めぐみ先生の保育コラム

冬の睡眠、あたためすぎに要注意

寒い冬、子どもたちの眠る環境はどうしていますか?

気温の低い日は、子どもたちの体が冷えないように室温を高くしたり、一枚多めに衣服を着せたりすると思います。

しかし、「あたためすぎ」には注意が必要です。

 

厚手の掛け布は窒息の原因に

夏はタオルケット、冬は毛布といったように季節に応じて掛け布を変えている園は多いと思います。寒いからといって羽毛布団のように厚みや重量のある掛け布は危険です。窒息のおそれもあるので、軽い素材の子ども用毛布などを使いましょう。

 

着せすぎはNG

子どもたちは大人に比べて体温調節機能が未熟です。そのため厚着をすると、すぐに体温が上がってしまいます。室温が22〜23度であれば、眠るときの格好は大人の衣類−1枚、または同じ枚数が目安です。

着せすぎ・温めすぎによって脱水を起こす可能性もあるので、十分に注意しましょう。

 

また、床暖房を使用している園も注意が必要です。暖かい床の上に布団を直接敷いてしまうと、布団の中が40度以上の高温になってしまう可能性があります。床暖房のスイッチを切るか、コットベッドなどを活用することをおすすめします。

 

命に関わる可能性も

過去には、「保育園で冬の着せすぎ」による死亡事故も起こっています。保育者がダウンコートとセーターを着せて寝かせたことによる0歳児の死亡事故です。

 

冬だからとにかくあたためよう、という判断は子どもの命を奪う原因にもなります。適切な室温や寝具を整え、子どもたちが安全に眠れるようにしましょう。

 

佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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