプのものがあり、どれを使ったら良いの?と迷ってしまう保育者や保護者は多いようです。

 

ここでは保育の基本に立ち返り、抱っことおんぶのポイントや、おすすめのおんぶ紐についてお伝えします。

 

抱っこのポイント

抱っこの方法を間違えると大人が腱鞘炎になってしまうことがあります。慣れていないと手で全身を支えようとしがちですが、ポイントは腕で支えること。脇をしっかりと締めて子どもの体全体を包むようにします。手はそっと添えるくらいがちょうど良く、長時間の抱っこでも疲れにくくなります。

 

家庭では抱っこ紐を使用することで子どもを抱きながら外出や家事がしやすくなりますが、子どもが自らしがみつく力を養うためには極力抱っこ紐は使わずに素手で抱っこするほうが良いと言われています。

園では子どもをずっと抱っこ紐の中に入れて保育者が事務仕事に没頭したり、他の子の遊びを見守ったり、というのは避けるようにしましょう。

 

おんぶのポイント

おんぶをするのは首がしっかりと据わってからにしましょう。保育者が少し前傾気味の姿勢をとることで、子どもはゆったりと寄りかかることができます。

 

おすすめのおんぶ紐は体の前で紐をクロスして縛る昔ながらのタイプ。簡単に調節できるので、どの先生が使用しても子どもと密着することができます。また、子どもの足がM字に開き、保育者の腰に巻きつくように調整しましょう。

 

おんぶをしながら子どもが寝てしまったら、そのまま寝かせておくのではなく紐を外して布団におろします。ずっと同じ姿勢が続くことで筋肉が固まってしまったり、夏場は熱がこもりやすくなります。

 

家庭と園では重視するポイントが異なる

 

 

子どもの育ちを第一に考えた場合は、今回ご紹介したような方法やおんぶ紐を取り入れることがおすすめですが、家庭と保育園では環境や事情が違うため、重視するポイントも異なります。

 

家事や仕事をしながら育児をしている保護者にとっては、おんぶ紐よりも抱っこ紐を使ったほうが負担が減る場合もあります。大人のライフスタイルや体格に合わせて海外製のアイテムを選ぶこともあるでしょう。特に現在はリモートワークが増え、家の中で仕事をしながら子どもの世話も同時に行う人が増えています。そうなると、「大人の負担軽減」は無視することができないポイントです。

 

抱っこやおんぶに限らず、園の中で行なっている方法をそのまま伝えるだけでなく、各家庭ごとのニーズに寄り添ってアドバイスをすることも、保育のプロとして必要なのかもしれませんね。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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