めぐみ先生の保育コラム

着替えの援助の工夫【2・3歳児編】

2・3歳の子どもたちは、保育者の援助を受けながら少しずつ自立に向かっていく時期にいます。基本的な生活習慣も身につき、「自分で着替えをしよう」という意志が芽生えます。保育者はどのような援助をしたらよいでしょうか。

 

着替えの援助の工夫【0・1歳児編】はコチラ

着替えの援助の工夫【4・5・6歳児編】はコチラ

 

2歳と3歳、年齢ごとの「着替え」のねらいは?

発達段階ごとに活動のねらいは異なります。2歳と3歳、それぞれのねらいを考えていきましょう。

 

2歳:保育者や他の子の姿を真似て自分で着替えができるように練習する。保育者に甘えたい気持ちと、自分でやりたい気持ちの両方を受け止めてもらいながら、着替えの自立に向かう。また、服を畳んだりボタンを留めたりすることにも興味を持ち始める。

 

3歳:自分で着替えを準備し、一人で着替えられるようになる。苦手な部分は保育者の援助を受けながら、できることは自分で行い達成感を味わう。全身のバランスがとれてくる時期なので、立ったままズボンをはく練習も行う。服の左右や裏表を理解し、正しく着脱しようと考える。

 

意欲を認め、甘えの気持ちを受け止める

「自分でやりたい!」という意欲が強くなるこの時期。一生懸命着替えようとする姿を認め、必要に応じて手助けをしましょう。何度やっても上手くできず、「先生やって」と甘える姿が見られることもあるでしょう。そんなときには甘えの気持ちを受け止め「先生と一緒にやってみようか」「上手にできたね、次はきっとできるよ」などと励ますことが大切です。

 

遊びの中で動作を覚えられるようにする

マジックテープやボタンがついた玩具を遊びに取り入れることで着替えの練習になります。手指をたくさん動かす遊びを考えてみましょう。また、着替えをするときには身体のバランス力も必要。着替えには片足で立ったり、両手を大きく上にあげたりする動作があります。全身をダイナミックに使う遊びを通して身体のバランスを養えるようにしましょう。

 

着替える意欲が育つ環境構成を

「自分でやってみよう!」という意欲を育むためには保育室のレイアウトも重要。ロッカーなど決まった場所から衣類を持ってきて着替えるまでの動線をイメージし、保育環境をつくっていきましょう。

また、着替える場所は十分なスペースが確保できているでしょうか。友達と体がぶつかり合う窮屈なスペースだと着替えがしづらくなってしまいます。全員が着替えるスペースを確保することが難しい場合は、何人かのグループに分かれて交代で着替えができるようにするのもおすすめです。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

-めぐみ先生の保育コラム

© 2011 保育パートナーズ