保育パートナーズは保育業界に特化した求人サイトです。保育士の求人を希望エリアから探す事ができます。保育学生さんや保育士さんは是非ご活用下さい。

　しろいうさぎとくろいうさぎ

 

今回紹介するのは『しろいうさぎとくろいうさぎ』。

 

原作が出版されたのは1958年、

福音館書店の絵本として出版されたのは1965年。

『ねないこだれだ』よりも前に出版された、古くからある絵本です。

 

かなり売れている超名作絵本なので、

おそらく読んだことが有る人も多いのではないでしょうか？

ちなみに私も幼い頃にこの絵本を読んだことがあります。

実家にまだ残ってるかなぁ……

 

 

さてこちらの絵本、ざーーーっくり内容を説明いたしますと。

「しろいうさぎとくろいうさぎが愛し合ってやがて結婚する」

といった感じでしょうかね。

 

……何？短すぎる？

いやそれがですね、本当にそんなカンジなんですよ。

私が手を抜いてるだとかそういうのではなく、

あらすじ自体は本当にそれくらいシンプルな内容なんですってば！

 

 

ちなみにですね、ネットでこの絵本を検索すると、

人種差別をテーマにした絵本だとか、重い裏設定があるだとか、

そんなカンジの噂が流れておりますが、

今回はそういうのはまーーーーーーったく意識せずに、

純粋に「私、黄鳥あづきが前情報ナシでこの絵本を読んで、

サッと感じた感想」を

サラサラっとつづらせていただこうと思います。

 

 

それにしてもうさぎって可愛いですよね！　あぁ^～心がぴょ（殴

 

この絵本の特徴ですが。　それはずばり、

「きれいさ」と「美しさ」をとてもとても大切にしている所です。

何がどうきれいで美しいのかというとですね……

まず１点目に、「絵（というか世界観）」が「きれい」で「美しい」。

絵本の表紙を見て頂いた時点でわかるかと思いますが。

絵が全体的にとても丁寧・繊細かつ、可愛らしい。

 

特に、主役である２羽のうさぎは、

上記のとおり繊細かつ可愛らしいのはもちろんのこと、

とても表情が豊かに描けており、

大人も子供も、読んでいて心が洗われていきそうです。

これ、誇大表現とかじゃなくって本当にですよ？

いやまあ多少の個人差はあるかもしれませんケド

 

実際、子どものころ絵本を読んでもらってなくても、大人になって、

この絵本に出会って、絵本の奥深さを知ったり、

絵本のファンになったという方も多いらしいです。

 

ぶっちゃけこの絵本、「絵のきれいさと美しさ」だけでも

絵本として相当な完成度を誇っております。

「子供のころ読んだことがあって、話の内容はよく覚えてないけど

絵がとてもきれいで美しかったから妙に印象に残っている」という方、

相当数いらっしゃるのではないでしょうか？

ていうか私がつい最近まで正にそんなヤツでしたはい笑

 

それくらい、子どもにとってグッと印象にのこりやすい、

絵柄だけでも楽しめるような素敵な絵本なのです。

 

 

柔軟材を使ったかのような驚きのやわらかさを持つ絵柄

 

ですが、この絵本の素晴らしさはそれだけではございません。

というワケでこの絵本の特徴その2！

それは「物語の内容」も「きれい」で「美しい」、ことです。

 

なおこの「物語の内容」に関しては、

子どもよりはどちらかというと大人に支持を得ている模様なのですが、

まどろっこしい表現を抜きにひたすら「きれいで美しい理想的な恋」

を描いている内容となっております。

いやまあ、本当に、全体の話の流れはとてもシンプルで、

「しろいうさぎとくろいうさぎが愛し合ってやがて結婚する」だけ、

なんですけどね。

 

……それでは、原文ママにならないよう注意しながら、

私の解釈も含めつつ、具体的に絵本の内容掘り下げさせていきます。

 

――――――――――――――

 

あるところに白いウサギ（メス）と黒いウサギ（オス）がおりました。

二羽はいつも一緒で、とても仲良く過ごしているんですが、

どういうわけなのか、黒いウサギが

ときどきとても悲しい表情をするのです。

 

どうやら黒いウサギは、

「白いウサギといつまでも一緒に居られますように」と、

とても真剣に深刻に考えている模様でした。

 

