保育士は「大変な仕事」と言われることが多い職業ですが、具体的にどのような点が負担になっているのか気になっていませんか。
実際には、子どもとの関わりだけでなく保護者対応や事務作業など、さまざまな負担が重なる仕事です。
本記事では、保育士が大変だと感じやすいポイントを整理し、働く環境による違いも分かりやすく解説します。
自分に合った働き方を考えるための参考として、ぜひ最後までご覧ください。
保育士の仕事で大変なことは?

保育士の仕事にはやりがいがある一方で、以下のような大変さも伴います。
- 子どもとの関わり方に悩む
- 保護者対応の難しさ
- 職場の人間関係
- 事務仕事が多い
- 残業や持ち帰り仕事が多い
- 休憩時間が取りにくい
- 体力的にきつい
- 休暇が取りにくい
- 給料が少ないと感じやすい
それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。
子どもとの関わり方に悩む
子どもは一人ひとり発達段階や性格が異なるため、関わり方に悩む保育士も多く見られます。
例えば、集団活動に参加できない子や指示が伝わりにくい子への声かけに迷う場面もあり、対応に戸惑うことがあります。
また、安全管理の責任も重く、常に周囲に注意を払いながら対応する必要があります。
適切な関わり方を見つけるには経験と知識が求められるため、特に経験の浅い保育士ほど大変だと感じやすいでしょう。
保護者対応の難しさ
保護者対応の難しさも、大変な仕事だと感じやすい場面の一つです。
保護者ごとに子育ての考え方が異なるため、園の方針と合わない場合にはクレームにつながることもあります。
また、子どものけがや対応に対して不満を持たれるケースや、細かな要望への対応を求められる場面もあり、気を配り続けることも負担となる要因です。
丁寧なコミュニケーションを継続する必要があるのが、保護者対応の難しさといえるでしょう。
職場の人間関係
職場の人間関係も、保育士が大変だと感じる要因の一つです。
保育士はチームで連携する場面が多いため、価値観の違いが表面化しやすく、意見の対立が生じることもあります。
また、保育士は連携が求められる仕事ですが、人間関係が円滑でない場合は業務に影響が出る可能性もあり、気を配りながら働く必要があります。
円滑なコミュニケーションが求められる一方で、人間関係に負担を感じやすいのが課題だといえます。
事務仕事が多い
保育士は保育だけでなく、連絡帳や保育計画の作成、行事準備などの事務業務も日常的に発生します。
保育日誌の記入やお便り作成には正確さと一定の時間が求められる一方で、日中は子どもへの対応が中心となるため、事務作業に充てる時間を確保しにくいのが実情です。
日によっては業務が時間外に及ぶこともあり、負担が大きく感じられる場面もあります。
残業や持ち帰り仕事が多い
勤務時間内に業務が収まらない場合は時間外での対応が必要となるため、残業や持ち帰り仕事が発生しやすいのも負担になります。
特に行事準備や制作物の作成はまとまった時間を要することが多く、日中に対応しきれない場合は勤務時間外に作業する場面も見られます。
その結果、自由に使える時間が限られてしまい、仕事とプライベートのバランスが取りにくいと悩む保育士も少なくない状況です。
休憩時間が取りにくい
保育士は、業務の特性上、休憩時間を確保しにくい傾向がありますが、その背景には人員体制や業務の特性が影響しています。
保育中は子どもから目を離せないため、状況によってはまとまった休憩を取りにくく、休憩時間中であっても対応が必要になるケースが見られます。
さらに急な対応やイレギュラーな業務が発生すると、落ち着いて休めないと感じる場合もあるでしょう。
休憩時間を十分に確保しにくい状況が続くと日々の疲れが抜けにくく、負担につながります。
体力的にきつい
保育士は日常的に身体を使う業務が多く、体力的なきつさを感じやすい仕事です。
子どもの抱っこやおんぶ、外遊びの見守りなど負荷のかかる対応が多く、特に乳児クラスではこうした場面が増えるため、体力を消耗しやすくなるでしょう。
加えて、屋外と室内を行き来する活動や、季節や天候に左右される環境の中での対応も多く、一定の体力を維持することが求められます。
長時間動き続けることで疲れが蓄積しやすく、業務中に負担を感じる場面もあります。
休暇を取りにくい
休暇の取得に気を使いやすい点も、保育士の大変さとして挙げられます。
担任制を採用している園では担当業務の引き継ぎや調整が必要となり、周囲との兼ね合いから希望どおりに休みを取りにくいと感じる場面もあるでしょう。
制度として休暇は整えられているものの、取得のしやすさは職場環境によって差が出やすく、無理なく休める体制かどうかは確認しておきたいポイントです。
給料が少ないと感じやすい
保育士は、仕事内容や責任の重さに対して給料が見合わないと感じることがあり、収入面で不満を抱きやすい職種といえます。
