めぐみ先生の保育コラム

第二子を出産を控えた保護者への支援

子どもだけでなく保護者の支援を行うことも保育士の仕事。育児中の不安な気持ちに寄り添ったり、保育の専門家としてアドバイスをしたり、時には専門機関を紹介したほうが良いというケースもあります。

 

特に、第二子の出産を控えている時期はお母さんもきょうだい児も気持ちが不安定になるため、保育士が適切に介入してサポートをしたほうが良い場合があります。

今回は、第二子の出産を控えた保護者たちがどのような不安を抱えているのか、そして、保育士はどのように援助すべきかについて考えていきましょう。

 

第二子の出産を控えた保護者の不安とは?

経済的な不安

・出産費用や教育費に対する不安

・育休を取得すると世帯収入が減ってしまう

・第二子を保育園に預けることができるか分からない(復職できるか分からない)

 

身体的な不安

・第一子出産から時間が経ち、体力に自信がない

・手術のリスクや、手術後の体力回復が心配

・妊娠中の合併症などが怖い

・母の年齢が高くなると難産になる可能性も

 

パートナーへの不安

・子どもが2人になり、家事や育児の分担ができるか

・話し合いができていない

・パートナーの就労状況に対する不安

 

第一子への不安

・赤ちゃん返りをした上の子にどう接したらよいか分からない        

・第一子と第二子の性別が違うことで感じる不安

・本当に2人も育てられるのか不安

 

保育園でできるサポートについて考える

第二子の出産を控える保護者が抱える代表的な不安や悩みを紹介しました。こういった悩みは、家族のライフスタイルや健康状態、夫婦の就労状況、頼れる親族が近居しているかどうかなどでも変わってきます。そのため、1人ひとりに寄り添った支援が必要になります。例えば、保育園では以下のようなサポートができるのではないでしょうか。

 

育児支援に関する情報提供

育児支援の制度は年々変わっており、自治体ごとにも支援内容が異なります。第一子を出産した時にはなかった支援制度が新たにできている可能性もあります。

保育士は地域の育児支援の情報にもアンテナを張り、妊娠中と出産後の保護者がどのような支援を受けることができるのかもチェックしておくと良いでしょう。

自治体によっては、無料の家事代行チケットをもらえたり、ベビーカーやチャイルドシートを買う時の費用を自治体が一部負担してくれる場合も。仕事と子育てで忙しい保護者に代わり、保育園が積極的に情報収集と提供を行いましょう。

 

きょうだいの気持ちのケア

お母さんが妊娠すると、下の子はそわそわした気持ちになります。お兄さん、お姉さんになる喜びや赤ちゃんへの好奇心もありますが、これまで独り占めしていたお母さんとちょっと離れてしまうような寂しい気持ちになってしまうかもしれません。いわゆる「赤ちゃん返り」をする子もいます。

「もうすぐお兄(姉)ちゃんになるんでしょ?頑張ってね」と励ますことが適切な場面もありますが、まずは甘えたい気持ちをしっかりと受け止め、不安な気持ちに共感する言葉をかけましょう。

そして、保育園と家庭、それぞれの姿を両者間で情報共有し、その子ができるだけ安定した気持ちで過ごせるように連携していきたいですね。

 

お母さんがリフレッシュできる場作り

お母さんの不安を拭ってくれるのは、ママ友や先輩ママかもしれません。土日を利用して自由参加型の親子イベントを開催したり、お母さんのリフレッシュを目的としたネイルケアやハンドマッサージを実施している保育園も。お母さんが気軽に参加できるリフレッシュの場作りを、園全体で考えていくのもおすすめです。

 

保育士が保護者の気持ちに寄り添うためには、日々のコミュニケーションを大切にし、信頼関係を構築していくことが不可欠です。お迎えの際の保育士のさり気ない言葉かけが、保護者の不安な気持ちを解せるかもしれません。第二子出産という大きな仕事を控えているお母さんたちの気持ちをあたたかく受け止め、良き育児のサポーターになれるよう勉強していきましょう。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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