めぐみ先生の保育コラム

着替えの援助の工夫【4・5・6歳児編】

4〜6歳の子どもたちは、身のまわりのことを自分でできるようになり、他の友達や年下の子の着替えを手伝おうとする姿も見られます。保育者はどのような援助をしたらよいでしょうか。

 

着替えの援助の工夫【0・1歳児編】はコチラ

着替えの援助の工夫【2・3歳児編】はコチラ

 

4〜6歳、年齢ごとの「着替え」のねらいは?

発達段階ごとに活動のねらいは異なります。4歳と5・6歳に分けて、それぞれのねらいを考えていきましょう。

 

4歳:一人で着替えることができ、衣類をたたんでバッグやロッカーにしまう習慣を身につける。裏表に気づいて直すなど「服をきちんと着たい」という気持ちが芽生える。「寒いから厚着をしよう」「汗をかいて気持ち悪いから着替えよう」など、着替えのタイミングを自分で考える。

 

5〜6歳:衣類の調整の判断を自分で行い、保育者が促さなくても着替えるタイミングに自ら気付く。プールの後は自分で体を拭く。ひもやリボンを結ぶ練習をする。鏡を見て自分の身だしなみをチェックする習慣を身につける。

 

子どもの自主性を尊重する

4〜6歳の子どもたちは、保育者が援助しなくても自分で着替えができるようになります。必要に応じて着替えのタイミングを知らせたり、衣類の管理の仕方を伝えたりしながら、自ら着替えようとする姿を見守りましょう。保育者は子どもたちの意欲を認め、自信に繋がるような言葉を掛けましょう。

 

やる気が起こらないときは適切な働き掛けを

自分で着替えることができるようになっても、面倒になって着替えを嫌がったり、「先生がやって」と甘える姿が見られるときもあります。その子の気持ちを受け止めつつ、「時計の針が3になるまでに着替えられるかな?ヨーイドン!」とゲーム感覚で楽しく着替えを促したり、「着替えが終わったらお外で遊べるよ」と次の楽しみを伝えてモチベーションを高めたり、工夫してみましょう。

 

子どもたちが自分で気づいて行動できるような配慮

着替えるタイミングや、正しい衣類の着方を子どもたちが自分で考えて行動できるようにすることが大切です。「シャツが裏表逆だよ!先生が直してあげるね」と保育者が着方の間違いを指摘して服を直してしまうのでは、子どもたちの学びに繋がりません。

「マークが背中のほうにあるよ。なんでかな?」などと、子どもが自分で気づけるように言葉を掛けることがポイントです。また、直接的な援助はしなくても、見守ることと認めることは大切です。「先生が見守って、認めてくれた」という事実は、子どもたちの自信に繋がっていくでしょう。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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