子どもの命を預かる責任に加え、保護者対応や書類作成など幅広い業務を担う必要があるため、負担の大きさに対して給与が十分ではないと感じる人もいるでしょう。
こうしたギャップが将来への不安につながり、働き方を見直すきっかけにもなります。
処遇改善に向けた取り組みは進められているものの、現場での実感には差があり、長く働き続けるうえでの課題となっています。
保育士の大変さは園によっても異なる

保育士の大変さはどの園でも同じではなく、施設の種類や規模、運営方針、人員配置などによって感じ方が変わります。
同じ保育士の仕事でも、人員に余裕のある園では業務を分担しやすく働きやすさを感じやすい一方で、人手が不足している環境では一人あたりの負担が増えやすくなります。
ここでは、園によって異なる保育士の大変さについて解説します。
園の規模や種類による違い
保育士の負担は、園の規模や施設の種類によって大きく変わります。
施設ごとに配置基準や保育形態が異なるため、同じ保育士の仕事でも働きやすさや業務量に差が生じます。
認可保育園や認定こども園では年齢ごとに配置基準が定められており、一定の人員体制が確保されている点が特徴です。
一方で、認可外保育施設は保育時間や運営形態によって体制が異なり、少人数で対応する場面も見られます。
また、小規模保育や家庭的保育では子どもとの距離が近い反面、保育士一人あたりの責任が大きくなりやすい傾向があります。
施設の違いが働きやすさや負担の感じ方に関わるため、園ごとの特徴を踏まえて検討することが大切です。
運営方針による働きやすさの差
保育士の働きやすさは、園の運営方針によっても左右されます。
同じ配置基準であっても、実際の運用や考え方によって業務量や負担の感じ方に差が生じるからです。
配置に余裕を持たせている園では業務を分担しやすく、一人あたりの負担が軽減されやすい傾向があります。
一方で、人員に余裕がないまま運営している場合は業務が偏りやすく、残業や持ち帰り仕事につながることもあるでしょう。
また、ICTの導入や業務効率化に積極的な園では、記録や書類作成の負担が軽減されやすいのも特徴です。
運営方針の違いも日々の働きやすさに影響するため、職場選びの際には方針や体制を確認しましょう。
人員配置で負担が変わる
人員配置の状況によっても、保育士の負担は大きく変わります。
配置基準はあくまで最低限の人数であり、実際にどの程度の余裕を持って配置されているかによって、日々の業務の進めやすさに差が出ます。
余裕を持った配置が行われている園では業務を分担しやすく、落ち着いて保育に向き合いやすくなります。
一方で、基準に近い人数で運営している場合は業務が集中しやすく、日々の対応に追われやすい傾向があります。
人員配置は働きやすさを左右するポイントとなるので、あわせてチェックしておきましょう。
保育士の大変さはなぜ見えにくいのか
保育士は大変な仕事ですが、その実態は周囲に伝わりにくいかもしれません。
ここからは、大変さが見えにくい理由を具体的に解説します。
子どもと遊ぶ仕事というイメージが強い
保育士の大変さが見えにくい理由の一つに、「子どもと遊ぶ仕事」というイメージの強さがあります。
園や散歩中に子どもたちと関わる姿が目に入ると、楽しそうな仕事に見られることもあるでしょう。
しかし、遊びの中でも子どもの発達を意識した関わりが求められるほか、転倒や事故を防ぐための注意力も欠かせません。
見た目の印象と実際の業務とのギャップが、大変さが伝わりにくい理由といえるでしょう。
見えない業務(書類・準備)が多い
保育士の大変さが理解されにくい理由として、外から見えにくい業務の多さも挙げられます。
特に指導計画や連絡帳の記入、行事準備などの業務は外部からは見えにくく、実際の負担が伝わりにくいでしょう。
日案や月案の作成では子どもの発達や興味、天候などを踏まえて内容を組み立てる必要があり、準備には一定の時間と手間がかかります。
こうした見えにくい作業が多いことが、保育士の大変さを実感しにくい理由の一つといえるでしょう。
感情労働であることが理解されにくい
保育士の仕事は感情労働であるにも関わらず、その大変さは十分に理解されていません。
感情労働とは、自分の感情をコントロールしながら相手に適切に対応する働き方のことです。
保育士は子どもに安心感を与えつつ、叱る場面でも感情的にならない対応が求められます。
また、保護者対応では冷静さと共感のバランスが必要となり、状況に応じた受け答えが必要です。
日々の対応では感情を抑える必要があるため、精神的な負担につながりやすくなります。
大変な仕事でも保育士を続けられる理由

保育士は大変な仕事でありながら、長く続けている人も多い職種です。
ここでは、保育士を続けられる理由を具体的に解説します。
子どもの成長を身近で感じられる