おそらく黒いウサギは、大切な人と過ごしていて感じる、

「ずっとこのまま一緒に居られるのだろうか」という

「漠然とした不安」を抱えているのでしょう。

誰かと相思相愛の関係にある幸せな時間が、

ある日突然壊れてしまうんじゃないかっていう「漠然とした不安」を。

誰かを本気で愛する経験をしたことがある「大人」の方なら、

きっとこの「漠然とした不安」を感じたことがあるはずです。

 

そんな不安をかかえている黒いうさぎの気持ちを知った白いうさぎは、

黒いうさぎの目をまっすぐ見て

「わたし、いつまでもあなたと一緒にいるわ」と答えてあげます。

 

黒いうさぎは慎重に聞きます。

「いつも、いつも、いつまでも？」

 

白いうさぎははっきり答えます。

「いつも、いつも、いつまでも」

 

この瞬間、白いうさぎと黒いうさぎは結ばれたのでした。

 

こうして、白いうさぎと黒いうさぎは結婚しました。

白いうさぎと黒いうさぎは、いままでどおり、いつも一緒にいました。

今までと違うのは、黒いうさぎはもう、

悲しい顔を二度としなくなったことです。

 

めでたしめでたし。

 

――――――――――――――

 

 

Happy End……

 

……いかがでしたか。

なんだか、私がつづった上記のあらすじだけでは、

「僕たちいつも一緒にいます」

→「これからもずっといっしょにいたいな」

→「これからもずっといっしょにいよう」

→「僕たち結婚しました」

といっただけの超薄っぺらい話と誤解されかねないような気が

しなくもないですね。

 

念のため記載させていただきますと、

がっつりネタバレになるような描写は

今回なるだけ控えさせていただきましたため、

一部表現につきましては実際の表現より

あっさり記載させている部分がございます。

また、私の解釈も多少なりとも入っているため、

実際の内容とは異なる部分があるかもしれません。

こちらのページにも書きましたが、

ちゃんと絵本の内容を知りたい方は

一度実物手に取って読んでいただけると幸いです。

 

……ですが、

この絵本、内容自体は本当にこのくらい

シンっっプル！　なものだと私は思います。

私がつづった上記のあらすじ通りで、話の流れに偽りはないはずです。

 

 

とにかく、私が言いたいのは、

この絵本は、

綺麗で、美しくて、ひねりなしのド直球で、

理想的純愛をこれでもかと言わんばかりに描けている絵本

なのです。

 

この絵本の物語は、誰もが見ても、

とてもとても綺麗で、とてもとても美しいと感じる、

白いうさぎと黒いうさぎの恋の物語。

 

そんな物語を持つこの絵本は、

「誰かを愛する」という行為が、

どんなに綺麗で、どんなに美しいことで、それが、

どんなに素晴らしきことなのか、

じんわりと教えてくれる。

 

「しろいうさぎとくろいうさぎ」はそんな絵本だと、私は感じました。

 

ぜひ、みなさんもこの絵本の純愛っぷりに

ウットリしちゃってください。

また、子どものころ読んだことがあり、

それっきりこの絵本を読んでいない方は、

今一度この絵本を手に取って読んでみてください。

 

大人になった「今」読んでみると、

だいぶ変わった印象を持たれることでしょう。

 

 

というわけで、以上、

『しろいうさぎとくろいうさぎ』のご紹介でした。

 

 

お幸せに

 

 

 

…………。

 

……。

 

しかしまぁ。なんでしょう。

 

今回ご紹介しました「しろいうさぎとくろいうさぎ」ですが、

内容があんまりにもきれいすぎて、読む人によっては逆にちょっと切ない気持ちを

抱いてしまう人もいるんじゃないですかね？

 

この絵本の2羽のうさぎたちほど、ピュアぁ～な恋愛関係を誰かと持ったことがない私には、

正直な話、この絵本はとてもまぶしく感じてしまいました。

 

そういうネガティブな感情を抱いてしまうこともあるくらい、

きれいで美しい内容の絵本なんです。

 

この絵本は……本当に。（遠い目）

 

 

 

 

著：黄鳥あづき

 

 

Tweet

 

 

 

 

 

≪すてきな絵本たち　2015年10月1日号≫
すてきな絵本たち 一覧へ