めぐみ先生の保育コラム

【新人保育士あるある】「先生やって!」と甘える子への対応

 

子どもたちと信頼関係ができてくると、「○○先生やって!」と保育士に甘えてくる子の姿も見られます。信頼して頼ってもらえるのは嬉しいことですが、子どもたちが成長するためにも、どこまで手を貸すべきかは悩むところではないでしょうか。

 

今回は、そんな「新人保育士あるある」な事例と対応についてお話します。

 

「できないからやって」と甘えてくる子

<事例>

 

着替えの時や靴を履く時、何でも自分でやりたい!と主張する子がいる一方で、「先生、できないからやって」と甘えてくる子もいます。トイレの前でパンツを履かずにゴロンと寝転がった子に「先生、おねがい〜」と呼ばれたりすることも。 そんな時に次の活動が控えていたり、他の子の対応も同時に行なっていたりすると、保育士の焦りは募ります……。

 

<対応>

 

こういった場面では、年齢はもちろん1人ひとりによって適切な対応が異なります。

 

例えば、まだ着替えをスムーズにできない2歳〜3歳の子がパジャマを持って「できない、やって」と伝えてきた時には「いいよ、じゃあ先生がボタンを半分とめるの手伝うね」とか「先生がズボンをお手伝いするから、シャツは自分でやってみようか」など、保育士が一部分のみ手伝うことで、子どもが自分で経験する機会を作ります。

 

「やってあげる」「やりなさい」ではなく「お手伝いするよ」「半分だけ一緒にやってもいい?」という言葉を使うことで、行動の主体を子ども自身にすることも大切です。

 

ボタンを1つ留めただけでも、子どもが自分でできたことに関しては「上手にできたね」「頑張ったね」と行動を認めて喜びを共感しましょう。

 

一方で、保育士がすべて手を貸したほうが良いケースもあります。 例えば、いつもは1人で何でもできる年長児の子が「先生、帰りの支度をやって」と甘えてきた場面。

 

「年長さんなんだから、自分でやろうね」と促すのも間違いではありません。しかし、自分でできることを保育士にお願いするということは、何か他のことを訴えたい可能性があります。そういった場合は、年齢に関係なく甘えを受け止め、気持ちに寄り添うことも大切かと思います。

 

 

<ヒント>

 

子どもたちの甘えを受け止め、どこまで手を貸すかの判断に正解はありません。マニュアルにも書いてありません。 日々、子どもたちと関わりながら姿を観察したり、家庭での姿やその日の体調、最近の遊びのブームまでたくさんの情報を網羅することで「その子にとって適切な関わり」を考えることができるのだと思います。

 

子どもたちの意欲を刺激するアプローチの引き出しを増やすと同時に、その子の行動の背景にある気持ちを読み取れるような視点を養いましょう。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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