保育士の大きなやりがいは、子どもの成長を間近で実感できることです。
乳幼児期は発達の変化が大きく、言葉が増える、友達と関われるようになるなど、日々の関わりの中で変化を感じやすい時期です。
こうした変化を継続的に見守れるため、成長の過程に関わっている実感を得やすいのも特徴といえます。
経験が積み重なることで、仕事に対する充実感や前向きな意欲を持ちやすくなるでしょう。
日々感謝される
保育士が仕事を続けられる理由に、日々感謝される点も挙げられます。
保育士は子どもの成長を支えるだけでなく、保護者が安心して子どもを預けられるよう支援する役割も担っています。
日々の関わりや情報共有を通して信頼関係が深まり、感謝の言葉をかけられる場面も少なくありません。
自分の関わりが役立っていると実感できることが、仕事へのやりがいになるでしょう。
イベントでの達成感
行事を通して得られる達成感も、保育士がやりがいを感じる要因の一つです。
運動会や発表会などの行事は、企画から準備、当日の運営まで関わる必要があり、大変だと思う場面も多いでしょう。
しかし、準備の過程で試行錯誤を重ねる分、子どもたちが楽しむ様子や成長した姿を見たときには、取り組んできた内容が形になった実感を得やすくなります。
こうした経験の積み重ねが自信につながり、仕事に対する前向きな姿勢を保ちやすくなるでしょう。
保育士の大変さを軽減できる職場の特徴
保育士の大変さは職場環境で左右されるため、自分に合った環境を選ぶことが働きやすさを高めるポイントです。
ここからは、大変さを軽減しやすい職場の特徴を解説します。
園の方針
園の方針によって行事の多さや運営の進め方が変わるため、日々の業務量や負担の感じ方に差が生まれます。
行事を多く取り入れている園では準備や対応が増えやすく、業務時間が長くなりやすい場面も見られます。
一方で、無理のない計画を採用している園では準備の負担を抑えやすく、落ち着いて業務を進められる傾向です。
また、園の方針が自分の保育観と合っていれば、納得感して働きやすくなるでしょう。
職員の人数
職員の人数は一人あたりの業務量に影響するため、働きやすさを左右するポイントです。
配置に余裕がある園では業務を分担しやすく、子どもと向き合う時間や事務作業の時間も確保しやすくなります。
さらに、保育補助やフリーの職員が配置されている場合は急な対応にも動きやすくなり、全体として落ち着いて業務に取り組みやすい環境といえます。
人間関係
保育はチームで進める仕事のため、職員同士の連携が取れているかどうかで日々の業務の進めやすさが変わります。
意見を共有しやすい雰囲気や、困ったときに助け合える関係があれば、業務上の負担やストレスを感じにくいかもしれません。
風通しが良く相談しやすい環境かどうかは、安心して働き続けるために重要な条件だといえます。
ICT化が進んでいる
ICT化が進んでいる職場は、記録や書類作成の効率が上がり、業務負担の軽減が期待できます。
例えば、連絡帳アプリや保育システムを導入している園では、入力内容をそのまま共有できるため、転記の手間や入力ミスを減らせるでしょう。
登降園の管理や時間集計もシステム上で処理できれば、事務作業にかかる時間を短縮できます。
その結果、事務作業の負担が軽減され、子どもと向き合う時間を確保しやすくなります。
まとめ
保育士の大変なこととして、業務量の多さや人間関係、体力的な負担などが挙げられますが、園の方針や人員配置によっても負担は変わります。
同じ仕事内容でも職場環境で働きやすさは異なるため、現在の状況だけで判断するのではなく、環境面にも目を向けることが重要です。
環境を見直すことで日々の負担を抑えやすくなり、無理なく働き続けられる可能性があります。
もし環境が原因でストレスを感じる場合は、転職を検討してみてはいかがでしょうか。
Q&A
Q1.保育士の大変なことは?
保育士の大変なことは、業務量の多さや心身への負担が大きい点です。
子ども一人ひとりに合わせた対応や高い注意力が求められるほか、書類作成や行事準備などの業務も多く、長時間労働になりやすい傾向があります。
また、人間関係や保護者対応による精神的な負担に加え、抱っこや外遊びなど体力を使う場面の多さも理由の一つです。
Q2.保育士に向いていない人は?
保育士に向いていない人は、子どもと関わることが苦手な人や、人とのコミュニケーションに負担を感じる人です。
また、食事や排せつの補助などで汚れる場面もあるため、清潔さへのこだわりが強い場合は業務に抵抗を感じる可能性があります。
Q3.保育士がしんどい時期は?
保育士がしんどいと感じやすい時期は、年度初めや行事が重なる時期です。
具体的には4〜6月の環境変化の時期や、運動会・発表会がある秋から年末、卒園前の3月などが挙げられます。
この時期は業務量や保護者対応が増えやすく、疲れを感じやすい可能性があります。