めぐみ先生の保育コラム

子どもたちの「なんで?」に答えてみました

「なんで空は青いの?」「どうして虫は小さいの?」

子どもたちの素朴な疑問は、日々の保育のなかで突然やってきます。

時には笑ってしまうような質問も、思わず「それ、私も知りたいな」とうなるようなものも。

今回は、保育者の“日常あるある”から、子どもたちの疑問と向き合ったエピソードをご紹介します。

 

「なんでおばけは夜に出るの?」

3歳児クラスのお昼寝明け、ふとした会話の中で出た質問。怖がらせたくないけれど、想像の世界も大事にしたいと思い「夜は静かだから、おばけも出やすいのかもね。でも昼間も楽しいことしてたら、おばけはびっくりして逃げちゃうかもよ」と返すと、子どもたちは「じゃあいっぱい笑おう!」とにっこり。想像の世界も、前向きに楽しむきっかけになりました。

 

「なんでカブトムシはつよいの?」

虫好きの4歳の男の子が真剣な顔で尋ねてきました。「力持ちだからじゃない?」だけじゃ物足りなさそうだったので、一緒に図鑑を開いて、足の形やツノの役割を観察。「強いのにはカブトムシの体に秘密があるからだね」と盛り上がり、その後は“カブトムシごっこ”に発展。好奇心が遊びにつながりました。

 

「なんでアリはおしごとばっかりしてるの?」

お散歩中、地面をせっせと歩くアリを見て2歳児がつぶやいた一言。

「アリさんはみんなで力を合わせるのが得意なんだよ」と伝えると、「でもお昼寝しないの?」と返され、思わず笑ってしまいました。

「アリさんも夜はおやすみしてるかもね」と話すと、子どもたちも納得した様子で観察を続けていました。

 

「なんで雨はやまないの?」

外遊びができず、ちょっと不機嫌な子どもたち。天気の仕組みは難しいけれど、「お空の水たまりがいっぱいになったら止むよ」「雲が涙を流してるのかも」と、イメージしやすい言葉で返すと、子どもたちは空を見上げて「もう少しで晴れるかな?」と笑顔になりました。

 

子どもの疑問が保育のタネになる

子どもたちの「なんで?」には、必ずしも正解を急がなくていいのかもしれません。一緒に調べたり、想像の世界を広げたり、日常の気づきにつなげたり。素朴な疑問こそ、子どもと保育者が一緒に学び、楽しむタネになります。

子どもたちの「なんで?」に、ちょっと立ち止まって耳を傾けてみませんか。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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