めぐみ先生の保育コラム

赤ちゃんの身体的発達を観察してみよう

乳児期の身体的発達は目覚ましく、保育をする中でも「昨日できなかったことが今日はできるようになった」という発見が多いはず。

つい、「生後●ヶ月だから■■ができる」という目安に囚われてしまいがちですが、1人ひとりの発達に目を向けてよく観察してみると、色々な成長があることに気づきます。

 

うつぶせの運動は体を支える力を養う

うつぶせの姿勢は赤ちゃんに負荷がかかるのでは?と保護者から心配の相談を受けることもあるかもしれませんが、うつぶせの姿勢は身体の発達に大きく影響をもたらします。まだ自分で前に進めない赤ちゃんも、うつぶせになると呼吸をするために首を上げて横を向く動きをしたり、頭を上げることで背中の筋肉が活性化され全身を支える筋肉が育ちます。また、両腕が前に出てくると、ずり這いやはいはいなど、次の動きに必要なバランス感覚や筋力が育ちます。

 

うつぶせにする時は、窒息事故を防ぐために柔らかい布団などの上ではなく、畳やマットなど硬さのある床面で行いましょう。また、長時間うつぶせにしたり目を離すのは危険です。必ずそばで大人が見守りましょう。

 

赤ちゃんはごろごろ寝ながら発達する

まだ自分で移動できない月齢の子、いわゆる「ねんね期」の赤ちゃんを観察してみましょう。寝転がりながらも、赤ちゃんは色々な動きをしていますよね。視覚的な興味が沸いてくると、自分の手を見つめたりしゃぶったりする様子が見られます。その時に、足も体の中心に持ってきて、手と足が初めて出会うのです。

足を自由に触れるようになると、足やおしりを持ち上げて遊ぶようになります。この時、重心が高くなることで、左右に転がりやすくなります。これが寝返りの動きにも繋がってきます。

手と口、手と手、手と足の触れ合いは、その子の興味をさらに引き出します。保育園では危険がない限りは赤ちゃんの体が固定されず、自由に手足や頭を動かせる環境を作ることが大切です。

 

同じ月齢の子同士を比べるのではなく

赤ちゃんは日々の生活の中で、様々な動きを身につけていきます。寝返り、ハイハイ、つかまり立ちといった分かりやすい身体的発達以外にも、実は細やかな発達がたくさんあるのでぜひ保育をしながらじっくりとその子を観察し、保護者と成長の様子を共有できることが望ましいですね。

成長のペースには個人差がありますが、同じ月齢の子同士を比べるのではなく、その子の昨日と今日、1ヶ月前と1ヶ月後を比べることで、「成長」に対してさらに理解が深まるのではないでしょうか。

 

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佐藤愛美(さとうめぐみ)

保育ライター。保育園や子育て支援施設にて担任や育児講座等の業務を経験。2016年にはフリーライターに転身。保育園の取材記事やコラムなどを中心に執筆し、現在に至る。

保育の仕事の魅力や、現場で活躍する保育者たちの生の声をお届けします。

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