井上きき 役に立つ話

“もったいないオバケ”よりも伝えたい、目に見えないモノの存在

 

みなさんは、「もったいないオバケ」のような、見えないモノについて子どもたちに伝えることはあるでしょうか。

「給食を残すと、もったいないオバケがでるよ。」などの言葉がけに効果を感じることもあるかと思います。

しかしこれは、子どもをコントロールするために、子どもの恐怖心を利用する行為です。

覚えておきたいですね。

そして、子どもを脅してまで、たくさん食べさせる必要もありませんので、冷静に対応したいものです。
(盛り付けを少なくする工夫が大事です。)

 

◆プラスのイメージを持つ“目に見えない存在”を利用する

目に見えないモノの存在について伝えること自体は、悪いことではないと考えています。

しかし、「脅し」にならない配慮が必要です。

「オバケ」や「鬼」よりも「ごはんの神様」のようなプラスのイメージを持つ存在がいいですね。

「きれいに食べると、ごはんの神様がよろこんでるよ。」とか、「きれいに食べると、ごはんの神様に幸せをもらえるんだよ。」

のように肯定的な存在として伝えましょう。

 

◆「ごはんの神様」は大きくなったときに、効いてくる

子どもたちはやがて大きくなり、ひとりで行動する機会が増えてきます。

大きくなれば、友達と食事をしたり、あるいは、ひとりで食事をすることもあるでしょう。

大人の目から離れて行くのです。

そんなときでも、心のどこかに、「ごはんの神様」の存在を感じるでしょう。

「ごはんの神様が見ているから、キレイに感謝して食べよう」と思ってくれれば素敵な大人になりますね。

また、極端な話ですが、“盗んで食べようかな…”というようなマイナスの心を制してくれるのは、鬼やオバケではなく、神様のようなプラスの存在なんですよ。

 

≪井上きき 役に立つ話 2014年8月15日号≫

 

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